冥王せつな
冥王 せつな(めいおう せつな)は、武内直子作の漫画作品『美少女戦士セーラームーン』に登場する架空の人物。
冥王 せつな めいおう せつな | |
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美少女戦士セーラームーンのキャラクター | |
登場(最初) |
Act 18「タイムワープ—SAILOR PLUTO」 (『Crystal』ではAct 19) 美少女戦士セーラームーンR・第75話「謎の新戦士 セーラープルート登場」 |
作者 | 武内直子 |
声優 |
川島千代子(テレビアニメ) 前田愛(『Crystal』) |
俳優 |
細木美和、斉藤レイ、神矢ゆき、中澤聖子、渡部照代、穂坂優子、中江友木子、横井美帆(バンダイ版ミュージカル) 石井美絵子(ネルケ版ミュージカル) |
プロフィール | |
愛称 | せつな先生、先生、せつなさん、プー、せつなママ |
別名 | セーラープルート |
性別 | 女 |
種類 | 地球人 |
DICエンターテイメントによる北米版の名前はTrista Meiou(トリスタ・メイオウ)。
人物
セーラープルートに変身する、神秘的で寂しげな雰囲気を持つ褐色の肌の女性。黒に近い深緑色のロングヘアで、頭頂部中央で両サイドをシニヨンにまとめている。瞳の色はダークチェリー。一歩引いた距離からちびうさとの友情を大切にし、守るべきプリンセスであり、穏やかで控えめな大人の女性。太陽系戦士の中では天王はるかに次いで背が高い[要出典]。
時空の神クロノスの血を引く外部太陽系セーラー戦士で、亜空間の中で何世紀にも渡り、たった一人で「時空の扉」を守ってきた孤独の番人。原作および『Crystal』では先代の主であるクイーン・セレニティから以下3つの禁忌を直接承っており、特に3番目の時間を停めるべからずは時空の門番の最大の禁忌(タブー)とされている。
- 時間を移動するべからず
- 守るべき扉から決して離れるべからず
- 時間を停めるべからず
原作第二部終盤で最大の禁忌を破って死亡したが、第三部ではネオ・クイーン・セレニティの力で女大生の冥王せつなに転生して登場。原作はKO大学理学部1年・基礎物理学科理論物理学専攻で、その後東京湾天文台(モデルは国立天文台[要出典])に勤務、原作第五部では港区立十番小学校の養護教諭になっている。テレビアニメ版は全編を通して無限学園大学理学部。ミュージカル版は好評のため、バンダイ版・ネルケ版共にうさぎたちが通う麻布十番高校の養護教諭として働いており、『セーラースターズ』では保健室のシーンも挿入された。
現在の主ネオ・クイーン・セレニティを敬愛する一方で、彼女の夫で、ちびうさの父であるキング・エンディミオンに密かな憧れる想いを馳せている。原作者・武内直子のお気に入りのキャラクターで、プルートのキング・エンディミオンへの片思いを描きたくて第二部を連載したほど。テレビアニメでは、『R』第82話でセーラームーンに「あなたはいつも私をてこずらせてばかり」という意味深な発言をしているが[注釈 1]、テレビアニメではこの設定は生かされなかったが、バンダイ制作のミュージカルで初めて日の目を見ることになる[注釈 2]。原作では冥王せつなに転生後はキング・エンディミオン及び地場衛に対して好意を寄せる描写はないが、ミュージカル版では転生後も彼に強い想いを馳せている描写がある。
また、テレビアニメ完結後の美少女戦士セーラームーン メモリアルソングBOXには、テーマBGM「ガーネット・ガーディアン」とそのオルゴール版(作曲:有澤孝紀)が収められている。
