仮屋薗 聡一(かりやぞの そういち 1969年2月3日-)は、日本のベンチャーキャピタリスト株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 共同創業パートナー。一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会名誉会長。

経歴 編集

鹿児島県に生まれる。慶應義塾大学法学部卒業。米国ピッツバーグ大学経営大学院修了(MBA)。

株式会社三和総合研究所を経て、1996年株式会社グロービスのベンチャーキャピタル事業設立に参画。

1号ファンドのファンドマネージャー、1999年パートナー就任。

2006年より代表パートナー就任。

2015年7月より一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会会長。

2017年Forbes JAPAN が発表する「日本版Midas List(最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング)」において第1位に選出される。[1]

2019年7月より一般社団法人ベンチャーキャピタル協会名誉会長。

内閣官房「ベンチャーチャレンジ2020アドバイザリーボード」、経済産業省「loT推進ラボloT支援委員会」、総務省・文部科学省・経済産業省「人工知能技術戦略会議(産業連携会議)」、経済産業省「グローバル・ネットワーク協議会」、国土交通省「i-Construction推進コンソーシアム」、東京都「国際金融都市・東京のあり方懇談会」等の委員、メンバーを務める。

2022年より共同創業パートナー就任。現在に至る。

業界で有名なベンチャーキャピタリスト十二訓を生み出した人物である。

『ベンチャーキャピタリスト十二訓』 編集

一、

優秀な人材のいる場所、時間、きっかけを探せ。

そこに何度でも通って、一人一人と、仕事ではなく、しっかりと友人になれ。

やがて自分自身が、人材の集まる場となる。

二、

人との出会いは、全てがファン作りの機会。

自身の持っている経験や知識を、相手の立場に立って惜しみ無く差し出せ。

三、

投資する会社を探すな、投資するテーマを探せ。

それから適切な経営チームを探せ。

無ければコンバートを試みるべし。

そこが腕の見せどころ。

四、

お金を売るな、自分を売れ。

経営者から、投資・経営参画してほしい、と先に言われて、初めて上等。

五、

ベンチャーは、不確実性の塊だ。

出来ない理由を語れる人は、数多くいる。

その時こそ、自身がビジョン、戦略、経営者を信じきれるか今一度反芻せよ。究極のリアリストであり、ロマンチストであれ。

不安を感じるところから動き出す一歩に、あなたの進化が始まる。

六、

経営陣に対し、評論家然、投資家然とした態度で臨んではならない。

中長期を見据え、功を急がず、燦然と進むべき方向を指し示す北極星のごとき存在であれ。

七、

最先端の経営知が、日々ベンチャーが直面する課題とトライ&エラーの中で生まれている。経営支援は、決して机上では学べない。

あなたは、数多くの優秀な経営陣とその最前線を共有し、ベストプラクティスのハブになれ。

八、

ベンチャーは、逆境の塊だ。だが、困難は進化の礎。

嵐にあってこそ、より迅速に動き、泰然自若、笑顔を忘れるな。

それが、皆の勇気につながる。

九、

誰にでも、撤退すべき時は必ずある。

最悪なのは、ものごとにこだわりすぎ、致命傷になるまで深追いしてしまうことだ。撤退する時は、全速力で。

そしてその失敗を、必ず次の糧とせよ。

十、

経営者にとって、投資家の言葉は重く鋭き斧。

厳しきことを言う時こそ、一呼吸置き、相手の心相を汲む優しさを忘れるな。

十一、

Exitでは、天時・地利が不可欠である。それに備え、見極めよ。

ただし、遂行においての最重要は人和となる。

くれぐれも人事を尽くし、ことあらば人の痛みを引き受けよ。

十二、

時を経て、一旦の成功を為し得た時、かつての夢見る若き起業家は、先進の経営者に、新卒だった若者は頼もしいマネージャーとなっていることに、あなたは気付き、そして共に喜びを分かちあうだろう。

その永かった道程に、あなたは真の報酬を見出だす。

著書 編集

  • 「機関投資家のためのプライベート・エクイティ」(きんざい)
  • 「ケースで学ぶ起業戦略」(日経BP社)
  • 「MBAビジネスプラン」(ダイヤモンド社)
  • 「ベンチャーキャピタリストが語る起業家への提言」(税務研究会)

脚注 編集

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