冬サラミハンガリー語: téliszalámi [ˈte̝ːli ˌsɒlɑ̈ːmi] テーリサラーミ)は、ハンガリーで製造される、貴腐菌の白カビ[注 1] [1]付きサラミとして有名なハンガリーサラミの一種である。かつては冬の間に製造されていたためにこう名づけられた[注 2]。時代が進み需要が増えると共に一年中製造できるようになったが、一世紀以上経った今も尚その伝統の技術・製法は守り受け継がれている。香辛料にはハンガリー特産のパプリカが含まれており、冷薫されたのち、じっくりと熟成される。セゲドで生産されるセゲド冬サラミ(szegedi téliszalámi [ˈseɡɛdi ˈte̝ːli ˌsɒlɑ̈ːmi] セゲディ・テーリサラーミ)は、欧州連合原産地名称保護制度の対象となっている[3]。日本では英語風に ウィンターサラミ (英語: winter salami) という商品名で販売されている[注 3]。なお、冬サラミを愛好する日本人の間ではテーリサラーミというハンガリー語の呼称以外にもハンガリー語のサラーミを日本語のサラミに置き換えてテーリサラミと呼ぶ者も多い。

冬サラミの製造で最も成功をおさめているのは、セゲドに本社と工場を置くピック・セゲド社 (Pick Szeged (Zrt.) [ˈpikːk ˈseɡɛd (ˈze̝ː ɛrːte̝ː]) である。同社はハンガリーサラミの中で最も売り上げが高く、最も人気がある。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 主にアオカビ属 ( Penicillium)からなる10種類以上の貴腐菌。
  2. ^ 冬サラミの外側を覆っている白カビが雪のように見えるので冬サラミと呼ぶようになったと言うのは俗説で、ピック・セゲド社が明確に否定している[2]
  3. ^ 「冬サラミ」はこの製法によるサラミ一般の普通名詞、「ウィンターサラミ」は日本における商品名と理解しておくと区別がわかりやすい。

出典 編集

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