倭文氏(しとりうじ、しどりうじ、しずりうじ)は、「倭文」をの名とする氏族。異表記は「委文」。

倭文氏
氏姓 倭文宿禰(大和・河内)
倭文(摂津)
始祖 天羽槌雄神
氏祖 大味宿禰(大和)
天伊佐布魂命(摂津)
種別 神別天神
本貫 大和国河内国摂津国ほか
凡例 / Category:氏

概要 編集

織物を生産する部民である倭文部(しとりべ)を率いた伴造氏族[1]。倭文とはシズオリの意で、アサカジノキなどの繊維で文様を織り出した日本古来の織物[2]

中央の一族はの姓(カバネ)であり、その中の主流の一族は天武天皇13年(684年)に宿禰姓を賜った。地方の伴造には、などの姓がある[1]

新撰姓氏録』(815年)によると、大和国河内国に委文宿禰、摂津国に委文連の三氏を掲げている[1]。出自としては、「大和国神別天神)」の項に「委文宿禰 出自神魂命之後大味宿禰也」とあり、また「摂津国神別(天神)」の項に「委文連 角凝魂命伊佐布魂命之後也」とある[3]

機織の神である天羽槌雄神祖神として奉斎し、全国に倭文神社が残る。

脚注 編集

  1. ^ a b c 日本古代氏族事典-「しとり[委文]」
  2. ^ 日本古代史大辞典-「しどり[倭文]」
  3. ^ 倭文氏と下照姫 倭文神社(2)

参考文献 編集

  • 佐伯有清 編『日本古代氏族事典【新装版】』雄山閣、2015年。ISBN 9784639023791 
  • 上田正昭:監/井上満郎・愛宕元: 編『日本古代史大辞典』大和書房、2006年。ISBN 9784479840657 
  • 夕暮れのKAKA. “倭文氏と下照姫 倭文神社(2)”. 蘇える出雲王朝. 2020年1月22日閲覧。
  • 播磨屋. “社家の姓氏-倭文氏?-”. 家紋World. 2020年1月22日閲覧。
  • 玄松子. “天羽槌雄神”. 玄松子の祭神記. 2020年1月22日閲覧。

関連項目 編集