公立病院(こうりつびょういん)とは、地方公共団体が経営する医療機関をいう。自治体病院ともいう。地方独立行政法人へ移行した医療機関や公立大学法人の付属病院等も、慣習上、公立病院と呼ばれる場合が多い。行政不服審査法・行政事件訴訟法が適用可能で証明書類は、可及的速やかに発給しなければならない。 職員には、地方公務員法が適用されるが外部委託や人材派遣社員には、適用されない。また公立病院を設置しなければならない根拠法令は、存在しないため地域住民サービスのための医療事業という位置付けになっている。そのため全く病院がない自治体が存在する。

厚生労働省によると、都道府県市町村などの自治体が運営する医療機関病院診療所)は、全国で4,578施設となっている[1][2]

目次

概要編集

自治体病院は、外科内科小児科などの幅広い診療科を持ち、地域医療の中核を担っていることが多い[2]

公立病院は、地方公共団体が条例に基づいて開設、出資、運営しており、原則として地域住民の医療を担う目的で開設されている場合が多い。そのため、公立病院を利用する者はその地域に所属する住民や勤務者が多くなっている。ただし、住民以外であっても利用は可能である。主な特徴は次の通りである。

経営問題編集

地方自治体の財政難や医師不足などに伴って、自治体病院では統廃合や民間への譲渡などの再編が進んでおり、2011年平成23年)までの5年間に、全国の施設数は413(全体の8.3%)減少した[2]。これらには、赤字経営や内科医の全員退職に伴って2011年平成23年)4月に産業医科大学に譲渡された北九州市立若松病院(北九州市)や、医師不足の深刻化によって2010年平成22年)10月に診療所に格下げされた大分県立三重病院の例などが含まれる[2]

背景には医師の開業が増えるとともに、小児救急や産科などで勤務医が不足して診療が縮小、それに伴って病院の収入も減少するという現象があるという[2]

また、自治体病院の累積赤字は2009年平成21年)度で2兆1,571億円に上り、その10年前の倍近くに悪化している[2]。自治体病院の経営体質は高コストであることが指摘されており、建設費が民間病院に比べて2-3割高いほか、公務員の給与体系に合わせられていることが多い職員の人件費も経営上の問題であるという[2]

そのため、2006年(平成18年)に医療法を改正の後、2007年(平成19年)度より社会医療法人という新しい法人類型が創設。そこで、医療法人に地域医療の主役を本格的に担いつつ、医療法人の運営上の知恵を活かし、効率的に取り組めるように「受け皿」をもうけることとなった。

自治体病院一覧編集

脚注編集

  1. ^ 平成23年5月末時点
  2. ^ a b c d e f g 自治体病院400施設減 統廃合・民間譲渡相次ぐ 『日本経済新聞』 平成23年8月20日朝刊 経済1面

関連項目編集

外部リンク編集