児玉ひかる
児玉 ひかる(こだま ひかる、1998年5月25日 - )は、日本の女子柔道選手。宮崎県出身。階級は78kg超級。身長175cm。体重110kg。組み手は左組み。得意技は内股、大内刈[1][2]。
獲得メダル | ||
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日本 | ||
柔道 | ||
世界ジュニア | ||
金 | 2018 ナッソー | 78kg超級 |
銀 | 2017 ザグレブ | 78kg超級 |
世界ジュニア団体戦 | ||
金 | 2017 ザグレブ | 78kg超級 |
金 | 2018 ナッソー | 78kg超級 |
経歴
編集小学5年生から地元宮崎市の一成塾で柔道を始める[1]。綾中学2年の時に全国中学校柔道大会70kg超級に出場するが、準々決勝で相原中学3年の冨田若春に旗判定で敗れて5位だった[3]。
福岡県にある敬愛高校に進むと、1年の時には金鷲旗で2位、インターハイ団体戦では3位となった[4]。2年の時には金鷲旗の決勝で大成高校と対戦すると、同級生である70kg級の新森涼とともにチームを優勝へ導く活躍を果たした[5]。インターハイ個人戦78kg超級では準々決勝で埼玉栄高校3年の富田若春にGSに入ってから有効で敗れて5位だった。団体戦では決勝の大成高校戦で鈴木伊織を指導2で破るがチームは敗れて2位にとどまった[4]。全国高校選手権の個人戦無差別では決勝で大成高校1年の和田梨乃子を内股で破るなどオール一本勝ちで優勝すると、団体戦決勝の大成高校戦でも大将同士の対戦で粂田晴乃を内股で破ってチームを優勝に導くとともに2冠を達成して、今大会の最優秀選手にも選ばれた[6][7][8]。3年の時には金鷲旗の決勝で大成高校と対戦すると、昨年に続いて新森とともにチームを優勝へ導く活躍を果たした[9][10]。その一週間後に開催されたインターハイの団体戦では準決勝で大成高校と対戦して1-0でリードされるも大将戦で松井絵名を崩上四方固で破ってタイに追いつくも、代表戦で粂田に崩袈裟固で敗れて3位に終わり、2009年の埼玉栄高校以来となる高校団体3冠(全国高校選手権、金鷲旗、インターハイ)はならなかった[11]。個人戦では決勝で粂田を指導3で破って優勝を飾った[12]。9月の全日本ジュニアでは今大会及びインターハイの予選で破っていた南筑高校1年の素根輝と決勝で対戦するも、指導2で敗れて2位に終わった[13]。国体少年女子の部では福岡県代表で出場して3位になった[14]。講道館杯では初戦で敗れた。ベルギー国際ジュニアの部では5試合全てを寝技で勝利すると、シニアの部でも決勝で淑徳大学2年の井上舞子を大外刈で破って優勝を飾った[15]。
2017年からは三井住友海上女子柔道部の所属となった[1][16]。4月の全日本選手権では準々決勝で綜合警備保障の田知本愛に大外刈で敗れて5位だった[17]。9月の全日本ジュニアでは決勝で筑波大学1年の粂田を内股で破って優勝した[18]。10月の世界ジュニアでは準決勝まで全て一本勝ちすると、決勝では同じくオール一本で勝ち上がってきた素根と対戦して、指導2を先取しながら技ありを取られて2位にとどまった[19]。初開催となった男女混合による団体戦では準決勝のロシア戦のみ出場したが、自らが試合に出る以前にチームが勝利を決めると、その後の決勝でもチームは勝利した[20]。
2018年2月のヨーロッパオープン・オディベーラスでは準決勝でウクライナのエリザベータ・カラニナに技ありで敗れて3位だった[21]。4月の体重別は初戦で東海大学4年の朝比奈沙羅に技ありで敗れた[22]。その後、三井住友海上女子柔道部を退部して、地元の敬愛クラブに所属することとなった[23]。9月の全日本ジュニアでは決勝で粂田に反則勝ちしたのを始め、オール一本勝ちて2連覇した[24]。10月の世界ジュニアでは決勝でブラジルのベアトリス・ソウザを合技で破るなど全て一本勝ちして優勝した[25][26]。世界ジュニア団体戦では準決勝のジョージア戦で一本勝ちすると、決勝のブラジル戦は自らが試合に出る前にチームが勝利を決めたために出番はなかった[27][28]。
2019年4月からは東海大学へ進んだ[1]。全日本選手権では初戦で52kg級の選手である三井住友海上の中村美里をGSに入ってから有効で破るも、その後の準々決勝でコマツの冨田若春に内股すかしで敗れた[29]。6月の優勝大会ではチームの12年ぶりの優勝に貢献した[30]。9月の学生体重別では決勝で山梨学院大学1年の高橋瑠璃を大外刈で破って優勝した[31]。10月の国体女子の部では福岡県の優勝に貢献した[32]。続く体重別団体では準決勝まで一本勝ちするも、決勝の筑波大学戦で粂田と引き分けたが、チームは優勝した[33][34]。11月の講道館杯では準決勝で富田に敗れて3位だった[35]。グランドスラム・大阪では初戦で中国のリアン・ファンタンに反則負けを喫した[36]。
