六角家 (ラーメン店)

日本の神奈川県横浜市に存在したラーメン店

六角家(ろっかくや)は、家系ラーメン店屋号のひとつであり、また、その運営会社である。本店運営会社は2020年に破産して消滅したが、本店以外で「六角家」を屋号とした姉妹店は、当社と別経営の戸塚店を含めて営業している。

有限会社六角家
六角屋本店(2011年3月)
六角屋本店(2011年3月)
種類 特例有限会社
本社所在地 日本の旗 日本
221-0822
神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-1-5[1]
設立 1990年9月[1]
廃止
  • 2020年9月4日(破産手続開始決定)[1]
  • 2020年12月21日(法人格消滅)[2]
業種 小売業
法人番号 5020002028710 ウィキデータを編集
事業内容 ラーメン店の運営
代表者 破産管財人 阿部康広[1]
資本金 500万円[1]
売上高 1億4,400万円(2013年7月期)[1]
決算期 毎年7月末[1]
関係する人物 神藤隆(前社長)
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概要

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家系ラーメン吉村家2号店であった本牧家で創業者の吉村実に学んだ神藤隆が、1988年昭和63年)に横浜市神奈川区六角橋商店街付近の東急東横線東白楽駅白楽駅のほぼ中間で、カウンターのみの客席で開店した。店名の「六角」はこの地名に由来する[3]。吉村家と同じ酒井製麺を採用していた。

のちに「吉村家」「本牧家」と並んで「家系御三家」と称される事になるが、六角家への独立当時、本牧家の従業員の大多数を引き抜いた為、本牧家は一時的に営業出来ない状態に追い込まれている。この為、吉村家と六角家の間には確執があるとされ、のちに六角家の同じ街道沿い徒歩5分強の場所に吉村家直系の「末廣家」、六角家の二軒隣に元・吉村家直系の王道家系列「とらきち家」がオープンした時には、ラーメン三つ巴戦争[4]と呼ばれ「吉村家が弟子を使って六角家を潰しに来た」と家系ファンの間で語り草となった。

1990年平成2年)9月に法人へ改組[1]し、1994年新横浜ラーメン博物館の開業と同館に出店[1]して広く認知され、関東地方でセブン-イレブンのオリジナル商品として六角家を冠したカップ麺が発売された[1]

2012年の時点で六角橋本店、羽田店、戸塚店、海老名店、船橋店、御徒町店の6店舗を営業し、本店からのれん分けした姉妹店も多数存在する[1]。かつては札幌、名古屋、大阪、高松に直営店があった[5]

2015年1月に消費税の滞納などで、神藤の自宅が財務省から抵当権を設定された[6]。有能な弟子の独立や前述のラーメン三つ巴戦争の影響も相まって経営が悪化して来店客数の減少と店主の体調不良により、2017年10月末に本店を閉店した[1]

本店運営会社の有限会社六角家は、2020年令和2年)9月4日に横浜地方裁判所から破産手続開始が決定[1][5]され、2020年12月21日に法人格が消滅した[2]

2018年(平成30年)12月13日より「六角家」を屋号とした戸塚店は、株式会社ヘキサゴナルハウスが運営している。

2021年 (令和3年)、新横浜ラーメン博物館の30周年企画「あの銘店をもう一度」への六角家の再出店が企画される[7][8]。神藤は弟子の手による出店ならばと快諾をしたが、神藤は六角家のラーメン博物館への再出店を見る事なく、2022年10月5日に逝去した[7][8]

その後、ラーメン博へは神藤自身の指名により、浜松で蔵前家を営む弟子の袴田裕司がプロジェクトの中心となり、2024年4月より「六角家1994+」として再出店を果たし[7][8]、2025年4月現在も稼働中である。

特徴

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ほかの家系ラーメン店よりもスープの味が柔らかい。

のちに本牧家が吉村家から独立した際に味を変えた為、醤油の吉村家系、バランスの本牧家系、豚骨の六角家系と御三家を特色分け出来るとも言え、それぞれの系譜を継ぐ店の味の目安となっている。 また、吉村家の味と一線を画した「六角家」「本牧家」の2系統を「クラシック家系」と表現する向きもある[9]。 この表現は、たかさご家を起点としてのちに武蔵家を中心に勢力を拡大して一大流派となり「東京家系」「新中野系」「武蔵家系」などの呼び名で呼ばれる様になった店舗群と比較し、それ以前の流派という意味が込められている。

現在の横浜家系ラーメンでは当たり前に取り入れられている「味の濃さ・麺の茹で加減・油の量」の調整システムは六角家発祥である。

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 破産開始決定 (有)六角家”. TSR速報. 東京商工リサーチ (2020年9月15日). 2020年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年9月16日閲覧。
  2. ^ a b 有限会社六角家の情報”. 国税庁法人番号公表サイト (2020年12月24日). 2025年3月9日閲覧。
  3. ^ 横浜の家系の歴史を築いた「歴史系」の3店舗を調査!”. はまれぽ.com (2013年9月28日). 2022年3月13日閲覧。
  4. ^ 【麺喰いにつき】横浜・白楽の三つ巴“ラーメン戦争””. ZAKZAK. 2025年4月2日閲覧。
  5. ^ a b “「六角家 六角橋本店」経営会社 破産手続き開始決定”. カナロコ (神奈川新聞). (2020年9月15日). オリジナルの2020年9月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200917083752/https://www.kanaloco.jp/news/economy/article-233056.html 2020年9月16日閲覧。 
  6. ^ 「文春オンライン」特集班 (2020年10月8日). “家系ラーメン・名門「六角家」はなぜ破産したか 大手飲食チェーン参入で「職人vs.資本系」に勝負あり?”. 文春オンライン (文藝春秋). https://bunshun.jp/articles/-/40751 2023年3月24日閲覧。 
  7. ^ a b c 新横浜ラーメン博物館. “六角家1994+”. 新横浜ラーメン博物館. 2025年4月2日閲覧。
  8. ^ a b c 新横浜ラーメン博物館. “あの”. 新横浜ラーメン博物館. 2025年4月2日閲覧。
  9. ^ 【家系ハンター”裏”試験②】〜基礎の四大系譜 クラシック編〜|家系小説「家族になろうよ」”. note(ノート) (2023年10月26日). 2025年4月2日閲覧。

外部リンク

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