伊豆箱根バス小田原営業所

伊豆箱根バス小田原営業所(いずはこねバスおだわらえいぎょうしょ)は、神奈川県小田原市にある伊豆箱根バスの営業所である。

小田原営業所

概要 編集

小田原駅から箱根方面への観光路線と、小田原市・足柄下郡湯河原町真鶴町内の地域路線を担当している。

箱根方面の路線については、かつては箱根山戦争と呼ばれたように小田急グループ箱根登山鉄道バスと多くの区間で競合しており、同じ場所でありながらバス停留所名称が異なることもあった。しかし、2003年12月西武グループと小田急グループが箱根地区において業務提携することが発表[1]されて以降は、両グループが協調して様々な施策に取り組んでいる。まず、バス停留所名称が箱根登山バスとの間で統一された[2]。そして、2010年6月15日より小田急グループ各社(箱根登山バス・小田急箱根高速バス(当時)・沼津登山東海バス(当時))や箱根町と連携して系統記号を導入するとともに、共通の様式で路線図を作成してバス停留所での掲出を開始した[3]2019年4月1日には小田急グループ各社と共同でバス停留所のナンバリング(停留所番号の導入)を実施した[4]。ただし、両グループが発売するフリー乗車券の統合は見送られており[1]2020年6月現在も小田急電鉄などが発売する「箱根フリーパス」は使用できない[5]

小田原市内路線については業務提携以前からエリアの棲み分けが行なわれており、小田原駅近辺を除いて重複している区間はほとんどない。また、湯河原駅 − 奥湯河原間の路線では共同運行が行われている[6]

所在地 編集

  • 神奈川県小田原市久野465
    最寄りバス停:久野車庫前

沿革 編集

現行路線 編集

高速路線 編集

苗場ホワイトスノーシャトル

一般路線 編集

国道1号大平台付近
小田原市久野(中宿バス停)付近
小田原市久野(兎河原橋)付近
小田原駅西口行きの方向幕

【】内は2010年6月15日から箱根地区の路線バスに導入された系統記号[3]。『』内はその他の路線に導入されている系統番号[20]

小田原駅で特記がないものは小田原駅東口を指す。小田原駅西口行きの方向幕のローマ字表記は「ODAWARA WEST Stn.」となっている。

すべての一般路線でPASMOが使用できる[21]。また、下記のうち箱根地区発着路線湯河原駅・真鶴駅発着路線では伊豆箱根バスが発売する箱根旅助け箱根バスフリーが使用できるが[22]前述の通り小田急電鉄などが発売する箱根フリーパスは使用できない[5]

箱根地区発着路線 編集

【J】湖尻・箱根園線
  • 【J01】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 早雲山駅入口 - 大涌谷 - 姥子 - 湖尻 - ザ・プリンス箱根芦ノ湖 - 箱根園
  • 【J02】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 早雲山駅入口 - 姥子 - 湖尻 - ザ・プリンス箱根芦ノ湖 - 箱根園
  • 【J03】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 早雲山駅入口 - 大涌谷 - 姥子 - 湖尻 - 箱根園
  • 【J04】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 早雲山駅入口 - 姥子 - 湖尻 - 箱根園
  • 【J05】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 早雲山駅入口 - 姥子 - 湖尻
    • 土休日の日中の湖尻方面のみ小田原箱根道路を通行するため、入生田 → 東三枚橋間を通過する[23]
【P】バイパス線
  • 【P01】箱根園 → ザ・プリンス箱根芦ノ湖 → 元箱根 → 箱根関所跡箱根町 → (箱根新道) → 箱根湯本駅 → 小田原駅
  • 【P02】箱根園 → ザ・プリンス箱根芦ノ湖 → 元箱根 → 箱根関所跡 → 箱根町 → (箱根新道) → 小田原駅
  • 【P03】小田原駅 → (箱根新道) → 箱根町 → 箱根関所跡 → 元箱根 → 箱根園
【U】国道・箱根園線
  • 【U01】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 芦の湯 - 元箱根 - ザ・プリンス箱根芦ノ湖 - 箱根園
【Z】箱根・関所線
  • 【Z01】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 芦の湯 - 元箱根 - 箱根関所跡 - 箱根町
  • 【Z02】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 箱根湯の花プリンスホテル - 芦の湯 - 元箱根 - 箱根関所跡
  • 【Z03】小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 芦の湯 - 元箱根 - 箱根関所跡

