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伊那電気鉄道デキ20形電気機関車(いなでんきてつどうデキ20がたでんききかんしゃ)は、伊那電気鉄道(現在のJR東海飯田線の一部)が1929年(昭和4年)に新製した直流電気機関車である。

伊那電気鉄道デキ20形電気機関車
基本情報
運用者 伊那電気鉄道鉄道省日本国有鉄道
製造所 芝浦製作所汽車製造
製造年 1929年
製造数 2両
廃車 1973年
主要諸元
軸配置 Bo - Bo
軌間 1,067 mm (狭軌
電気方式 直流1,200V架空電車線方式
全長 11,660 mm
全幅 2,630 mm
全高 3,965 mm
機関車重量 51.51t
台車 板台枠式2軸ボギー台車
動力伝達方式 1段歯車減速吊り掛け式
主電動機 直流直巻電動機 SE-123
主電動機出力 150 kW (端子電圧540V・1時間定格)
歯車比 4.05 (20:81)
制御方式 抵抗制御直並列2段組合せ制御
重連総括制御
制御装置 電空単位スイッチ式手動加速制御
制動装置 AMM自動空気ブレーキ手ブレーキ
定格出力 600 kW
定格引張力 8,000kgf
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保有事業者である伊那電気鉄道の戦時買収・国有化に伴って本形式も国有鉄道籍へ編入され、ED33形と改番された。

概要編集

1929年(昭和4年)11月に芝浦製作所(主要機器製造を担当、現・東芝)・汽車製造(構体製造を担当)においてデキ20形20・21の2両が新製された。

既に在籍したデキ1形デキ10形の2形式の電気機関車がいずれも運転室前後に機械室を備える凸形車体であったのに対し、本形式は鉄道省が保有するゼネラル・エレクトリック (GE) 製の電気機関車であるED11形ED14形を設計の基本としたデッキ付箱形車体を備える点が異なる。

前後妻面の中央部に乗務員扉を備え、その両脇に砂箱への砂補充口が上向きで設置された点が外観上の特徴である。また当時新製された私鉄向け電気機関車としては比較的大出力の150kW級主電動機(端子電圧540V時)を4基搭載し、1両あたりの定格出力は600kWとなり、デキ1形(定格出力340kW)・デキ10形(同320kW)と比較して2倍弱の出力特性を備える強力機であった。その他重連総括制御装置を搭載した。

集電装置は菱形パンタグラフを1両当たり2基搭載、連結器は上作用式の並形自動連結器を前後エンドに装備し、連結器周辺には空気制動用繋ぎ管のほか、重連運用時に使用する各種引き通し線を備える。

導入後の変遷編集

1943年(昭和18年)の伊那電気鉄道の戦時買収に際して、本形式も国有鉄道籍へ編入され、当初は原番号・原形式のまま運用された。1952年(昭和27年)に実施された車両形式称号規定改訂に際して、本形式はED33形ED33 1・ED33 2と改番されたが、1961年(昭和36年)10月にはED26形(2代)ED26 11・ED26 12と再び改番された。

その間、架線電圧1,200V規格であった旧伊那電気鉄道が保有する路線について、国有化後に1,500V昇圧工事が実施され、本形式も昇圧対応改造を施工したが、その際一部の主要機器については国鉄制式機器に換装され、同時に重連総括制御装置は撤去された。

本形式は竣功から最晩年まで終始伊那松島機関区に配置されて飯田線で運用され、また前述の通り国鉄ED11形・ED14形を模して設計・製造された本形式は、国家買収された私鉄が保有した電気機関車、いわゆる「買収機関車」としては最も遅くまで日本国有鉄道(国鉄)に在籍したが、1973年(昭和48年)に2両とも廃車となった。廃車後はいずれも解体処分され、現存しない。

関連項目編集