今出川 (福島県)

日本の河川

今出川(いまでがわ[1])は、福島県を流れる阿武隈川水系の二次支流である一級河川[2]

今出川
今出川 2020年1月20日撮影
左岸の石川町立石川小学校付近を流れる今出川。2020年1月撮影。
水系 一級水系 阿武隈川
種別 一級河川
延長 19.3 km
流域面積 194.1 km²
水源 大笹山
石川郡古殿町
河口・合流先 社川
石川郡石川町
流域 福島県

地図

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地理 編集

石川郡古殿町大笹山(標高 677m)に源を発し、西へ流れる[3]石川町の中心市街地で、北から合流する北須川を合わせ、南西から西へ向きを変え、字猫啼付近で南西から流れてきた社川合流する。(一部の地図では、北須川との合流点から社川との合流点までの区間を「北須川」と表示している場合がある。[4]

今出川の上流部は、阿武隈高地の豊かな自然に恵まれ[5]、山間部に開けた平地があり、狭い川幅で緩やかに蛇行する今出川を利用した水田耕作が可能で古くから集落が形成されたが、中流部は勾配が急な渓流となっている[6]

北須川と合流するあたりの下流部には、古くから城下町として発達した石川町の中心市街地がある[5]

流域の生態系 編集

流れが緩やかな今出川上流部は、ウグイの産卵床になる砂礫の河床となっているほか、小魚も多く、それを餌とするサギの類がいる[6]。また、湧水の流入もありホトケドジョウも生息している[6]。河床に岩や巨礫が多い中流部の渓流は、イワナヤマメなどが生息している[6]。また、淀みにはカワニナが多く、それを餌とするゲンジボタルもいる[6]

治水 編集

早くから北須川との合流部に城下町が形成された石川では、しばしば洪水被害も生じていたが、1966年9月の台風28号は、特に大きな洪水被害をもたらした[7]。この洪水を契機に、中心市街地から水郡線鉄橋付近までの範囲が暫定改修された[8]1967年灌漑目的で北須川に千五沢ダムが建設されて以降は、その貯留効果により洪水の危険性は軽減されている[8]1996年からは、今出ダムの建設も視野に入れた今出川総合開発事業が始まったが[8]、今出ダムは2008年に建設計画が中止され[9]2009年からは千五沢ダムに洪水調整機能をもたせるためのダム再開発事業が始められた[7]

桜並木 編集

今出川は、北須川とともに、市街地部の河岸に数キロメートルに及ぶ桜並木が整備されており[10][11]、例年、花見の季節には「桜まつり」が開催されている[12][13]

流域の自治体 編集

福島県

主な支流 編集

  • 北須川
    • 東川
    • 平田川
    • 乙空釜川
    • 沢丈川
  • 飛鳥川
  • 三森川

主な橋梁 編集

脚注 編集

  1. ^ 今出川・北須川の桜並木(福島県観光情報サイト)
  2. ^ 『一級河川阿武隈川水系 社川圏域河川整備計画』2009年、p.10.
  3. ^ 石川町資源調査調書” (PDF). 石川町. 2020年1月19日閲覧。
  4. ^ OpenStreetMap では「今出川」となっているが、Google Map では「北須川」とされている。
  5. ^ a b 『一級河川阿武隈川水系 社川圏域河川整備計画』2009年、p.1.
  6. ^ a b c d e 『一級河川阿武隈川水系 社川圏域河川整備計画』2009年、p.3.
  7. ^ a b 千五沢ダム再開発事業”. 福島県 (2016年12月12日). 2020年1月19日閲覧。
  8. ^ a b c 『一級河川阿武隈川水系 社川圏域河川整備計画』2009年、p.5.
  9. ^ ふくしま発 水のあした 第2部 共生の知恵【3】今出ダム計画 建設中止、住民に影響 良質な水の確保が急務”. 福島民友新聞社 (2010年4月10日). 2020年1月19日閲覧。
  10. ^ いしかわ桜めぐり 桜データ 今出川の桜”. 石川町. 2020年1月19日閲覧。
  11. ^ 今出川・北須川の桜並木”. 福島県観光物産交流協会. 2020年1月19日閲覧。
  12. ^ 『一級河川阿武隈川水系 社川圏域河川整備計画』2009年、p.9.
  13. ^ いしかわ桜めぐり イベント情報 第33回石川桜まつりが開催されます!”. 石川町. 2020年1月19日閲覧。

参考文献 編集