バンダイ版のミュージカルでは、『セーラースターズ』以降たまに「おばさん」扱いをされながらも、うさぎたちみんなの優しいお姉さん的存在として描かれた。舞台経験者である斉藤レイがプルートを演じていた頃は、外部太陽系戦士のリーダー的存在だった。セカンドステージ以降はセーラー戦士役の出演者が全員揃っており、麻布十番高校の保健の先生としてすでに働いてもいるために仲間たちに囲まれていることが多く、孤独の戦士という要素は少ない。『セーラースターズ』『永遠伝説』『新・伝説光臨』では、うさぎが十番高校の屋上で、せつな先生に衛との遠距離恋愛を相談しており、(せつなの衛への恋愛感情をうさぎは知らない)励まされている。せつなに転生した後も原作以上に衛のことをかなり意識しており、衛やキングとの絡みも多い。せつなは衛の幸せのため、うさぎの相談に乗ってあげて衛との仲を応援しているが、クイン・ベリルとの「女の論争」では語らぬ愛の悲しみを吐露している。「それぞれの悲歌」では「あなたに会えて愛が分かった この宇宙が消えても愛は永遠だと」と、うさぎもせつなに「大きな愛で見守って 甘えさせてくれたあなた」と感謝の気持ちを述べあっていた。「Stay Alone」では、せつなは「愛してはならぬ人 愛した罪の痛みを密やかな歓びに変えて抱きしめ…」「届かない面影は消えることもない」と同じ衛を愛するクイン・ベリルに語っており、見返りを求めない無償の愛で一途にずっと一人の男性を愛し続けるセーラープルートなりのキング・エンディミオン(地場衛)に対する愛し方があると述べている。
ネルケ版ミュージカルではバンダイ版の黒髪から本来の設定である髪色に変更され、時空の扉を守りながらキング・エンディミオンを想い続ける孤独の戦士という悲壮感を交えながら、バンダイ版の性格設定が継承された。疑似家族となったはるか・みちる・ほたるとのコントがあり、みちるとは言葉がなくても分かり合える関係として描かれている。
経歴
原作と『Crystal』
第二部では、いじめられて城(パレス)の奥に逃げ込んだちびうさはプルートと出会う。密かにキング・エンディミオンに対して恋心を抱いているプルートは、キングが時空の扉まで会いに来る度に頬を赤らめてキングを見つめる。プルートはちびうさに目に見えない愛の形もあると伝えるため、「キスしたり抱きしめるだけではなく、遠くからそっと見つめ、想うだけの愛もある」と自分のキングに対する密かな恋心を打ち明けている。未来に戻ったちびうさが時空の扉を訪れた際、いつもさびしそうに微笑むだけのプルートがキング・エンディミオンには頬を染めて楽しそうに笑う姿を見て、自分よりパパと会っている時の方が嬉しそうなことにショックを受け、「自分の居場所はどこにもない」と絶望してブラック・レディになる[注釈 3]。その後、プルートはちびうさが落とした時空のカギを拾って、キングとタキシード仮面と共に彼女の身に起きた異変に気づく。終盤では世界を壊そうとするプリンス・デマンドを止めようと最大の禁忌を破ってしまい、キング・エンディミオンに見守られながらブラック・レディに時空のカギを差し出して息を引き取る。プルートの死はブラック・レディをちびうさに戻し、セーラーちびムーンが覚醒するきっかけを作った。
第三期ではネオ・クイーン・セレニティによってKO大学生の冥王せつなに転生しており、デス・バスターズのテルルに襲われた時にセーラープルートに覚醒した。セーラーウラヌス(天王はるか)とセーラーネプチューン(海王みちる)に合流し、デス・バスターズと戦いながらセーラーサターン(土萠ほたる)を封印しようとする。
原作第四期では、天王はるかと海王みちると一軒家に同居して転生後の土萠ほたるを養育しており、ほたるを育てる誓いの証として三人で同じ指輪をはめ、家族のように暮らしている。外部戦士としてははるかとみちるのペアに対し、ほたるとペアを組む。
原作・テレビアニメ共に第五期ではスリーライツ(セーラースターライツ)を警戒した。原作第五期で自身の城「カロン・キャッスル」に訪れた際、セーラーギャラクシアと戦って返り討ちにされたようで、ほたると共にセーラークリスタルを抜かれてしまった。後にギャラクシアの泥人形として他の戦士共々復活、セーラームーンに倒されて消滅したが、戦いの後にコルドロンから再生し、うさぎと衛の結婚式に出席した。