小田原駅発着路線 編集

小田原駅東口 − 北舟・船原・県立諏訪の原公園線
  • 『小51』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - ミクニ前 - 船原 - 和留沢入口 - 船原日向 - 北舟 - 諏訪原 - 小田原フラワーガーデン - 県立諏訪の原公園
  • 『小52』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - JA久野支店前 - 柿木田 - ミクニ前 - 船原 - 和留沢入口 - 船原日向 - 北舟 - 諏訪原 - 小田原フラワーガーデン - 県立諏訪の原公園
  • 『小53』県立諏訪の原公園 → 小田原フラワーガーデン → 諏訪原 → 北舟 → 船原日向 → 和留沢入口 → 船原 → ミクニ前 → 井細田駅前 → 広小路 → 小田原駅
  • 『小55』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - ミクニ前 - 北舟 - 船原日向 - 船原
  • 『小56』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - ミクニ前 - 北舟
  • 『小57』ミクニ前 → 井細田駅 → 広小路 → 小田原駅
  • 『小58』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - 久野車庫前 - 兎河原公園前 - ミクニ前 - 船原 - 和留沢入口 - 船原日向 - 北舟 - 諏訪原 - 小田原フラワーガーデン - 県立諏訪の原公園
  • 『小59』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - 久野車庫前 - 兎河原公園前 - ミクニ前 - 北舟 - 船原日向 - 船原
県立諏訪の原公園 − 小田原駅西口線
  • 『小54』小田原駅西口 - 市役所前 - 市立病院前 - ミクニ前 - 船原 - 和留沢入口 - 船原日向 - 北舟 - 諏訪原 - 小田原フラワーガーデン - 県立諏訪の原公園
小田原駅東口 − 久野車庫線
  • 『小61』小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院前 - 久野車庫前
  • 『小62』久野車庫前 → 市立病院前 → 市役所前 → (けやき通り) → 広小路 → 小田原駅
  • 『小63』小田原駅 → 小田原駅西口 → 市役所前 → 市立病院前 → 久野車庫前
小田原駅西口 − 兎河原循環線
  • 『小71』小田原駅西口 → 市役所前 → 市立病院前 → 久野車庫前 → 兎河原公園前 → 柿木田 → 久野車庫前 → 市立病院前 → 市役所前 → 小田原駅西口
小田原駅西口 - 久野車庫線
  • 『小72』小田原駅西口 - 市役所前 - 市立病院前 - 久野車庫前
小田原駅西口 − 関学・佐伯眼科線
  • 『小81』小田原駅西口 - 荻窪上 - 関東学院大学 - 佐伯眼科
  • 『小82』小田原駅西口 - 荻窪上 - 関東学院大学
  • 『小83』小田原駅西口 - 荻窪上 - 関東学院大学 - 佐伯眼科 - いこいの森
  • 『小84』小田原駅西口 - 荻窪上 - 関東学院大学 - いこいの森
  • 『小92』小田原駅西口 - 荻窪上 - いこいの森
小田原駅西口 − 旭丘高校第2校地
フラワーガーデン − 白山中学校線
  • 『学03』小田原フラワーガーデン → 諏訪原 → 北舟 → 船原日向 → 和留沢入口 → 船原 → ミクニ前 → 日本たばこ正門前 → 白山中学校前

大雄山駅発着路線 編集

大雄山駅 − 道了尊線
  • 『道01』 大雄山駅 - 足柄ふれあいの村 - 道了尊
  • 『道02』 大雄山駅 - 道了尊
    • 大雄山線に接続するバスで、通常は日中のみの運行。『道01』のみ足柄ふれあいの村を経由する。

大磯駅発着路線 編集

大磯駅 - (直行) - 大磯ロングビーチ・大磯プリンスホテル臨時バス

湯河原駅・真鶴駅発着路線 編集

湯河原駅 − 不動滝・奥湯河原線
  • 『湯03』湯河原駅 - 不動滝 - 奥湯河原
  • 『湯05』湯河原駅 - 不動滝
    • 三島営業所との共管路線[16]。箱根登山バスと共同運行しており、月ごとに担当便を入れ替えている[6]
湯河原駅 − 真鶴駅線
真鶴駅 − ケープ真鶴線
  • 『真13』真鶴駅 - 山下浜 - 中川一政美術館 - ケープ真鶴
  • 『真14』真鶴駅 - 山下浜 - 中川一政美術館
  • 『真15』真鶴駅 - 山下浜
    • 箱根登山バスと共同運行していたが、2018年5月1日に同社が撤退したため現在は単独で運行している[26]。共同運行時は月ごとに担当便を入れ替えていた[27]

廃止・移管路線 編集

  • 小田原駅 - 箱根湯本駅 - 宮ノ下 - 小涌園 - 駒ヶ岳 - 元箱根 - 箱根園
  • 小田原駅 - 広小路 - 荻窪上
  • 小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院 - 車庫前 - 兎河原循環
  • 小田原駅 - 広小路 - 市役所前 - 市立病院 - 日本たばこ前 - 坊所
  • 小田原駅西口 - 市役所前 - 市立病院 - 日本たばこ前 - 坊所
【E】元箱根・箱根園線
  • 元箱根 - 箱根園

車両 編集

西武グループのバス事業者の例に漏れず、UDトラックス(旧:日産ディーゼル)車がほとんどであったが、1980年代までは日野三菱車も導入されていた。2005年以降は再び日野車やいすゞ車も導入されている。市内路線向けには中型車、観光路線向けには大型車が主であったが、近年では中型車の導入が目立つ。小田原市役所・小田原市立病院を経由するバス路線は当営業所の担当路線のみのため、近年はノンステップバスの導入を進めている。