2020年2月のヨーロッパオープン・ブラチスラヴァでは準決勝でブラジルのマリア・アルテマンに反則負けして3位だった[37]。12月の全日本選手権では準々決勝でコマツの冨田若春に小外掛で敗れた[38]。
2021年11月の優勝大会では優勝した[39]。12月の全日本選手権では準決勝でコマツの橋本朱未に反則勝ちするも、決勝では70㎏級の選手であるJR東日本の田中志歩に9分30秒の戦いの末に反則負けを喫して2位にとどまった[40]。
2022年4月の体重別では決勝で冨田に反則負けを喫して2位だった[41]。続く全日本選手権では準々決勝で78㎏級の梅木真美を崩袈裟固で破るも、準決勝で冨田に縦四方固で敗れた[42]。6月の優勝大会では決勝の龍谷大学戦で代表戦を制して、チームを3連覇に導いた[43]。10月には体重別団体でも優勝して団体戦の2冠を達成した[33]。続く講道館杯では決勝で綜合警備保障の秋場麻優に崩上四方固で敗れて2位だった[44]。12月のグランドスラム・東京では7位だった[45]。
2023年4月からはSBC湘南美容クリニックの所属となった。体重別では決勝で冨田に合技で敗れて2位だった[46]。続く全日本選手権では準決勝でコマツの泉真生を有効で破るも、決勝では綜合警備保障の梅木真美と対戦して有効を先取するが、横四方固で逆転負けを喫して2位だった[47][48]。5月のグランプリ・リンツでは初戦で敗れた[49]。11月の講道館杯では3位だった[50]。12月のグランドスラム・東京では準々決勝で韓国のパク・セトビョルに反則負けを喫すると、その後の3位決定戦でもイスラエルのラズ・ヘルシュコに大外刈で敗れて5位だった[51]。4月の全日本女子選手権では準決勝で東海大学4年の池田紅を3-0の旗判定で勝利する[52]も、綜合警備保障の瀬川麻優を相手とした決勝では指導4つによる反則負け[52]を喫してまたも2位にとどまった[54][55]。
戦績
編集- 2012年 - 全国中学校柔道大会 5位(70kg超級)
- 2014年 - 金鷲旗 2位
- 2014年 - インターハイ 団体戦 3位
- 2015年 - 全国高校選手権 個人戦 5位、団体戦 5位
- 2015年 - 金鷲旗 優勝
- 2015年 - インターハイ 個人戦 5位、団体戦 2位
- 2015年 - 国体少年女子の部 5位
- 2016年 - 全国高校選手権 個人戦 優勝、団体戦 優勝
- 2016年 - 金鷲旗 優勝
- 2016年 - インターハイ 個人戦 優勝、団体戦 3位
- 2016年 - 全日本ジュニア 2位
- 2016年 - 国体 少年女子の部 3位
- 2016年 - エクサンプロヴァンスジュニア国際 優勝
- 2017年 - ベルギー国際 ジュニアの部 優勝、シニアの部 優勝
- 2017年 - 全日本選手権 5位
- 2017年 - 全日本ジュニア 優勝
- 2017年 - 世界ジュニア 個人戦 2位、団体戦 優勝
- 2018年 - ヨーロッパオープン・オディベーラス 3位
- 2018年 - 全日本ジュニア 優勝
- 2018年 - 世界ジュニア 個人戦 優勝、団体戦 優勝
- 2018年 - 講道館杯 5位
- 2019年 - 全日本選手権 5位
- 2019年 - 優勝大会 優勝
- 2019年 - 学生体重別 優勝
- 2019年 - 国体女子の部 優勝
- 2019年 - 体重別団体 優勝
- 2019年 - 講道館杯 3位
- 2020年 - ヨーロッパオープン・ブラチスラヴァ 3位
- 2020年 - 全日本選手権 5位
- 2021年 - 優勝大会 優勝
- 2021年 - 全日本選手権 2位
- 2022年 - 体重別 2位
- 2022年 - 全日本選手権 3位
- 2022年 - 優勝大会 優勝
- 2022年 - 体重別団体 優勝
- 2022年 - 講道館杯 2位
- 2022年 - グランドスラム・東京 7位
- 2023年 - 体重別 2位
- 2023年 - 全日本選手権 2位
- 2023年 - 講道館杯 3位
- 2023年 - グランドスラム・東京 5位
- 2024年 - 全日本選手権 2位
(出典[1]、JudoInside.com)
脚注
編集- ^ a b c d e 「柔道全日本強化選手名鑑 2022」近代柔道 ベースボールマガジン社、2022年4月号
- ^ 選手一覧
- ^ 「全国中学校柔道大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2012年10月号 99頁
- ^ a b 全国高等学校総合体育大会柔道競技大会
