八鍬新之介

日本のアニメ演出家・監督

八鍬 新之介(やくわ しんのすけ、1981年 - )は、日本男性アニメ監督北海道帯広市出身。

やくわ しんのすけ
八鍬 新之介
プロフィール
生年月日 1981年????
国籍 日本の旗 日本
出身校 日本大学芸術学部放送学科
職業 アニメ監督
ジャンル アニメーション
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経歴・人物 編集

帯広市立帯広第八中学校、北海道帯広柏葉高等学校日本大学芸術学部放送学科を卒業。実母は帯広市教育委員会で教育長を務める八鍬祐子[1]。実兄は劇作家演出家の八鍬健之介[2]

原恵一監督作品に惹かれ[3]2005年シンエイ動画へ入社。『ドラえもん (2005年のテレビアニメ)』制作班に配属され、テレビシリーズの制作進行を務める。

映画ドラえもん のび太の恐竜2006』(2006年)ではテレビシリーズと平行する手伝いの形での参加だったが、劇中に登場する恐竜図鑑のイラストを一部手がけた。『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』(2007年)で正式に映画専属の制作となり、必要な資料の収集といった仕事を担当。『映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』(2009年)では演出を務めた宮下新平の推薦で演出助手に抜擢される。コピーなどの業務を経て、宮下が見る形でDパートの演出を担当した[4]。以降テレビシリーズで各話の絵コンテ・演出を担当するようになり、『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』(2014年)で長編映画の監督としてデビューする。以降、『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』(2016年)では脚本と兼任で監督し、オリジナルとして『映画ドラえもん のび太の月面探査記』(2019年)を手がける。

テレビシリーズ『ドラえもん』の「夜行列車はぼくの家[5]などに見られる叙情溢れた演出でファンの評価も高く、八鍬は自身の持ち味について「せつなさを大事にしているんだなと、今回あらためて気がつきました」と話している[6]

2019年の『映画ドラえもん のび太の月面探査記』公開以降、作品への参加や新作の発表もない状態が続いていたが、2023年3月19日、黒柳徹子の自伝的小説『窓ぎわのトットちゃん』について、初の映像化作品としてアニメ映画の監督を務めることが発表され[7]、同年12月8日に公開。2016年に企画され[8]、2019年から本格始動[9]。構想から7年の歳月を費やし製作された[10]

参加作品 編集

テレビアニメ 編集

放映年 タイトル 役職
2005年 - ドラえもん (2005年のテレビアニメ) 制作進行(2005年 - 2007年)
ディレクター(2008年 - 2010年)
絵コンテ
演出
脚本[注 1]
監督[11]

劇場映画 編集

上映年 タイトル 役職
2006年 映画ドラえもん のび太の恐竜2006 制作進行
2007年 映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜
2008年 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝
2009年 映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 演出助手
2013年 映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 おまけ映像[12]
2014年 映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜 監督・絵コンテ
ドラえもん&チンプイ「エリ様 愛のプレゼント大作戦」[13] 脚本・絵コンテ・演出
2015年 映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記 おまけ映像[12]
2016年 映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生 監督・脚本・絵コンテ
2018年 映画ドラえもん のび太の宝島 おまけ映像[14]
2019年 映画ドラえもん のび太の月面探査記 監督・絵コンテ
2023年 窓ぎわのトットちゃん 企画・監督・脚本・絵コンテ

webアニメ 編集

配信年 タイトル 役職
2016年 クレヨンしんちゃん外伝 おもちゃウォーズ 監督・脚本・絵コンテ・劇中歌作詞

出演 編集

年月日 タイトル 備考
2016年3月21日 映画作りから学ぶまちづくり講演会 講演
2016年6月4日 とやま映画祭 ゲスト登壇
2016年7月24日 できる!が増える、夢発見プロジェクト 講演
2021年4月13日 林修の今でしょ!講座
プロが選ぶ!日本のアニメの歴史を変えたスゴいアニメ14
VTR出演
2023年12月2日 徹子の部屋
映画『窓ぎわのトットちゃん』公開記念!徹子の部屋 特別編[15]
出演
2023年
12月3日[16]12月12日[17]
はい!テレビ朝日です
2023年12月4日 パンサー向井の#ふらっと[18] 生出演
2024年4月6日 NHKカルチャー
映画『窓ぎわのトットちゃん』 アニメ制作現場より、愛をこめて[19]
講演

脚注 編集

  1. ^ ドラえもんで監督デビュー”. 十勝毎日新聞社ニュース (2014年3月7日). 2014年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月7日閲覧。
  2. ^ 伊佐なつき「『龍とオイル』 と ビール。」”. 2016年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月17日閲覧。
  3. ^ オトナファミ』 2014年4月号P.54参照。テレビドガッチインタビュー「つくるひと」No.209のインタビュー内では、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』を挙げている。
  4. ^ 2019年3月2日 - 3月3日CSテレ朝チャンネル1放送『テレビも!映画も!八鍬新之介監督20時間SP』内インタビューより。
  5. ^ 2011年7月15日放送。原作はてんとう虫コミックス『ドラえもん』25巻「ブルートレインはぼくの家」
  6. ^ 『ドラえもん総集編』2014年春号別冊ふろく「映画ドラえもんムービー★ガイドブック」P.10参照。
  7. ^ 黒柳徹子のベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」アニメ映画化 今冬公開予定”. スポーツ報知 (2023年3月20日). 2023年3月19日閲覧。
  8. ^ 黒柳徹子の伝説的自伝「窓ぎわのトットちゃん」アニメ映画化!「劇場版ドラえもん」八鍬新之介が熱烈オファー”. アニメ!アニメ! (2023年3月20日). 2023年12月10日閲覧。
  9. ^ 帯広出身・八鍬監督が手掛ける「トットちゃん」 黒柳徹子さん小説をアニメ映画化”. 十勝毎日新聞電子版 (2023年12月2日). 2023年12月10日閲覧。
  10. ^ 刊行から42年を経て映画化、「窓ぎわのトットちゃん」完成映像に黒柳徹子が涙”. コミックナタリー編集部 (2023年11月18日). 2023年12月10日閲覧。
  11. ^ 2017年7月28日放送回から2018年3月9日放送回までクレジット。
  12. ^ a b 杉崎聡・増泉路子と連名。
  13. ^ 藤子・F・不二雄ミュージアム上映作品
  14. ^ 岡野慎吾・杉崎聡と連名。
  15. ^ 映画『窓ぎわのトットちゃん』Blu-ray豪華版の特典ディスクに収録。
  16. ^ 映画「窓ぎわのトットちゃん」”. はい!テレビ朝日です. テレビ朝日 (2023年12月3日). 2024年3月30日閲覧。
  17. ^ 映画「窓ぎわのトットちゃん」後編”. はい!テレビ朝日です. テレビ朝日 (2023年12月10日). 2024年3月30日閲覧。
  18. ^ 映画『窓ぎわのトットちゃん』滝沢カレンが大石先生役に選ばれた理由。「最初、徹子さんから・・・」”. パンサー向井の#ふらっと. TBS RADIO (2023年12月4日). 2024年3月30日閲覧。
  19. ^ NHKカルチャーで『窓ぎわのトットちゃん』八鍬新之介監督による講座が開設!”. シンエイ動画 最新情報. シンエイ動画 (2024年3月11日). 2024年3月30日閲覧。

注釈 編集

  1. ^ 2015年2月6日放送分の「恐竜ハンター」の脚本を絵コンテ兼任で担当。

関連項目 編集