テレビアニメ
テレビアニメ第二期『R』後半の「ブラック・ムーン編」に、外部太陽系セーラー戦士で初めて登場した。セーラームーンたちとは異空間で出会ったのみだったが、ルナによるとクイーン・セレニティが「時空の扉を永遠に守り続け、その存在を知ることも許されず、誰もその姿を見たことのない孤独な戦士がいる」と話していたという。
『R』では死亡せず、第三期『S』で聖杯召喚や聖杯を扱うメシア探索を目的に、未来の時空の門からはるかとみちるに合流。二人のピンチに際して初めて変身前の姿で登場した(第110話)。『S』終盤で、結界に覆われた無限学園にはるかとみちるを突入させるため、最大の禁忌を破り消息を絶った。第五期『セーラースターズ』序盤で、時空にかつてない揺らぎを感じて再び出現し、土萠創一からほたるを預かった。
『セーラースターズ』ではサターンとともにセーラーギャラクシアに敗北してしまい、ギャラクシアの配下に下るふりをしたウラヌスとネプチューンによって、スターシードを抜かれてサターンと消滅したが、最後には希望の光を取り戻したギャラクシアによって復活した。
原作では第三期以降も頻繁に登場するが、テレビアニメ第四期『SuperS』には劇場版を除き登場せず、第五期『セーラースターズ』では時折登場するものの、はるかやみちるより出番は少なく、セーラープルートとしては序盤と終盤の戦いにしか登場しなかった。
ミュージカル
「セーラームーンS~うさぎ・愛の戦士への道~」では、まだ本格的には登場しないセーラープルートが、時空の扉の前からキング・エンディミオンと一緒にうさぎを励ましている。
「セーラームーンSupers~夢戦士・愛・永遠に~」では、うさぎの夢の中のサーカスで、衛が白色のタキシードを着ているのに対し、せつなは衛と対である黒色のタキシードにハイレグ姿で登場した。衛とせつなは時々顔を見合わせながらペアで踊った。また、タキシード仮面が少女から悪夢を吸い取る際、プルートはプリンスを心配した。衛の胸の中でゴールデン・クリスタルが光っているのに最初に気づいたのもプルートである。
「セーラースターズ」通常版・改訂版共に十番高校の屋上で、留学したまもちゃんの手紙を読んで寂しがるうさぎをせつな先生が励ました。改訂版の江戸時代では、せつなはナレーション担当の講談師で、衛こと遠山の金さんの部下という設定になっており、現在のプリンスに仕える戦士という設定とリンクしている。ネズミ小僧うさ吉のナンパに失敗した金さんに「あのー、私も余ってるんですけど…」と金さんに求愛したが玉砕した。また、「セーラースターズ」通常版では、セーラーギャラクシアとの決戦の際、セーラープルートの「クロノス・タイフーン」とタキシード仮面の「タキシード・ラ・スモーキング・ボンバー」とで合体技を放ち、アニマメイツの4人を倒した。
「永遠伝説」通常版・改訂版共に十番高校の屋上で、まもちゃんが連絡してくれないと悲しむうさぎにせつな先生は「信じるのよ。いくら離れていたって、いつもあの人が自分を見つめてくれている。あの人が微笑んでいてくれる……それだけで幸せなはずよ。愛は強く想う心。私なら、それだけでどんな孤独にも耐えていけるわ……黙って信じる愛もあるのよ」と励ました。また、銀河テレビ局に向かう前、せつなは「エンディミオン様、どうかご無事で…」と衛の身を心配した。プルートはクイン・ベリルとの「女の論争」で、衛(キング)に対しての語らぬ愛と届かぬ想いの悲しみを嘆き合った。通常版・改訂版共に、最後にスターシードが解放されて衛が生き返った時、セーラームーンだけでなく、セーラープルートもタキシード仮面に駆け寄り、セーラームーンと抱き合うタキシード仮面にセーラープルートは複雑な感情を抱いてうつむくものの、幸せそうなタキシード仮面を見て微笑んだ。