- ^ 敬愛V奪還 「娘誇らしい」歓喜の輪
- ^ 団体戦の男子は日体荏原、女子は敬愛がV 高校柔道 日刊スポーツ 2016年3月20日
- ^ 児玉、一本勝ちで2冠=全国高校柔道 時事通信 2016年3月20日
- ^ 柔道高校選手権 女子 敬愛3年ぶりV 西日本新聞 2016年3月21日
- ^ 敬愛が連覇=金鷲旗高校柔道 時事通信 2016年7月23日
- ^ 敬愛 貫禄の頂点 新森2人抜き 流れ呼ぶ 西日本新聞 2016年7月23日
- ^ 柔道結果
- ^ 児玉、団体戦の雪辱果たしV「個人戦ではどうしても勝ちたかった」/高校総体 サンケイスポーツ 2016年8月3日
- ^ 平成28年度全日本ジュニア柔道体重別選手権大会
- ^ 第71回国民体育大会2016希望郷いわて国体 柔道
- ^ 2017年ベルギー国際大会(アーロン)大会結果
- ^ 選手・監督紹介(アーカイブ)
- ^ 第32回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 大会結果
- ^ 平成29年度全日本ジュニア柔道体重別選手権大会
- ^ World Championship Juniors 2017
- ^ Word Junior Championship Teams 2017
- ^ European Judo Open Odivelas 2018
- ^ 平成30年全日本選抜柔道体重別選手権大会
- ^ 選手・監督紹介
- ^ 平成30年度全日本ジュニア柔道体重別選手権大会
- ^ 関根、和田ら優勝=世界ジュニア柔道 時事通信 2018年10月21日
- ^ Japanese treble while Georgia seize control of the men’s heavyweight division
- ^ 日本、混合団体で優勝=柔道世界ジュニア 時事通信 2018年10月22日
- ^ Japan are crowned mixed team champions in the Bahamas
- ^ 第34回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 全日本学生柔道優勝大会
- ^ 児玉が女子78キロ超級制す=全日本学生体重別柔道 時事通信 2019年9月28日
- ^ 第74回国民体育大会いきいき茨城ゆめ国体2019
- ^ a b 全日本学生柔道体重別団体優勝大会
- ^ 東海大、男女とも2冠=柔道学生団体戦 時事通信 2019年10月20日
- ^ 2019年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ 柔道グランドスラム大阪2019
- ^ European Judo Open Bratislava 2020
- ^ 第35回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 東海大が6度目の優勝 女子5人制/柔道 サンケイスポーツ 2021年11月13日
- ^ 23歳の田中志歩が初優勝 9分30秒の熱戦、児玉ひかる破る/柔道 サンケイスポーツ 2021年12月25日
- ^ 2022年全日本選抜柔道体重別選手権大会
- ^ 第37回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ 女子は東海大が3連覇…全日本学生柔道優勝大会 スポーツ報知 2022年6月25日
- ^ 2022年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ Tokyo Grand Slam 2022
- ^ 2023年全日本選抜柔道体重別選手権大会
- ^ 柔道リオ五輪代表の梅木真美、体重無差別で初の日本一「優勝したかった」78キロ級が最重量級に寝技で大逆転 デイリースポーツ 2023年4月23日
- ^ 第38回皇后盃全日本女子柔道選手権大会
- ^ Grand Prix Upper Austria 2023
- ^ 2023年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
- ^ Tokyo Grand Slam 2023
- ^ a b 2024年実施の「第39回皇后盃全日本女子柔道選手権大会」では、延長戦を行なわず旗判定で勝敗を決し、指導4回で反則負けとなる「大会規定」で実施された[53]。
- ^ 第39回皇后盃全日本女子柔道選手権大会 大会情報
- ^ 26歳の瀬川麻優が初優勝「また一から取り組んで、次の国際大会につなげたい」/柔道 サンケイスポーツ 2024年4月21日
- ^ 第39回皇后盃全日本女子柔道選手権大会