別冊文藝春秋
『別冊文藝春秋』(べっさつぶんげいしゅんじゅう、英: Bungeishunju extra)は、株式会社文藝春秋が発行している隔月刊の電子小説誌。奇数月8日発売。紙媒体の小説誌として長く展開したが、2015年6月号より電子小説誌『つんどく!』と合体して電子小説誌に移行した。
名称
編集『別冊文藝春秋』の「冊」の字は、紙媒体の小説誌として刊行されていた際は異体字「册」が用いられていたが[1]、電子小説誌移行後は「冊」の字が用いられている[2]。
沿革と概要
編集1946年(昭和21年)2月、同社発行の月刊誌『文藝春秋』の臨時増刊として刊行が開始される。同年12月に創刊された[3][4]。創刊当時の社名は文藝春秋新社で、1966年3月に現社名となっている。創刊以降は季刊であったが、2002年1月に隔月刊化された[5]。並列タイトル"Bungeishunju extra"が、2002年1月から表示されていたが、2013年5月からはなくなっている。判型はA5。雑誌コードは、07705[6]。
2013年4月26日、別册文藝春秋電子増刊『つんどく!』が創刊される。文藝春秋では初の電子小説誌となる。誌名の由来は、スマートフォンやタブレット、電子書籍端末を指で「つんつん」して読むことからとされる[7]。『別册文藝春秋』2015年3月号にて紙媒体での発行は終了し、2015年6月号より『つんどく!』と合体して電子版に完全移行した[8]。これに伴い、発売日がそれまでの偶数月8日から、奇数月8日に変更された[8]。
ミステリーやSF、時代小説など様々なジャンルの大衆小説を収録しており、月刊誌の『オール讀物』が読み切り小説が中心であるのに対し、本誌は連載小説の発表の場となっている。元編集長である豊田健次により「文藝春秋が直木賞をとらせたい作家のための媒体として確立」[要出典]しており、実際に本誌連載の後に単行本化されて直木賞に輝くケースが多い。
本誌掲載を経て直木賞を受賞した作品
編集- 城山三郎『総会屋錦城』(第40回直木賞)
- 水上勉『雁の寺』(第45回直木賞)
- 立原正秋『白い罌粟』(第55回直木賞)
- 五木寛之『蒼ざめた馬を見よ』(第56回直木賞)
- 野坂昭如『アメリカひじき』(第58回直木賞)
- 三好徹『聖少女』(第58回直木賞)
- 陳舜臣『青玉獅子香炉』(第60回直木賞)
- 渡辺淳一『光と影』(第63回直木賞)
- 井上ひさし『手鎖心中』(第67回直木賞)
- 色川武大『離婚』(第79回直木賞)
- 中村彰彦『二つの山河』(第111回直木賞)
- 藤田宜永『愛の領分』(第125回直木賞)
- 村山由佳『星々の舟』(第129回直木賞)
- 熊谷達也『邂逅の森』(第131回直木賞)
- 角田光代『対岸の彼女』(第132回直木賞)
- 三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』(第135回直木賞)
- 森絵都『風に舞いあがるビニールシート』(第135回直木賞)
- 桜庭一樹『私の男』(第138回直木賞)
- 中島京子『小さいおうち』(第143回直木賞)
- 道尾秀介『月と蟹』(第144回直木賞)
- 島本理生『ファーストラヴ』(第159回直木賞)
脚注
編集出典
編集- ^ “文藝春秋|雑誌|別册文藝春秋_1503”. 文藝春秋. 2015年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月15日閲覧。
- ^ “『別冊文藝春秋 電子版1号』 | 電子書籍”. 文藝春秋BOOKS. 文藝春秋. 2022年6月15日閲覧。
- ^ 文藝春秋|会社案内|会社概要・小史
- ^ 別冊文藝春秋 - 昭和21年12月に創刊された「別冊文藝春秋」
- ^ WebOPAC Local書誌詳細(2014年6月21日時点のアーカイブ)
- ^ 東京都北区立図書館 雑誌・新聞目録[リンク切れ]
- ^ 『4月26日 文藝春秋 初の電子小説誌『つんどく!』を創刊!』(プレスリリース)文藝春秋、2013年4月25日 。
- ^ a b “「別冊文藝春秋」6月号より全面電子化!”. 文藝春秋 (2015年2月10日). 2015年3月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧。
外部リンク
編集- WEB別冊文藝春秋
- 別冊文藝春秋編集部 (@bessatsubunshun) - X(旧Twitter)
- 別冊文藝春秋 (bessatsubunshun) - Facebook
- 文藝春秋|雑誌|別冊文藝春秋_2001 - ウェイバックマシン(2019年12月29日アーカイブ分)