ファーストステージ最後のファン感謝イベントでは、タキシード仮面を演じた望月祐多が「タキシード・ミッション」を歌う際、セーラープルートを演じた斉藤レイにおそろいのマントをつけてバックダンサーで踊らせた。歌い終わった際にタキシード仮面がプルートを抱き寄せて「今年の抱負はプルートと浮気をすることです」と発言したことでセーラームーンを演じた大山アンザの怒りをかい、謝っている。同じイベントではうさぎ、セーラージュピター、セーラープルート、タキシード仮面で「またまたちびうさです」を披露し、1番でタキシード仮面に近づいてきたジュピターを追い返し、タキシード仮面と仲良く踊っているムーンの元にプルートが2番で登場し、ムーンに負けじとタキシード仮面にアプローチをし、最後はタキシード仮面がセーラームーンとセーラープルートを両脇に抱えて終わるというものだった。
「新・伝説光臨」も「永遠伝説」同様に十番高校の屋上で、まもちゃんが連絡してくれないと悲しむうさぎにせつな先生が「人はね、思い出だけでも生きられるのよ。大人になると、たったひとつでも大切な愛の思い出があれば生きていけるわ…」と励ましている。セーラープルートのテーマソング「Stay Alone」のサビの歌詞がキング・エンディミオンへの禁断の恋をテーマにしたラブソングに変更された。プルートはプリンセスであるうさぎのために身を引いたと言っているが、タキシード仮面が投げたバラにセーラームーンより早く反応したり、キングが登場すると駆け寄って喜んだり、どの戦士よりもキングとプリンスの身の心配をしていた。この公演の「女の論争」はセーラープルート役の神矢ゆき、クイン・ベリル役の仁科有理の宝塚出身同士で歌われた。また、この公演のファン感謝イベントでは、プルートがキングに「お慕いしております」と告白する場面がある。
「かぐや島伝説」では、船の上で「残された宝石を見つけた時、ふたりの想いは空の果てで成就する」というかぐや島の伝説を聞いて、せつながうっとりしていると、せつなが衛(キング)への片思いが長いことをはるかに暴露された。また、木の実や魚料理をうさぎたちにこっそり提供してくれたキング・エンディミオンが家出したちびうさを追って来たのがわかると、せつなはキングを出迎えて、うさぎたちには内緒でキングとの二人きりの時間を楽しんだ。
「火球王妃降臨」では、「永遠伝説」や「新・伝説光臨」でも歌われた、衛への叶わない恋心を嘆き、慰め合うセーラープルートとクイン・ベリルの「女の論争」が遂に衛本人の前で歌われ、ギャラクシアに操られていたタキシード仮面の洗脳を解いた。
「Petite Etrangere」では、原作やCrystalと同じようにプルートがキングに赤面する場面があり、時間を止めた後にふたつの銀水晶を取り返すよう体を動かせるようにしたのは原作がうさぎだが、ミュージカル版はタキシード仮面になっている。キング・エンディミオンとセーラープルートの初めてのデュエット曲「届かぬ想い」が作られた。
プロフィール
プロフィールはほとんど原作のもの。
セーラープルート
冥王星を守護星に持つ時空と変革の戦士。イメージカラーは黒[1]。 時を司る神・クロノスの血を引き、時間と空間の狭間(テレビアニメでは時空の回廊)にある冥土の扉「時空の扉」を守っている美しく孤独な番人[2]。
時の流れを超越した時間と空間を司る戦士で、古代の時代から侵入者を防げた外部太陽系三戦士の成員の一人である。精神力が高いセーラープルートは、他のセーラー戦士より年上だけあって、落ち着いているのが特徴[3]。戦闘力も非常に高く、本編中では彼女の必殺技が効かなかった敵は、(一般の妖魔などとの戦闘シーンが描かれていないセーラーサターンを除けば)セーラー戦士の中で一番少ない。原作とアニメではタリスマンの力によって、彼女自身や仲間を他の場所へ移動することが多く見られる。また時空の扉の番人だが、テレビアニメ第75話ではちびうさの悪夢の原因を断ち切るため、うさぎ達を夢の中に送り込むという力を見せている。
