共和汚職事件(きょうわおしょくじけん)とは、1991年に発覚した汚職事件

最高裁判所判例
事件名  受託収賄被告事件
事件番号 平成8(あ)466
2000年(平成12年)3月22日
判例集  刑集第54巻3号119頁
裁判要旨
一 北海道総合開発計画に含まれるスポーツ施設の建設予定場所等に関する情報の提供を市等に求めること、第三セクター方式で行われる同施設の建設事業主体として特定企業を市等に紹介すること及び同施設建設工事の施工業者として特定企業を市等に紹介し、あっ旋することは、北海道開発庁長官の職務権限に属する。
二 北海道東北開発公庫(平成一一年法律第七三号による解散前のもの)に対し特定企業への融資を紹介し、あっ旋することは、北海道開発庁長官の職務権限に属する。
第二小法廷
裁判長 福田博
陪席裁判官 河合伸一北川弘治亀山継夫
意見
多数意見 全員一致
参照法条
刑法(平成7年法律第91号による改正前のもの)197条1項,国家行政組織法10条,北海道開発法5条1項1号,北海道開発法(平成11年法律第73号による改正前のもの)5条1項2号,北海道東北開発公庫法(平成11年法律第73号による廃止前のもの)20条,北海道東北開発公庫法(平成11年法律第73号による廃止前のもの)23条,北海道東北開発公庫法(平成11年法律第73号による廃止前のもの)33条,北海道東北開発公庫法(平成11年法律第73号による廃止前のもの)35条1項,北海道東北開発公庫法(平成11年法律第73号による廃止前のもの)36条
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概要 編集

1991年東京地検特捜部は大手商社「丸紅」と鉄骨加工メーカー「共和」(1990年11月倒産)による鉄骨資材の架空取引事件を摘発し、丸紅関係者や共和関係者らを逮捕。詐欺罪などで逮捕した共和の副社長の供述や押収資料の中から巨額の使途不明金があり、捜査過程において阿部文男元北海道開発庁長官との密接な関係が浮かび上がった。

1992年1月13日に9000万円の供与を受けた受託収賄罪の疑いで東京地検特捜部が阿部元長官を逮捕。

共和から政界には阿部の他に5億円近くが流れていた。共和との関係を指摘された政治家は10人近くにも及び、阿部の所属派閥である宏池会(宮沢派)の議員が多く、塩崎潤証人喚問をされ、鈴木善幸元首相が参考人招致をされた。鈴木は参考人招致で、「カネはヤミ献金ではなく、善意の保管者として預かった」と発言、物議をかもした。

共和元副社長には詐欺罪と贈賄罪で懲役5年6ヶ月の有罪判決が言い渡された。

2000年3月、阿部元長官に対して懲役3年、追徴金9000万円の実刑が確定した(病気入院していたため刑の執行が停止され、収監はされなかった)。

関連項目 編集