全英への道 ミズノオープン

全英への道 ミズノオープン(ぜんえいへのみち‐)は、毎年5月下旬に開催されている日本ゴルフツアー機構(JGTO)公認の男子プロゴルフトーナメントであると同時に、全英オープン日本代表選手選考会の最終戦として開催されている大会でもある。なお、2006年までは「ミズノオープンゴルフトーナメント」として開催されていた。2024年現在、賞金総額1億円、優勝賞金2000万円[1]

全英への道 ミズノオープン
トーナメント情報
創設 1971年
(美津濃ゴルフトーナメントとして)
開催地 岡山県(2021年)
開催コース JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部
(2021年)
基準打数 Par72(2021年)
ヤーデージ 7,349Yards(2021年)
主催 ミズノ株式会社
ツアー 日本ゴルフツアー機構
競技方法 ストロークプレー
賞金総額 1億円(2024年)[1]
開催月 5月
最新優勝者
日本の旗 平田憲聖(2023年)
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概要 編集

美津濃スポーツ主催による大会の歴史は1971年、「美津濃ゴルフトーナメント」から始まる。この時は男女同一会場・同時開催というユニークな体裁で開催された。1990年の第20回大会までこの形態が続き、1991年から男女分離開催となった(女子はその後「ミズノオープンレディーストーナメント」[2]に移行)。

1998年から全英オープン日本代表選手選考会の最終戦となるに当たり「全英への道」を大会タイトルに付し、JFEスチール(旧・日本鋼管)の工場跡地の敷地を再開発した、日本屈指のリンクスコースである「JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部」(岡山県笠岡市)という全英最終選考会にふさわしいコースを舞台に、熱戦を繰り広げていた。

2007年からそれまでの「よみうりオープンゴルフトーナメント」と統合し、全英への道 ミズノオープンよみうりクラシックとして名称変更され、会場も兵庫県西宮市よみうりカントリークラブで開催されることになった[3]。またテレビ放送もTBS系列(地方開催の場合も地元局は技術協力扱いでTBSが製作)から読売テレビ製作・日本テレビ系列に変更された。

2011年から2021年までは再びJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部での開催に戻り、主催者から読売グループ企業(読売テレビ・読売新聞大阪本社報知新聞社・読売ゴルフ)が外れた事から、大会名から「よみうりクラシック」の冠が外れることになったが、読売ゴルフを除く読売グループ企業が、特別協力という形で引き続き大会に関与する為、テレビ放送は読売テレビ・日本テレビ系列で継続される[4]。なお2011年は有資格者を除く上位4名に与えられる全英オープンへの出場権獲得者が全員日本国外選手という事態となった。

2018年から2020年までは茨城県鉾田市のザ・ロイヤル ゴルフクラブで開催[5]。2021年からは再びJFE瀬戸内海GCに戻されている。しかし2020年は全英オープンの1年延期により本大会も中止が決定した[6]。2021年は第50回として扱われた。

ザ・ロイヤルGCは全長8007ヤードの距離設定[7](さらに2019年は8016ヤードに延長)[8]が大きな特徴で、日本国内男子プロゴルフトーナメントで最長だった1973年の日本プロ東西対抗(兵庫県・東条の森CC東条)の7777ヤードを始め[9]サン・クロレラクラシック北海道小樽CC)の7535ヤード(2007年 - 2009年)や2012年の全米プロゴルフ選手権の7676ヤードを超え、世界最長のプロゴルフトーナメントとなる[7]

2022年大会からは、読売グループ企業が特別協力から外れたため。読売テレビ制作・日本テレビ系列のテレビ中継から、ABEMAでのインターネット中継に変更された[10]

