別海駅

かつて日本の北海道別海町にあった北海道旅客鉄道標津線の駅

別海駅(べっかいえき)は、かつて北海道野付郡別海町(べつかいちょう)別海旭町に設置されていた、北海道旅客鉄道(JR北海道)標津線廃駅)である。電報略号ヘカ事務管理コードは▲111723[2]

別海駅
別海駅(1989年3月)
べっかい
Bekkai
平糸 (5.5 km)
(12.3 km) 奥行臼
所在地 北海道野付郡別海町別海旭町
北緯43度23分35秒 東経145度7分37秒 / 北緯43.39306度 東経145.12694度 / 43.39306; 145.12694
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 標津線(支線)
キロ程 23.7 km(中標津起点)
電報略号 ヘカ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1933年昭和8年)12月1日[1]
廃止年月日 1989年平成元年)4月30日[1]
備考 標津線廃線に伴い廃駅
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1977年の別海駅と周囲約500m範囲。上が中標津方面。駅舎が改築されたばかりの頃の写真。両方向に車両が見え、別海駅で行き違いが行われている状況が見て取れる。駅裏のストックヤードは殆んど使われていない。駅横の貨物積卸場付近から本線横の小道を2ブロック北上し、90°西へ曲がって道道243号上を中西別へ向かっていた殖民軌道西別線の痕跡は跡形も無い。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

歴史 編集

駅名の由来 編集

旧称である西別は旧地区名であり、現在の西別川のアイヌ語名「ヌウㇱペッ(nu-us-pet)」(豊漁の・川)に由来する[5][6][7][8]

その後1976年(昭和51年)の駅舎改築に際して、町名に合わせる形で改名されている[3]。この改名に際し、別海町は各種表記の修正や乗車券類の廃棄費用として、456,516円を負担している[3]

なお、駅名は「べかい」であるが、町名の公的な読みは「べかい」である。また「別海」の地名自体は本来、同町海岸沿いの本別海地区のアイヌ語名を発祥とするが、1934年(昭和9年)に村役場が西別に移ったことで地名も移動した[5][9]

駅構造 編集

貨物及び荷物取り扱い廃止までは、駅舎に接する単式ホームと島式ホームからなる国鉄型配線の2面3線を有する列車行き違い可能駅であった。このうち島式ホームの外側の線は副本線として主に貨物の留置き、あるいは構内東側からの貨物の積降用に使用された。駅舎は構内の西側(中標津方面に向かって左側)にあり、駅舎横の中標津側には貨物積降場が設けられ、中標津側から駅舎横まで貨物積降線が1本引き込まれていた。このため駅舎前のホームは厚床寄り、島式ホームは中標津寄りにずれて置かれ、駅舎側ホームの駅舎正面から島式ホームの厚床側端へ線路を横切る形で連絡通路があった。

貨物及び荷物取り扱い廃止後は副本線と貨物積降線が撤去され、廃駅となるまで相対式(※単式と島式の片面使用)ホーム2面2線を有する列車行き違い可能駅であった。

廃止時点での駅舎は1976年(昭和51年)に落成した鉄骨造平屋のものであった[3]。駅の近くには、この線が完成する以前の1929年(昭和4年)から1956年(昭和31年)まで、最盛期の1939年(昭和14年)から1949年(昭和24年)には別海町上春別の春日停車場を経て同線本線の西春別駅前(新西春別停車場)まで繋がる、殖民軌道西別線の停車場が置かれていた。

駅周辺 編集

現況 編集

 
別海町鉄道記念公園に保存される駅名標

隣の駅 編集

北海道旅客鉄道
標津線(支線)
平糸駅 - 別海駅 - 奥行臼駅

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h i 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、928頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、247頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362023年4月2日閲覧 
  3. ^ a b c d e f g 別海町百年史編さん委員会 編『別海町百年史 本編』別海町、1978年、1414-1415頁。doi:10.11501/9569942https://doi.org/10.11501/95699422023年4月14日閲覧 
  4. ^ 『鉄道建築ニュース』(1977年4月号・通号328)、鉄道建築協会 p. 31
  5. ^ a b 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日。ISBN 978-4-88323-114-0 
  6. ^ 本多 貢 (1995-01-25). 児玉 芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 70. ISBN 4893637606. OCLC 40491505. https://www.worldcat.org/oclc/40491505 2018年10月16日閲覧。 
  7. ^ 札幌鉄道局編 編『駅名の起源』北彊民族研究会、1939年、76頁。NDLJP:1029473 
  8. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、170頁。ASIN B000J9RBUY 
  9. ^ 本多 貢 (1995-01-25). 児玉 芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 82. ISBN 4893637606. OCLC 40491505. https://www.worldcat.org/oclc/40491505 2018年10月16日閲覧。 

関連項目 編集