テレビアニメ版3人集合時及び『eternal』での決めゼリフは「時空の星、冥王星を守護に持つ、変革の戦士セーラープルート」。テレビアニメ版ではその後に「外部太陽系三戦士、新たな危険に誘われて、(ウラヌス)ここに参上!!(3人)」と続く。また特別なものとして「時を司るセーラープルート、この愛すべき地球を、貴方の思い通りにはさせません」(劇場版S『かぐや姫の恋人』より)がある。原作第二期より初登場の時「私は時空の扉を掌るもの、冥界の番人 セーラープルート!禁忌(タブー)を侵す者は消去します!」と名乗っている。原作第三期及び『crystal』の登場ゼリフは「冥界の星!冥王星を守護にもつ時空の戦士!セーラープルート!」。 『eternal』での名乗りシーンの背景は冥王星と赤色と白色の薔薇の花。
セーラースーツは黒系統の色がメイン[注釈 4]で、胸前と後ろ腰のリボンは深い茶色。チョーカーには真紅の丸い宝玉を垂らしている。真紅の矢羽型のピアスは旧アニメ版のキング・エンディミオンが胸につけている矢羽型の勲章と形が同じになっている。ティアラの宝玉・チョーカーの飾り・ピアス・胸のブローチはマゼンタ色(テレビアニメのみ深紅色)になっている。原作第三期の胸のブローチでは転生の際に黒に変化しているイラストがある[4]。膝まであるロングブーツはマーキュリーと同型だが、ブーツのヒールが高め。原作のマーキュリーと同じく肩のプロテクターは無し。テレビアニメ『セーラースターズ』以降、薄紫色のアイシャドーを塗る。
原作第二期Act20より「プリンセス・セレニティの四守護神とはその使命も立場も全く違う」、「時間は最後の犯すべからざる領域だ。セーラープルートは遥かな昔からその禁じられた領域・時空の扉をたった一人で統括する」、「セーラープルートは誰よりも長く生き、あらゆる時代を見聞きし、そして誰よりも忍耐強く適確な判断をくだせる、たよれる戦士だ」だとキング・エンディミオンに述べられている。
テレビアニメ第三期は原作とは異なり、ウラヌスとネプチューンのタリスマンが現れた際、それと引き換えに2人は命を落とし、タリスマンを奪ったユージアルを制止するために突然現れた。その時、手に持っていた第3のタリスマン「ガーネット・オーブ」が光を放ち、ユージアルから剣と鏡のタリスマンを奪い返した。実はタリスマンの宿主が犧牲になる必要はなかったとされる。ただし、珠のタリスマンの由来は不明。
- スーパーセーラープルート(原作第三期、テレビ『S』、『Eternal』)
- セーラーサターンが再び覚醒した時にパワーアップする姿。他のセーラー戦士と同じハート型のブローチ、リボンやセーラー襟に白いラインが入り(ウラヌス・ネプチューン・サターン同様)肩にプロテクターがつくなど変わった。
- エターナルセーラープルート(原作第五期、『Eternal』)
- 原作での最終形態。セーラークリスタルの形が星型へ変化し、リボンの色もマゼンタ色に変化し、ブローチやティアラの宝石、ピアス、チョーカーが黒い星型になった(ただしeternalでは、ブローチの色が白に近い黒になっている)。コスチュームも肩のプロテクターが球形になり、二重スカート、靴はブーツから白いロングブーツになるなど変化している。
- プリンセス・プルート(原作第四期、『Eternal』)
- 原作の第四期終盤及び『Eternal』で新しい聖杯が誕生した時に変化したプリンセスとしての姿。冥王星のセーラープリンセスの城として「カロン・キャッスル」という城を持っている。
- シンプルな黒いマーメイドドレスとロンググローブを着用し、色以外は基本的にプリンセス・サターンと同じコスチュームである。主な相違点は、肩紐とひし形の飾りがひとつ多いこと。またプリンセス・ウラヌスの物と同じく、スカート部分の左右に深い切れ込みがあり、中から淡い色のスカートが覗く。
- 備考
- プルート=ローマ神話のプルートー、ギリシャ神話のハーデースは冥府の神。惑星探査機もテレビアニメ放映時は未踏[注釈 5]であったため「デッド・スクリーム」は天文学上の冥王星の姿ではなく死のイメージの力場球をぶつけている。タリスマンのガーネット・オーブは三種の神器の八尺瓊勾玉から。