歴代優勝者 編集

開催回 開催年 優勝者名(男子) 優勝者名(女子) 開催地 開催コース
美津濃トーナメント・ゴルフ
第1回 1971年   山口誠   山崎小夜子 千葉県 姉ヶ崎カントリー倶楽部
第2回 1972年   吉川一雄   樋口久子
第3回 1973年   榎本七郎
第4回 1974年   内田繁
第5回 1975年   岡本綾子
第6回 1976年   草壁政治   小林法子 石川県 朱鷺の台カントリークラブ
第7回 1977年   大迫たつ子
第8回 1978年   金本章生   森口祐子
第9回 1979年   橘田光弘[11]   小林法子
第10回 1980年   鈴木規夫   森口祐子
第11回 1981年   新井規矩雄   森口祐子[12]
第12回 1982年   杉原輝雄   吉川なよ子
第13回 1983年   出口栄太郎[13]   涂阿玉[13] 朱鷺の台カントリークラブ眉丈台
第14回 1984年   新井規矩雄   小田美岐
美津濃オープン
第15回 1985年   高橋勝成[14]
  尾崎健夫[14]
  大迫たつ子[14]
  森口祐子[14]
石川県 朱鷺の台カントリークラブ眉丈台
第16回 1986年   中島常幸[15]   高須愛子[15]
ミズノオープン
第17回 1987年   デビッド・イシイ   井上裕子 石川県 朱鷺の台カントリークラブ眉丈台
第18回 1988年   新関善美   吉川なよ子
第19回 1989年   大町昭義   小林浩美
第20回 1990年   ブライアン・ジョーンズ英語版   谷福美[16]
第21回 1991年   ロジャー・マッカイ英語版[17]
第22回 1992年   中村通
第23回 1993年   奥田靖己[18]
第24回 1994年   ブライアン・ワッツ英語版
第25回 1995年
第26回 1996年   金子柱憲
第27回 1997年   ブライアン・ワッツ
全英への道 ミズノオープン
第28回 1998年   ブラント・ジョーブ英語版 岡山県 瀬戸内海ゴルフ倶楽部
第29回 1999年   エドアルド・エレラ英語版
第30回 2000年   今野康晴[19]
第31回 2001年   田中秀道
第32回 2002年   ディーン・ウィルソン英語版
第33回 2003年   トッド・ハミルトン
第34回 2004年   ブレンダン・ジョーンズ
第35回 2005年   クリス・キャンベル英語版 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部
第36回 2006年   S・K・ホ
全英への道 ミズノオープンよみうりクラシック
第37回 2007年   ドンファン英語版[20] 兵庫県 よみうりカントリークラブ
第38回 2008年   プラヤド・マークセン よみうりゴルフウエストコース
第39回 2009年   石川遼 よみうりカントリークラブ
第40回 2010年   薗田峻輔[17]
全英への道 ミズノオープン
第41回 2011年   黄重坤英語版(ハン・ジュンゴン) 岡山県 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部
第42回 2012年   ブラッド・ケネディ英語版
第43回 2013年   ブレンダン・ジョーンズ
第44回 2014年   張棟圭英語版(ジャン・ドンキュ)
第45回 2015年   手嶋多一[21]
第46回 2016年   金庚泰[22]
第47回 2017年   チャン・キム[23]
第48回 2018年   秋吉翔太[24] 茨城県 ザ・ロイヤル ゴルフクラブ
第49回 2019年   池田勇太[8]
第50回 2021年   ジュビック・パグンサン[25] 岡山県 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部
第51回 2022年   スコット・ビンセント
第52回 2023年  平田憲聖

テレビ中継 編集

  • 概要の項でも述べた様に、テレビ中継は2007年の「〜よみうりクラシック」から2021年までは、読売テレビ制作で放送されており、2日目は読売テレビローカル(2015・2016年は開催地の西日本放送広島テレビとの3局ネット)で深夜枠で、3日目・最終日はNNS系列フルネット28局にて生放送されている。また初日に関しても、「情報ライブ ミヤネ屋」の中でプレーの模様を速報する。
  • 2020年大会については、開催中止のため「〜全英への道〜 ミズノオープン at THE ROYAL GOLF CLUB 総集編」を最終日(2020年5月31日)のみ放送。[26]
  • 2021年大会の地上波放送については、3日目は読売テレビのみの関西ローカル、最終日は全国28局ネットになるが、放送時間が日本生命 B.LEAGUE FINALS第2戦(横浜アリーナ)中継に伴い13:30 - 14:55に編成するため、14:52 - 15:55分はBS日テレをカバーして放送。
  • 2022年大会からはABEMAで放送。

