仙台市交通局3000系電車

仙台市交通局の通勤型電車

仙台市交通局3000系電車(せんだいしこうつうきょく3000けいでんしゃ)は、仙台市交通局仙台市地下鉄南北線用に導入予定の通勤形電車である。

仙台市地下鉄3000系電車
基本情報
運用者 仙台市交通局
製造所 日立製作所笠戸事業所
製造年 2023年 -
製造数 22編成88両(予定)
運用開始 2024年令和6年)
投入先 南北線
主要諸元
編成 4両編成(2M2T)
軌間 1,067 mm(狭軌
電気方式 直流1,500V 架空電車線方式
最高運転速度 75 km/h
起動加速度 3.5 km/h/s
減速度(常用) 3.7 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
編成定員 580
車両定員 145(座席45)
編成重量 136.1 t
全長 20,000 mm(中間車)
21,750 mm(先頭車)
車体幅 2,886 mm
車体高 3,992 mm
車体 アルミニウム合金
主電動機 三相交流かご型誘導電動機
主電動機出力 160 kW
制御方式 ハイブリッドSiC素子VVVFインバータ制御
制動装置 回生ブレーキ、電空協調全電気指令式電磁直通ブレーキ、応荷重遅れ込め制御保安ブレーキ
保安装置 ATC ATO
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概要 編集

2022年度(令和4年度)より製造を開始し、2023年(令和5年)8月初めに1編成目が落成。9月11日に仙台港へ到着し、同日より富沢車両基地に搬入された[1]

今後、基地内試験調整や本線走行試験を経て[2]2024年令和6年)秋に運用を開始する予定[3][4]2030年度(令和12年度)までに最大22編成88両を製造し[5]、従来の1000N系を置き換える[注 1][6]

車両デザイン 編集

コンセプトは「南北線車両からの進化」。先頭形状を「くの字型」としたほか、乗降扉の窓を楕円形とするなど、従来の1000N系のスタイルを継承する[7]。また、前照灯や後尾灯は前面ラインと一体化させ、進化したイメージを創出した[3]。側面には前面窓とのバランスを考慮した太さとなる、濃淡2色の緑色帯を上部に配置する[8]

なお、デザインは3案の中から市交通局のホームページ、地下鉄駅設置の投票箱、および南北線沿線に所在する小学校の6年生生徒による投票で決定した[3]

客室内 編集

内装は1000N系の配色を受け継ぐカラーデザインとし、ホワイト系とグリーン系で仕上げた[9]座席は片持ち支持方式で、ドア間は6人掛け、車端部は3人掛けとしている。一般席のモケットは定禅寺通のケヤキ並木をモチーフとし、葉をあしらったようなグリーンの楕円模様を採用。優先席のモケットは暖かみのある赤を基調とした[7][10][11]。袖仕切りは木目調となっているほか、貫通路のガラス扉には仙台市ゆかりのモチーフを配置している[12]

車椅子やベビーカー等で利用できるフリースペースを1両につき1ヶ所設けるほか、ディスプレイ(LCD)式の案内表示器や1両あたり4台の防犯カメラを設置する[13]

また、車内の快適性向上のため冷房能力を1.5倍に強化し、感染症対策の観点から外気導入機能を追加する[2]。車両は低床化し、ホームとの段差を現行より縮小する[4]

形式 編集

車両番号は、千位の数字は3000系の車系を示す3、百位の数字は車種(形式)を意味しており、下2桁は編成番号を表している。なお、第1編成の編成番号は31である[7]。3400形と3500形は、将来的な6両編成化に備え欠番となっている。

 
富沢

形式 3100形 3200形 3300形 3600形
区分 Tc1 M1 M2 Tc2
車両番号 3131

3231

3331

3631

自重 32.0 t 36.4 t 35.8 t 31.9 t
定員 145 145 145 145

沿革 編集

年表 編集

  • 2020年令和2年)
    • 1月7日 - 仙台市交通局より、3000系電車の物品発注・入札実施(7区分)の告示が行われる[14]
    • 2月28日 - 3000系電車の入札が開札され、告示された7区分すべての落札者が決定。このうち車体製造は日立製作所が担当することになり、総落札金額は175億807万4,000円になった[15]
  • 2021年(令和3年)
    • 3月 - 車両デザインの投票が行われる[3]
    • 5月18日 - 仙台市のホームページで、車両デザインが決定したことが発表される[3]
  • 2023年(令和5年)
    • 9月11日 - 第1編成が仙台港に到着。富沢車両基地への搬入を開始[4]
    • 11月 - 深夜における本線走行試験を開始[2][16]
  • 2024年(令和6年)2月14日 - 営業時間帯における本線走行試験を開始[16]

今後の予定 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1000N系の在籍数は21編成であるが、安定的な運行のための予備車両を考慮のうえで計画した。

出典 編集

  1. ^ 地下鉄新型車両「3000系」、夜の仙台を行く 大型トレーラーで2時間かけ車両基地へ”. 河北新報オンライン (2023年9月13日). 2023年9月13日閲覧。
  2. ^ a b c 仙台市交通事業経営計画(令和3~12年度) 個別管理・評価シート(令和5年度計画)” (PDF). 仙台市交通局. 2023年4月8日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 地下鉄南北線の新型車両デザインが決定しました(発表資料)”. 仙台市 (2021年5月18日). 2022年5月12日閲覧。
  4. ^ a b c d 地下鉄南北線、新型車両11月から走行試験、来秋営業運転へ 仙台市交通局”. 河北新報オンライン (2023年5月19日). 2023年5月19日閲覧。
  5. ^ 仙台市地下鉄 南北線 新型車両 3000系 4両編成22本製造、ブラックフェイスで緑帯はルーフ部へ”. 鉄道チャンネル (2021年5月20日). 2022年5月12日閲覧。
  6. ^ 仙台市地下鉄南北線、新型車両は無塗装のアルミ合金製になる?”. マイナビニュース (2020年1月18日). 2022年5月13日閲覧。
  7. ^ a b c 仙台市地下鉄南北線 新型車両3000系を公開、走行試験へ”. マイナビニュース (2023年10月27日). 2023年10月29日閲覧。
  8. ^ 選ばれたのはこれ 地下鉄南北線の新デザイン、仙台市が発表”. 河北新報オンライン (2021年5月18日). 2023年2月26日閲覧。
  9. ^ 南北線新型車両3000系特集”. 仙台市交通局. 2023年10月20日閲覧。
  10. ^ 【開業以来〝初〟】仙台地下鉄・南北線 新型車両が「陸路」で搬入 来年秋デビューへ”. ミヤギテレビ (2023年9月13日). 2023年9月14日閲覧。
  11. ^ 仙台市地下鉄南北線 「杜の都」を随所に表現した新型車両の内部を初公開、小学生向けに内覧会”. 河北新報オンライン (2023年10月27日). 2023年10月29日閲覧。
  12. ^ 仙台市地下鉄の新型車両を小学生に公開 2024年秋に導入予定”. khb東日本放送 (2023年10月27日). 2023年10月29日閲覧。
  13. ^ 仙台市交通事業経営計画 2021-2030(令和3~12年度)” (PDF). 仙台市交通局. 2023年2月26日閲覧。
  14. ^ 仙台市交通局 物品発注情報
  15. ^ 仙台市交通局 大型案件の入札結果一覧
  16. ^ a b 仙台市地下鉄南北線 新型車両「3000系」営業時間中の試験走行始まる”. 河北新報オンライン (2024年2月14日). 2024年2月14日閲覧。

外部リンク 編集