公営交通
日本の公営交通編集
運営編集
日本で公営交通という場合、基本的には地方公営企業法が適用される、独立採算制の公営企業の一形態を指す。従って、同じ自治体の運営でも、過疎地の住民や高齢者等の足として、税金補助の上で福祉や福利厚生目的に運営される交通事業(運行名義は「ふれあいバス(タクシー)」や「ふれあい号」など)を指しているのでは無い。
また、以下のような事業者も一般に公営交通には含まれない。
主に大都市で鉄道(地下鉄)や路面電車、バス(公営バス)を経営・運行しており、部局名としては「○○(市・都)交通局」名義の場合が多い。成り立ちとしては、明治や大正時代に民間資本によって建設開業された路面電車を自治体が買収し、公営交通担当部局として発足したものが多い。又、同じ時期に東京市(現・東京都)が開設した「東京電気局」の様に、市内向け配電事業と市電事業の両方を行う自治体もあった。元となる路面電車については、ごく一部を除いて廃止された都市が多い。
戦後も、大都市の交通基盤として機能してはいるが、2000年頃からの規制緩和でバス事業への新規参入が容易になったことから、民間と競合する公営バスについては、事業の撤退や縮小を行っている都市も多い。→公営バスを参照。
日本の公営交通一覧編集
現存事業者編集
2020年(令和2年)4月時点。○…現在運営している事業。△…上下分離方式等により、現在部分的に運営している事業。×…過去に運営していた事業。
- バス事業から撤退した自治体については公営バスを参照。
- 第二次世界大戦後、鉄道・路面電車事業を行っていたが、後に撤退した自治体については鉄道事業者#公営企業を参照。
自治体・部局名 | 地下鉄 | 路面電車 | トロリーバス | バス | その他・備考 |
---|---|---|---|---|---|
札幌市交通局 | ○ | ※△ | × | ※路面電車の維持運行・施設車両の維持管理は札幌市交通事業振興公社へ移管。 施設及び車両の保有整備は引き続き札幌市交通局が実施。 | |
函館市企業局交通部 | ○ | × | |||
青森市企業局交通部 | ○ | ||||
八戸市交通部 | ○ | ||||
仙台市交通局 | ○ | × | ○ | ||
東京都交通局 | ○ | ○ | × | ○ | 上野モノレール(モノレール)、日暮里・舎人ライナー(新交通システム) |
三宅村観光産業課企業係 | ○ | ||||
八丈町企業課 | ○ | ||||
川崎市交通局 | × | × | ○ | ||
横浜市交通局 | ○ | × | × | ○ | |
南アルプス市企業局 | ○ | 南アルプス市営バス | |||
伊那市南アルプス林道管理室 | ○ | 伊那市営バス | |||
名古屋市交通局 | ○ | × | × | ○ | |
京都市交通局 | ○ | × | × | ○ | |
高槻市交通部 | ○ | ||||
伊丹市交通局 | ○ | ||||
神戸市交通局 | ○ | × | ○ | 2020年(令和2年)6月1日、北神急行電鉄・北神線 (谷上~新神戸) を吸収。 | |
松江市交通局 | ○ | ||||
宇部市交通局 | ○ | ||||
徳島市交通局 | ○ | ||||
北九州市交通局 | × | ○ | ×は貨物専用市電 | ||
福岡市交通局 | ○ | 本局独自のICカード乗車券「はやかけん」を発行(全国で利用可能) | |||
佐賀市交通局 | ○ | ||||
長崎県交通局 | ○ | 県外への高速バス路線を持つ | |||
熊本市交通局 | ○ | × | |||
鹿児島市交通局 | ○ | ○ |
廃止および撤退した主な事業者編集
- 千葉県営鉄道 - 明治・大正期に複数の路線を建設・運営、のち国有化(久留里線)もしくは民間譲渡(東武野田線ほか)。
- 宮崎県営鉄道 - 大正期に2路線を運営、のち国有化(妻線・日南線)。
- 大阪市交通局 - 1903年運営開始。2018年分割民営化(大阪市高速電気軌道・大阪シティバス)につき運営終了。
- 姫路市企業局交通事業部 - 1946年運営開始。2010年民間譲渡(神姫バス)につき運営終了。
- 明石市交通部 - 1951年運営開始。2010年民間譲渡(神姫バス)につき運営終了。
- 尼崎市交通局 - 1948年運営開始。2016年民間譲渡(阪神バス)につき運営終了。
- 三原市交通局 - 2008年民間譲渡(中国バス、鞆鉄道、芸陽バス)につき運営終了。
- 尾道市交通局 - 2008年に民営化(おのみちバス)し、運営終了
- 呉市交通局 - 2012年に民間譲渡(広島電鉄)につき運営終了
- 佐世保市交通局 - 2019年に民間譲渡(西肥自動車、させぼバス)につき運営終了。
- 薩摩川内市営バス - 南国交通に譲渡。甑島地域のみを運営していた。
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欧米の公営交通編集
イギリス編集
イギリスではバスと鉄道を併せた公共交通機関の分担率は1950年代初めには約60%程度であったが、2010年代には20%を切る水準にまで低下した[3]。1980年代半ばの規制緩和まではバス事業の約9割を公営企業が占めていたが、1985年に地域バスの免許制が廃止され、2014年現在では公営のバス事業は10社程度となっている[3]。
2014年現在、イギリスのバス路線の約80%は商業路線、残りの約20%は地方自治体がバス事業者と契約して運行している路線である[3]。
フランス編集
フランスにおける都市内公共交通は交通組織当局(AOTU)がすべての交通モードに対して運営等の責任を有しており、約90%のAOTUは民営又は半公営の事業者と契約を締結して公共交通サービスを提供している[3]。
アメリカ合衆国編集
- ニューヨーク市地下鉄(アメリカ合衆国)等の例がある。
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出典編集
関連項目編集
外部リンク編集
- 一般社団法人公営交通事業協会 - 日本各地の運営事業者で構成。