新車で導入した車両の中には、定期観光バスとの兼用としてハイデッカー車が導入されたことがあるが、運用上は大型車の運用という以外にはあまり考慮されず、市内路線にばかり運用されることもあった。この他、西武バスからの譲受車も一時期は多く見られた。また、一時期は市内路線用の車両も導入されたが、運用上の制約から早い時期に売却されている。

脚注 編集

  1. ^ a b 野中 (2006) p.108
  2. ^ 青田 (2011) p.203
  3. ^ a b c 箱根エリアバス路線の系統記号化を実施します” (PDF). 箱根登山バス・小田急箱根高速バス・沼津登山東海バス (2010年6月8日). 2010年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月15日閲覧。
  4. ^ a b 箱根地域を運行するバス4社がバス停ナンバリング 分かりやすいバス利用へ”. 小田原箱根経済新聞 (2019年2月21日). 2020年5月30日閲覧。
  5. ^ a b 箱根フリーパスとは”. 小田急箱根ホールディングス. 2020年4月26日閲覧。
  6. ^ a b 伊豆箱根バス通過予定時刻表” (PDF). 伊豆箱根バス (2020年5月14日). 2020年5月21日閲覧。
  7. ^ a b 伊豆箱根鉄道 会社の沿革 駿豆鉄道の黎明期(1917~1945年まで)”. 伊豆箱根鉄道. 2020年5月31日閲覧。
  8. ^ 加藤利 (1995) p.179
  9. ^ 加藤利 (1995) p.180
  10. ^ 伊豆箱根鉄道 会社の沿革 駿豆鉄道から伊豆箱根鉄道へ(1946年~1970年まで)”. 伊豆箱根鉄道. 2020年5月31日閲覧。
  11. ^ 加藤利 (1995) p.183
  12. ^ 加藤利 (1995) p.181
  13. ^ 加藤利 (1995) pp.193-194
  14. ^ 「事業再構築計画」の策定に関するお知らせ” (PDF). 伊豆箱根鉄道 (2006年7月13日). 2006年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年7月21日閲覧。
  15. ^ 伊豆箱根鉄道 会社の沿革 新しい西武グループの一員として(2005年以降~)”. 伊豆箱根鉄道. 2020年5月31日閲覧。
  16. ^ a b 熱海営業所統合のお知らせ” (PDF). 伊豆箱根バス (2018年3月1日). 2018年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月6日閲覧。
  17. ^ 2020年度苗場ホワイトスノーシャトル時刻表” (PDF). 西武バス. 2021年1月15日閲覧。
  18. ^ 2021年度苗場ホワイトスノーシャトル時刻表” (PDF). 西武バス. 2022年1月8日閲覧。
  19. ^ 【冬期限定】高速乗合バス 苗場ホワイトスノーシャトル運行のお知らせ”. 西武バス. 2022年12月8日閲覧。
  20. ^ 駅探検索結果による。伊豆箱根鉄道の時刻表 - 駅探”. 駅探. 2020年5月31日閲覧。
  21. ^ PASMOのご案内”. 伊豆箱根鉄道. 2020年5月31日閲覧。
  22. ^ お得な乗車券”. 伊豆箱根鉄道. 2020年5月31日閲覧。
  23. ^ 伊豆箱根バス通過予定時刻表” (PDF). 伊豆箱根バス (2018年9月1日). 2020年5月31日閲覧。
  24. ^ 大磯駅~(直行)~大磯ロングビーチ~大磯プリンスホテル 直行バス運行時刻表” (PDF). 神奈川中央交通西 (2019年7月3日). 2020年5月31日閲覧。
  25. ^ 大磯駅~(直行)~大磯ロングビーチ・大磯プリンスホテル間のシャトルバス運行について(7/13~9/16運行)”. 神奈川中央交通西 (2019年7月3日). 2020年5月31日閲覧。
  26. ^ 5月1日(火)ダイヤ改正のお知らせ(小田原営業所管内)” (PDF). 伊豆箱根バス (2018年4月1日). 2020年5月22日閲覧。
  27. ^ バス発車予定時刻表” (PDF). 箱根登山バス (2015年5月1日). 2020年5月22日閲覧。

参考文献 編集

  • 青田孝『箱根の山に挑んだ鉄路 「天下の険」を越えた技』交通新聞社、2011年。ISBN 978-4330231112 
  • 加藤利之『箱根山の近代交通』神奈川新聞社、1995年。ISBN 978-4876451890 
  • 野中祥史「鉄道・軌道プロジェクトの事例研究54 小田急グループの箱根戦略」『鉄道ジャーナル』第480号、鉄道ジャーナル社、2006年10月、106-108頁。 

関連項目 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯35度16分3.3秒 東経139度8分38.2秒 / 北緯35.267583度 東経139.143944度 / 35.267583; 139.143944