共晶(きょうしょう、eutectic)は合金などが凝固するときの凝固形態、結晶組織の一つで、液相Lが分解して固相αと固相βを形成したときにできる結晶である[1]。 共晶ができるような反応を共晶反応(eutectic reaction)という[1]

鉄の温度(縦軸)、炭素量(横軸、重量パーセント)による相の関係。
L→α+β

(固相γが分解する共析反応とよく似ている。)

たとえば2種類の金属AとBを溶解して合金をつくる場合、AとBの比率が金属Aに対するBの固溶限固溶体をつくる限界)までの範囲や、Bに対するAの固溶限までの範囲にないと、合金は、それぞれ違った成分比の固溶体の結晶がまじりあったものになる。これを共晶組織という。混晶という用語と区別されないで使われるときもある。

例:Fe-C系においては1130℃、Fe-4.25 wt.%の共晶点がありここでは

液体→オーステナイト + セメンタイト

という反応になっている。

状態図 編集

 
成分AとBからなる物質の共晶反応の相図。EUTECTIC COMPOSITION(共晶組成)、EUTECTIC TEMPERTURE(共晶温度)

出典 編集

  1. ^ a b 日本機械学会『機械材料学』日本機械学会、2008年、52-53頁。ISBN 978-4-88898-169-9 
  • 三浦 憲司、小野寺 秀博、福富 洋志『見方・考え方 合金状態図』オーム社、2003年、104-116頁。ISBN 978-4274087448 

関連項目 編集