労働者協同組合(ろうどうしゃきょうどうくみあい)とは、協同組合の一形態。そこで働く労働者自身が主として資金を持ち寄り、労働者自身によって所有・管理される協同組合である。「ワーカーズ・コレクティブ」、「ワーカーズ・コープ」、「協同労働の協同組合」とも。略称は「労協」、「ワーコレ」。

地域社会活性化の担い手としても期待されている。

定義編集

何を持って労働者協同組合としてみなすかについては、多くの定義がある。国際協同組合同盟(ICA,International Co-operative Alliance)の労働者協同組合委員会(CICOPA,the International Organisation of Industrial, Artisanal and Service Producers’ Cooperatives)では、「労働者協同組合に関する世界宣言(協同労働に関する世界宣言)」において、8ページの定義を与えている。これは2005年の9月のICAカルタヘナ総会によって承認された。

以下が、労働者協同組合の基本的な特徴のセクションである

  1. 持続的な仕事と経済成長を産み出しまたメンテナンスすることを目的とする。これは、労働者組合員の生活の質の向上、人間の労働の尊厳、労働者による民主的な自治、そして共同体と地域の発展の促進のためである。
  2. 自由でボランタリーな組合員のメンバーシップ。職場の存在によって、組合員の個人の仕事と経済的リソースに貢献するためであり、これが保たれる。
  3. 一般則として、仕事は組合員によりなされること。これは、任意の労働者組合企業体において、大部分の労働者は組合員である(逆もまた真)を導く。
  4. 組合員たちと組合との関係。普通の賃労働者(conventional wage-based labour)や個人事業主にとってのそれらの関係とは、違うと考えられること。
  5. 内部のレギュレーション。内部のレギュレーションは、労働者組合員によって受理され民主的に同意された体制によって、公式に定義される。
  6. 自治と独立。国家や第三者に先立ち、労働者の関係や管理・生産の成果の利用や管理において、自治・独立があること。

労働者協同組合はまた、ロッチデール原則と価値に従う。これは、協同組合の運営の核となる原則のセットである。

日本における労働者協同組合編集

日本における労働者協同組合は、当初は企業組合NPO法人などの形態をとっていた。しかしながら、これらの形態では設立手続きの煩雑さ[注釈 1]、手がける事業の制限[注釈 2]、働く人たちの法的な位置づけが不明瞭[注釈 3]、といった問題点があった。

こうした問題点を克服し、「労働者協同組合」という組織形態を法的に定義するために、超党派の議員連盟が労働者協同組合法案を第201回国会に提出[1]、継続審議の末、第203回国会において、衆参両院で全会一致で可決、成立した[2]。2022年(令和4年)10月1日に施行される。日本の労働者協同組合法では、メンバー全員が「出資」「経営」「働き手」の役割を担うこと[3]、働く人たちが「労働者」として明確に位置づけられていることが大きな特徴とされる。

日本の業界団体

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 企業組合では設立に都道府県知事認可が必要、NPO法人は都道府県知事の認証が必要であるとともに業種制約(後述)がある。かといって任意団体では対外的な信用に劣る。
  2. ^ NPO法人では、手がけることのできる事業が観光・福祉等の20分野に制限されている。
  3. ^ ワーカーズ・コレクティブの事案において、労働基準法が適用される「労働者」には該当しないと判断した裁判例があった(企業組合ワーカーズ・コレクティブ轍・東村山事件、東京地裁立川支判平成30年9月25日。最高裁で確定)。

出典編集

  1. ^ 議案審議経過情報衆議院
  2. ^ 議案審議経過情報衆議院
  3. ^ 読売新聞2021年12月6日朝刊社会保障面

関連項目編集

外部リンク編集