- 神話のプルートーに時を支配する権能はなく、それは劇中でも「時空の扉を開く呪文」に其の名が出る時間の神・クロノスの管轄である。
- プルートの変身前の名前「せつな」というのは仏教用語で「刹那」(一瞬)のことである[5]。
アイテム
変身アイテム
- リップ・ロッド(テレビアニメ)
- 左右に小さな球体2つが付いたラベンダー色の球と、冥王星の紋章が刻まれた六芒星型の飾りが先端に付いたピンク色のロッド。
- なお、先端の球体はテレビアニメではラベンダー色で描かれているが、玩具やその他グッズ類では銀色となっている。
- プルート・クリスタル(原作第四期以降)
- プルートのセーラークリスタルで、他の戦士同様にハートの形をしている。エターナル化の際、星型に変化した。
装備品
- ラベンダー色のマニキュア(テレビアニメ)
- セーラープルートの爪に塗られているマニキュア(通常は手袋に隠れて見えない)。
- マゼンダの口紅(テレビアニメ)
- セーラープルートの唇に塗られている口紅。
- カギのチェーンベルト(原作第二期、『Crystal』、『Eternal』)
- 腰についている、時空の鍵がいくつも下がったチェーンベルト。鍵のデザインはそれぞれ少しずつ異なる。新装版の原作第三期では取り払われている。
- 時空の鍵(じくうのカギ。原作漫画第二期、テレビアニメ『R』)
- セーラープルートが管理している時空を往き来するための鍵[注釈 6]。ガーネット・ロッドを縮小し簡易化した形をしている。「時の衛人よ 時空の扉・天空を裂き我に開け放て 我は汝の真の名を呼ぶ 衛人の父クロノスよ 我を導きたまえ 我を守りたまえ 光の道を我に!」という詠唱がつき、「時空の扉」への光の洪水を現出した。
- 原作および『Crystal』では、後述の時空の狭間で「どこ」というポイントを特定するのに必要なもの。2つ目の邪黒水晶の巨石がクリスタル・トーキョーに打ち込まれた際、20世紀に戻ったうさぎに危機を知らせた。
魔具(タリスマン)
- 時空の杖(ガーネット・ロッド)/時空の珠(ガーネット・オーブ)
- 防御を司るタリスマン[6]。プルートが携えている巨大な鍵の意匠をした錫杖であり、「時空の扉」を開く鍵となっている。技などを使う必要な武器である。また、原作第6巻ではちびうさと初めて会った時、アブラ・カダブラ・ポンの呪文によってガーネット・ロッドから花びらが発生することがある。
- 先端部分の水晶玉のような形をしたマゼンタ色(テレビアニメのみ深紅色)の珠玉は宝珠のタリスマン「ガーネット・オーブ」で、このタリスマンの力で主に時間を操っていたが、時間移動や時間停止など時空を動かす強大な禁忌の力を持つ。また、どんな攻撃も防ぐ力を持っており、原作や『Crystal』では、これで身を守るバリアーなどを発生させている。
- テレビアニメでは宝珠部分はクロヌス・オーヴ明記だが、宝珠形態で登場したのは聖杯出現の際の共鳴状態の時だけで、後はガーネット・ロッドでの状態が続いた。また『R』と『S』ではオーブの形がかなり違っていて、オーブのデザインが決まった『S』でも『R』時代のデザインが使用されたこともあった。変身前の状態でも発動することができ、『S』第119話ではうさぎ達を地球崩壊の予知夢に再現すると、『S』第121話では妖花テルルンがせつなを襲う際に出現し保護することができる。
- 『Crystal』では必殺技のほとんどはロッド状態から放たれ、原作のように「クロノス・タイフーン」や「ガーネット・ボール」発動時にオーブ部分が取り外されることはなくなっている。
その他
- 指輪(原作第四期)
- 右手の薬指にはめたはるか・みちるとお揃いの指輪。転生したほたるの養育を誓い合った三人の約束の印。
変身呪文
- プルート・プラネットパワー!メイクアップ!(テレビアニメ、原作番外編『かぐや姫の恋人』)
