別荘(べっそう、英語cottagevillaラテン語vīlla)とは、普段生活しているとは別に、比較的短期的な避暑避寒休養などの目的で気候風景のよい土地温泉地などに作られた一戸建ての家。

現代日本語の場合、集合住宅の形をとる別荘をリゾートマンションと呼ぶ。

目次

日本における別荘編集

日本では古くは別業(べつぎょう)とも呼ばれ、天皇貴族の邸宅をの郊外の風光明媚な地に別業(天皇の場合は離宮)を置く例があった。平安京京都)では、嵯峨白河鳥羽宇治周辺などが有名であった。そのほとんどは現在失われてしまったが、平等院大覚寺のように別業・離宮の一部に由来する寺院が存在している。

現在では軽井沢蓼科那須清里周辺などの別荘地が有名である。

バブル景気の際に、本来の利用目的ではなく、投資・投機目的をうたって各地で開発・分譲されたものの、バブル崩壊とともに売却されたり、放置されて廃屋となったりしている物件も見られる。

最近では、所有する別荘同士を交換し海外の高級別荘へのロングステイを楽しむ、といったホームエクスチェンジの様な新たな別荘活用法を模索する所有者も、増えてきている。

管理上次のような問題もある。

  • 長期間不在とするため、建物の管理上の問題が発生しやすい(例:風水害による窓ガラスや屋根の破損、凍結による水道管の破裂等)。
  • 一般の住宅同様、租税公課が課されるほか、住民票を置いていない所であっても、別荘を所在する市区町村から住民税の均等割も課税される。
  • 別荘利用者と自治体や地元一般住民と公共料金の負担を巡って対立するケースがある。別荘の使用が盛んなシーズンとそうでないシーズンの間には、水道などの社会資本の需要に大きな格差が生じるが、地元の自治体は必要な需要を賄うべく前者にあわせた規模の整備を行わなければならない。だが、それは地元の自治体に居住している人口規模に対して過剰にならざるを得ず、普段はそこまでの需要を必要としない地元一般住民の間には負担過重を訴えて過剰分を別荘利用者に転嫁すべきだと言う声もある。例えば、清里のある高根町(現・北杜市)では別荘利用者に対してのみ水道料金を1998年に3倍以上に引き上げている。
  • 昭和40年代の別荘ブームや昭和末期のバブル期の開発により、大規模販売がされたものの、分譲会社や管理会社が倒産・破産してしまい、住民が管理組合や自治会を設立して運営をしなくてはいけないケースも多い。また、水道も私営で尚且つ、無認可水道の場合もある。(例・株式会社大都破産による伊豆エメラルドタウン管理組合)。

ヨーロッパにおける別荘編集

ヨーロッパでは長期休暇や引退後の生活を別荘で送ることが多い。

イタリア編集

イタリア語には避暑のために郊外の別荘で過ごすvilleggiaturaという言葉がある[1]。もともとバカンスはごく限られた人の特権であったが、1930年代に有給休暇が導入されたため一般に広まった[1]

バカンスの過ごし方は多様で、自由に移動しながら旅行を楽しむ人もいれば、バカンス用賃貸マンションなどに滞在する人もおり、移動を好まない人は山や海沿いなどに邸宅を購入することもある[1]

有名な別荘及び別荘地編集

アジア編集

  アラブ首長国連邦編集

  アルメニア編集

  インド編集

  韓国編集

  • 青南台 - 韓国大統領専用の別荘地として使用されていた保養施設であったが、23年間の大統領別荘地としての青南台の歴史は終わり、市民公園に

  キプロス編集

  • キプロス - 別荘地としても有名で、それに伴って不動産投資も盛ん

  台湾編集

  • 澄清湖湖畔 - 高雄市の北郊にある人工湖で、かつて蒋介石らが住んだ別荘地
  • 陽明山 - 中腹は台湾別荘地として開発され、また週末には夜景を楽しむ観光客でにぎわう

  中国編集

  • 太陽島 - 初めはロシア人の別荘地、幾度かの造営の後、現在の姿になった
  • 廬山 - 中国でも最大規模の避暑地・別荘地がここに形成された
  • 松北区 - 区内に松花江中州がかつてロシア人の別荘地
  • 青島市八大関 - 1930年代に外国官僚、資本家用の別荘地として開発、現在でも当時の洋館が残っている
  • 北戴河区別荘地街 - 細かな砂からなる浜辺が戴河河口から東へ伸びる

  日本編集

北海道編集
東北地方編集
岩手県編集
  • 雫石町・コテージむら - ダムの移転地として予定されていたが、ダム移転の話が変更され、農地保有合理化事業を活用して「農業施設用地付き農地」の分譲地へと計画変更
  • 臨安別荘地 - 東日本レクリエーションセンター、春子谷地湿原、臨安別荘地など自然に恵まれており、国立岩手山青年の家も近い
宮城県編集
福島県編集
関東地方編集
栃木県編集
群馬県編集
千葉県編集
東京都編集
神奈川県編集
中部地方編集
新潟県編集
  • 苗場分譲地(白樺平別荘地)西武苗場ビラと共に開発された
山梨県編集
長野県編集
岐阜県編集
静岡県編集
愛知県編集
  • 八事 - 明治のころからは名古屋の保養地的地域となり、別荘地や遊園地が作られる
  • 新舞子旭町 - 現・名古屋鉄道)などによって観光地、別荘地として開発された。戦前には別荘地のほか、舞子園(遊園地)、新舞子楽園なども
  • 長浦駅 (愛知県)周辺 - 別荘地のほか海水浴場
近畿地方編集
三重県編集
滋賀県編集
  • 比叡平 - もとは高原別荘地として売り出されたが、立地条件などから次第に住宅地へ
京都府編集
大阪府編集
兵庫県編集
中国地方編集
広島県編集
山口県編集
四国地方編集
香川県編集
  • 挿頭丘駅 - 旧琴平電鉄が住宅・別荘地として開発した挿頭丘別荘地への最寄駅
九州地方編集
福岡県編集
  • 中間市 - 黒田藩の御茶屋跡は、小学校の裏手にある御座の瀬山にあった黒田藩の別荘地跡
長崎県編集
大分県編集
  • 湯布院 - 九州最大の別荘地。ことぶき別荘村、東急由布高原など。先発のことぶき別荘村が1967年より分譲を開始。以後福岡の富裕層が定着し、湯布院のブランド化に寄与している。
  • 用作公園 - 元岡藩の家老の別荘地の庭園を公園としたもの
鹿児島県編集
分類不明編集

  フィリピン編集

  • タガイタイ - お金持ちや芸能人の別荘地として知られる

  香港編集

  • ヴィクトリア・ピーク - 当初は富裕な西洋人と外国政府関係者だけの別荘地に、後には観光地となり現在に至っている

  マレーシア編集

ヨーロッパ編集

  イタリア編集

  スペイン編集

  ドイツ編集

  • ニーデルンベルク - 2005年に一般開放された水浴場「ホーニッシュビーチ」と別荘地がある

  フィンランド編集

  • イー - フィンランドの中では夏期の別荘地として知られている

  フランス編集

  ブルガリア編集

  ポーランド編集

  • オルシュティン - 夏場の一大観光地および別荘地として人気があり、ヨーロッパ各地から避暑客が訪れる

  リトアニア編集

  ロシア編集

米州編集

  アメリカ合衆国編集

  カナダ編集

  ハイチ編集

脚注編集

  1. ^ a b c 朝比奈佳尉、アンドレア・フィオレッティ 『日本人が知りたいイタリア人の当たり前』、2017年、33頁。

関連項目編集