内閣危機管理監(ないかくききかんりかん、英語: Deputy Chief Cabinet Secretary for Crisis Management[1])は、1998年から日本の内閣法に規定された内閣官房官職の一つ。

日本の旗 日本
内閣危機管理監
ないかくききかんりかん
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内閣の紋
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現職者:
村田隆

(第22代)
就任日: 2022年1月14日
担当官庁 内閣官房
任命者
初代 安藤忠夫
創設 1998年4月7日
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所掌事務

内閣官房長官及び内閣官房副長官を助け、命を受けて内閣官房の事務のうち国家安全保障局長の所掌である国防事項を除いた危機管理を統理することを職務とする[2]。内閣官房副長官に準ずる特別職国家公務員であり[3]内閣総理大臣の申し出により内閣において任免される。待遇としては国家安全保障局長と同位の大臣政務官級であり[4]、両者は常に緊密に連携して職務に当たり、内閣官房副長官補がこれを補佐する[5]

かつては内閣官房に内閣安全保障・危機管理室が、総理府内閣総理大臣官房に安全保障・危機管理室が設置され、警察庁防衛庁とは別に政府中枢組織として国防を含めた危機管理の対応に当たっていたが、地下鉄サリン事件のような驚異的事態の発生により、内政的な危機管理の対応強化を求める世論が高まったことから、行政改革会議の提言を受けて、1998年4月に新設された。国防部分を除く危機管理対策に特化して内閣安全保障・危機管理室を指揮監督する高官として新設されたのが内閣危機管理監であり、官房副長官に準ずる地位とされている。テロハイジャック大規模災害など緊急事態が発生した際に、内閣として必要な初動措置を判断し、初動措置について関係省庁と迅速に総合調整することが任務とされる。ただし国防など高度な政治的判断が必要とされる事態については任務の対象外となっている[3]

国民の生命・安全を守るという職務の性格上、これに専念することが望ましいが、一方で治安行政に関する知識・経験等の専門性も必要なことから、内閣法では既に警察官僚等を退官して民間人になった人物を登用する場合があることを想定し、兼職の制限についての規定が設けられており、内閣総理大臣の許可があれば兼職可能である[6]

沿革

  • 1998年(平成10年)4月1日 - 内閣法の一部改正により、内閣危機管理監(定数1人)が内閣官房に新設される。実際の初代内閣危機管理監の任命は同月7日。
  • 1998年(平成10年)4月9日 - 内閣危機管理監の新設を受けて、内閣安全保障室が内閣安全保障・危機管理室に改称される(内閣危機管理監新設と組織改称の8日間のズレは予算成立遅延によるもの)。併せて内閣安全保障・危機管理室に危機管理総括審議官(定数1人)が新設される[7]
  • 2001年1月6日 - 内閣法の一部改正により、内閣安全保障・危機管理室が廃止され、同室長に代わる後継職務担当として内閣官房副長官補3人のうちの1人が充てられることとなる。また、当該副長官補の事務のうち安全保障を除く危機管理部分を補佐する職として、危機管理審議官(定数1人)が設置される[8]

歴代内閣危機管理監の一覧

  • 辞令のある再任は個別に記載する。
  • 発令日の古い順に記載する。
氏名 在任期間 前職
01   安藤忠夫 1998年4月7日 - 1998年7月30日 警視総監
日本道路交通情報センター理事長
02 1998年7月31日 - 2000年4月5日
03 2000年4月5日 - 2000年7月4日
04 2000年7月4日 - 2001年4月1日
05   杉田和博 2001年4月1日 - 2001年4月26日 警察庁警備局
内閣情報官
06 2001年4月26日 - 2003年11月19日
07 2003年11月19日 - 2004年1月23日
08   野田健 2004年1月23日 - 2005年9月21日 警視総監
日本道路交通情報センター理事長
09 2005年9月21日 - 2006年9月26日
10 2006年9月26日 - 2007年9月26日
11 2007年9月26日 - 2008年5月16日
12   伊藤哲朗 2008年5月16日 - 2008年9月24日 警視総監
日本道路交通情報センター理事長
13 2008年9月25日 - 2009年9月16日
14 2009年9月16日 - 2010年6月8日
15 2010年6月8日 - 2011年9月2日
16 2011年9月2日 - 2011年12月27日
17   米村敏朗 2011年12月27日 - 2012年12月26日 警視総監
18 2012年12月26日 - 2014年2月27日
19   西村泰彦 2014年2月28日 - 2016年9月23日 警視総監
20   高橋清孝 2016年9月23日 - 2019年4月5日 警視総監
21   沖田芳樹 2019年4月5日 - 2022年1月14日 警視総監
22   村田隆 2022年1月14日 - 警察庁警備局長
フィンランド特命全権大使

脚注

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註釈

  1. ^ 内閣法では内閣危機管理監は内閣総理大臣の申出により、内閣罷免できると規定されているが、憲法に規定された閣僚任免権と内閣法に規定された閣議の全会一致規定から、内閣危機管理監の罷免権は最終的には首相が留保しており、また首相が閣僚罷免権を背景にいつでも発動することができるため、事実上首相が任免権を留保している。

出典

  1. ^ 内閣官房組織等英文名称一覧”. 内閣官房. 2020年10月18日閲覧。
  2. ^ 内閣法15条2項
  3. ^ a b 内閣危機管理監 | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
  4. ^ 特別職の職員の給与に関する法律で同給
  5. ^ 「国家安全保障会議」について(「国家安全保障会議の創設に関する有識者会議」説明資料)”. 内閣官房 国家安全保障会議設置準備室. 2013年12月24日閲覧。
  6. ^ 内閣法15条4項、5項
  7. ^ 内閣安全保障・危機管理室に危機管理総括審議官を置く規則(平成十年四月九日内閣総理大臣決定)
  8. ^ 内閣官房に危機管理審議官を置く規則(平成十二年八月二十一日内閣総理大臣決定)

関連項目