- テレビアニメ版ではリップ・ロッドに冥王星のマークが輝いたあと、藤色のマニキュアを塗った右手でロッドを握り、右回りに回転しながら円陣を描くと同時に大量の砂を吹き上げて全身を包み込み、流砂がガーネット・ロッドを生成する。マゼンタ色のルージュを唇につけた後、ガーネット・ロッドを鳴らしながらポーズを決める。
- プルート・クリスタルパワー!メイクアップ!(原作第四期、『Eternal』)
- 『Eternal』ではマゼンタ色に輝く冥王星の惑星記号が現れたあと、手を掲げることでマニキュアが塗られる。基本動作はテレビアニメ版をリメイクしたものになっており、変身完了時には冥王星と冥王星の惑星記号を背景に、ポーズを決める。
セーラープルートの必殺技
- 破滅喘鳴(デッド・スクリーム。原作第二期、『Crystal』、『Eternal』、テレビアニメ『S』から『スターズ』)
- 原作ではガーネット・ロッド(時空の杖)のオーブ部分を鳴らし、宝珠のタリスマンが発する烈風の波動で敵を打ち砕く技。
- テレビアニメでは「冥界の風[7]」の別名を持つ。珠のタリスマンを鳴らして光り輝く、異次元からの荒ぶる風をガーネット・ロッド(時空の杖)に巻き付け、そこから低い声で技名を言いながら、振り上げたガーネット・ロッド(時空の杖)の先端にあるオーブ部分で荒ぶる風のエネルギーを集中させ、それをガーネット・ロッドを持つ一回転させた後、赤い輪が付いた紫色のエネルギー光球として敵に向けて放ち、敵を一瞬にして紫色の光に包まれて吹き散らす。長い時を閉じ込めたエネルギー光球を敵にぶつけ、砂になって風化させる絶命の一撃である[5]。ロッド先端のオーブ部分にはタリスマンの力を含むであろう絶大的な破壊力が込められている[5]。また『S』第113話と『セーラースターズ』第167話のみバンクシーンを省略したバージョンでもあり、低い声で技名を言いながら、青い輪が付いた紫色のエネルギー光球を飛び出し、地面を擦って進む、敵にぶつける。
- スーパーファミコン版の対戦格闘ゲームではガーネット・ロッド(時空の杖)を振りかざしたり、小型の竜巻や竜巻の障壁を作ることで攻撃できる。また、技名を高い声で呼び出したことになる。
- 『Crystal』の初登場時(Act19)には、疾走しながらエネルギーを帯びたガーネット・ロッドを高速回転させ、擦れ違いざまに無数の衝撃波で敵を打ち据える攻撃として描かれている。Season IIIではガーネット・ロッドを優しく振り下ろし対象の地面から強力な紫のエネルギーを柱上に打ち出し対象を消し去る技となっている。
- 『Eternal』では動作はテレビアニメのものをリメイクしたものとなっているが、紫色の光輪が付いた赤いエネルギー球に変更されている。
- 時間よ止まれ(タイム・ストップ。原作第二期、テレビアニメ『S』第124話、『Crystal』)
- 時空の門番であるプルートの最大の禁忌。ガーネット・ロッドの先端に眩い光芒を射放つ、一定の間特定の人間以外の時間を停止させることができるが、その代価として使用者自身の命を失うリスクを負う。
- 3DO対戦格闘ゲームでは「時間停止(じかんていし)」という技名になっている。ガーネット・ロッドを頭上で高速回転しながら時間を止めたり、それを相手の動きを封じた後、乱れ打ちの攻撃を加えている。
- 時空嵐撃(クロノス・タイフーン。原作第三期、『Crystal』)
- 原作では両手に捧げ持つガーネット・オーブ(時空の珠)で勢いの強い竜巻を作り出し相手を蹴散らす。
- プレイステーション版とセガサターン版の対戦格闘ゲームでは両手に握ったガーネット・ロッドを高く掲げ、先端部が一瞬光ったあと、両手にガーネット・オーブを捧げ持つ状態で相手に向けて強い竜巻を放つ攻撃。スーパーファミコン版の対戦格闘ゲームとほぼ同じアクションである。