脚注 編集

  1. ^ a b 大会概要│〜全英への道〜ミズノオープン│ゴルフ│ミズノ
  2. ^ 1998年まで、現在は「TOTOジャパンクラシック」に統合。
  3. ^ 2008年大会はよみうりカントリークラブのコース改修に伴い、同じ西宮市内にあるよみうりゴルフ ウエストコースで開催された。
  4. ^ 大会概要│〜全英への道〜ミズノオープン│ゴルフ│ミズノ”. web.archive.org (2021年5月18日). 2022年5月26日閲覧。
  5. ^ ミズノオープン、岡山開催から来年以降は茨城を舞台 - nikkansports.com、2017年5月25日閲覧
  6. ^ 〜全英への道〜 ミズノオープンat ザ・ロイヤル ゴルフクラブ「開催中止」の決定についてミズノ、(一社)日本ゴルフツアー機構
  7. ^ a b “驚異の総距離8007ヤード! 今年の「ミズノオープン」は国内レギュラーツアー最長(1/2ページ)”. サンケイスポーツ. (2018年3月28日). https://www.sanspo.com/article/20180328-YC4INCNAHRLLVC7N5354A55VR4/ 2018年3月28日閲覧。 
  8. ^ a b 池田勇太V「暴れられるよう準備」全英OP切符獲得 - 日刊スポーツ、2019年6月2日配信、同日閲覧
  9. ^ “ミズノOPコースはツアー史上最長/国内男子”. サンケイスポーツ. (2018年5月24日). http://www.sanspo.com/golf/news/20180524/jgt18052420330005-n1.html 2018年5月27日閲覧。 
  10. ^ Corporation, Mizuno. “大会概要│〜全英への道〜ミズノオープン│ゴルフ│ミズノ”. www.mizuno.jp. 2022年5月26日閲覧。
  11. ^ JPGAの後援競技となり賞金ランキングに加算されるようになった。
  12. ^ JLPGAの後援競技となり賞金ランキングに加算されるようになった。
  13. ^ a b 男女とも、JPGA・JLPGAの公認ツアーとなる。また、女子は3日間の競技となる。さらに、テレビ中継が開始された。
  14. ^ a b c d 最終日が降雨のため中止。男女とも、プレーオフなしで2人同時優勝となった。
  15. ^ a b 最終日は降雨のため9ホールに短縮。
  16. ^ 女子はこれを最後に別開催となる。
  17. ^ a b 3日目が降雨によるコースコンディション不良のため中止。3日間54ホールに短縮。
  18. ^ 全英オープンの予選会がこの年より始まる。
  19. ^ この年以降、R&Aより優勝トロフィーが贈呈される。
  20. ^ 最終日が悪天候のため中止、3日間54ホール競技に短縮。
  21. ^ 46歳の手嶋多一が22年目の恩返しV!全英出場の4人決まる - ゴルフダイジェスト・オンライン、2015年5月31日閲覧
  22. ^ 金庚泰がバーディなしで逃げ切り今季3勝目 今平周吾らが初の全英へ - ゴルフダイジェスト・オンライン、2016年5月29日閲覧
  23. ^ C・キムがツアー初優勝 宮里優作は9位 - 日刊スポーツ、2017年5月28日閲覧
  24. ^ 秋吉翔太がツアー初優勝 ミズノ・オープン - 日刊スポーツ、2018年5月27日配信、同日閲覧
  25. ^ 43歳パグンサンが悲願の初優勝 永野竜太郎とともに全英出場権獲得 ALBA 2021年5月30日
  26. ^ 〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ特別編|読売テレビ”. 〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ特別編2 | 読売テレビ. 2022年5月27日閲覧。

外部リンク 編集