- 『Crystal』では高く持ち上げたガーネット・ロッドの先端に回転する冥王星の紋章が出現した後、ガーネット・ロッドの先端から螺旋状の白い砂塵を自身の下に向けて放ち、それをガーネット・ロッドを持つ一回転させた後、低い声で技名を言いながら、ガーネット・ロッドを頭上に振り上げ強力な突風を起こし対象を消し去る技となっている。
- 時空球(ガーネット・ボール。原作第三期、『Crystal』)
- ガーネット・オーブを使用し、球体状のバリアーを張る。その状態のまま移動することも可能である。
- 『Crystal』ではガーネット・ロッドが輝いた後に振り下ろし球体状のバリアーを張る。彼女自身および仲間を他の場所へ急速に転送することができる。
- 冥空封印(ダーク・ドーム・クローズ。原作第三期、『Crystal』)
- 「偉大なる時空の守護神われらが父クロノスよ われに力を 裂かれた禁忌の扉を閉じよ!」という詠唱がつき、ガーネット・ロッド(時空の杖)のエネルギーを放出して「時空の扉」を出現させ、異界と別の異界とを繋ぐ時空の通路を永久に封印する技。
- ディスティニー・スピンスター(ゲームのみ)
- ガーネット・ロッドを目の前で水平に振り回して、相手の近距離攻撃を防いだ。
- トワイライト(ゲームのみ)
- ガーネット・ロッドで相手を捕え、オーブ部分からエネルギーを放出して相手を吹き飛ばす。
- アクション・スピンスター(ゲームのみ)
- ディスティニー・スピンスターに似た技で、ガーネット・ロッドを回転させてから振り上げて防衛する。
- ストリクト・スウィーブ(ゲームのみ)
- ガーネット・ロッドを地面に突き、それを軸に前方に回転しながら蹴りを繰り出す突進技。
- ディメッション・ダンス(ゲームのみ)
- 前方に突進しガーネット・ロッドで乱舞する相手を打ち倒す超必殺技。
キャスト
脚注
注釈
- ^ 原作第二期Act19の「あなたがたは昔から私をてこずらせてばかり」という台詞の引用。
- ^ 『セーラースターズ』が題材の『永遠伝説』で、ギャラクシアに利用されたクイン・ベリルを助け出した上で自らの禁断の恋を告白して彼女を説得し(「女の論争」)、ギャラクシアに対して怒りを見せている。
- ^ 『Crystal』のシリーズディレクターを務める境宗久も、セーラープルートとキング・エンディミオンについて、オーディオコメンタリーで「語らぬ愛と言いながらもプルートはキングの前でわかりやすく顔と態度に恋愛感情を出している」「キングもきっとプルートの自分に対する気持ちに気づいているが、キングなので、そこは大人の対応をしている」「きっとプルートは時空の扉の前で、ずっとキングのことを考えているんでしょうね」と発言した。
- ^ 一部のイラストでは黒がかった緑、アニメなどではミッドナイトブルー(黒がかった青)に見えることがある。
- ^ 無人探査機「ニューホライズンズ」が冥王星に最接近したのは2015年7月14日。
- ^ 原作第二期Act18より「時間の行き来は残された最後の禁忌(タブー)。それを行うことも、それを知ることさえも、固く禁じられたことなのです」だとセーラープルートに述べられている。
- ^ テレビアニメ版では月野進悟や桜田春菜も演じた。
出典
- ^ 『美少女戦士セーラームーン 設定資料集』から。
- ^ 『美少女戦士セーラームーンS こんどはパズルでおしおきよ! 取扱説明書』第17頁より。
- ^ 『美少女戦士セーラームーンSuperS 真・主役争奪戦』ブックレット第27頁より。
- ^ 『美少女戦士セーラームーン 設定資料集』から。第四期以降の一部イラストでも確認することができる。
- ^ a b c 『なかよしメディアブックス&アニメアルバム44 美少女戦士セーラームーンS II』第31頁より。
- ^ 『なかよしメディアブックス&アニメアルバム44 美少女戦士セーラームーンS II』第38頁より。
- ^ 『なかよしメディアブックス&アニメアルバム27 映画 美少女戦士セーラームーンSuperS メモリアルアルバム』第49頁より。