メインメニューを開く

動物の愛護及び管理に関する法律(どうぶつのあいごおよびかんりにかんするほうりつ、昭和48年10月1日法律第105号)は、動物の虐待等の防止について定めた法律である。略称は動物愛護管理法、一般では動物愛護法とする場合が有る。

動物の愛護及び管理に関する法律
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 動物愛護法、動物愛護管理法
法令番号 昭和48年法律第105号
種類 産業法
効力 現行法
主な内容 動物の虐待と不適切飼育の防止
関連法令 器物損壊罪ペットフード安全法鳥獣保護法種の保存法
条文リンク e-Gov法令検索
テンプレートを表示

概要編集

この法律が目的としているところは、動物虐待等の禁止により「生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資する」こと(動物愛護)、動物の管理指針を定め「動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止する」こと(動物管理)、となっている。

1973年議員立法で制定され、同じく議員立法で1999年、2005年、2013年の改正が行われた[1][2]。当初「動物の保護及び管理に関する法律」として制定されたが、1999年(平成11年)12月に実施(公布)された法改正により現行の法律名に改められると共に、動物取扱業規制や飼い主責任徹底などが新たに盛り込まれた[3][4]

2005年(平成17年)6月の改正[5]で、施行後5年を目安に検討することを定めた(平成17年法律第68号附則9条)。2013年の改正では、飼い主やペット業者の責任や義務が強化され、実物を見せないまま販売する事は禁止され、飼い主はペットが死ぬまで飼い続ける責務がある事などが盛り込まれた[6]

2019年に成立した改正では大幅な罰則強化などが行われ、犬や猫に所有者の情報を記録したマイクロチップ装着を義務付ける事、生後56日以内の犬や猫の販売禁止、殺傷した時の懲役を2年以下から5年以下へ罰金を200万円から500万円に拡大させた[7]。公布から3年以内に施行される。

構成編集

平成18年6月2日法律第50号による改正分。

  • 第一章 総則(1 - 4条)
  • 第二章 基本指針等(5・6条)
  • 第三章 動物の適正な取扱い
    • 第一節 総則(7 - 9条)
    • 第二節 動物取扱業の規制(10 - 24条)
    • 第三節 周辺の生活環境の保全に係る措置(25条)
    • 第四節 動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置(26 - 33条)
    • 第五節 動物愛護担当職員(34条)
  • 第四章 都道府県等の措置等(35 - 39条)
  • 第五章 雑則(40 - 43条)
  • 第六章 罰則(44 - 50条)

要旨編集

  • 動物の所有者又は占有者の責務等
  • 動物販売業者の責務・規制
  • 多数の動物の飼養又は保管に起因して周辺の生活環境が損なわれている事態として環境省令で定める事態に対する処置
  • 特定動物の飼養又は保管の許可
  • 動物愛護担当職員
  • 犬及び猫等の管理
  • 動物愛護推進員
愛護動物
特に牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと、あひるの11種については「人間社会に高度に順応した動物」という観点からであり、法律上の扱いでは「特定人物の占有下にあるか否か」は問われない。一方で、明らかに人が占有している動物であっても両生類以下の脊椎動物並びに無脊椎動物には本法の適用はされず、例えば飼育していた熱帯魚などを第三者により故意に殺傷されても器物損壊罪が成立しうるにとどまる。
特定動物
人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物として政令が定める動物である。特定動物の飼養または保管を行おうとする者は、設備やその他の基準(マイクロチップの埋込み・抗血清の準備等)を設け、飼養する動物の個体ごとに、飼養区域の都道府県知事の許可を受けなければならない。
外来生物法との関係
外来生物法における動物である特定外来生物の防除については、本法を尊重する形で、その殺処分はできる限りその動物に苦痛を与えない方法によりするものとし、また外来生物法に基づく飼養許可を受けた者に飼養を依頼する事がある。

2013年の改正法編集

2013年(平成25年)9月1日施行法の、主なポイントは下記[8][9]

終生飼養の徹底
  • 動物所有者の責務として、動物がその命を終えるまで適切に飼養することが明記
  • 動物取扱業者の責務に、販売が困難になった動物の終生飼養確保を明記
  • 都道府県等は、終生飼養に反する理由での引き取りを拒否できるように
動物取扱業者による適切な取り扱いの推進
  • 「動物取扱業」は「第一種動物取扱業」に改称
  • 第一種動物取扱業者(犬猫等)は、健康安全計画の策定、個体ごとの帳簿作成管理、毎年1回所有状況報告を義務付け
  • 第一種動物取扱業者(哺乳類鳥類爬虫類)は、購入者に現物確認と対面説明を義務付け
  • 幼齢(生後49日齢以内)の犬猫の販売制限
  • 一定数以上の動物を非営利(譲渡・展示等)で扱う飼育施設を有する者は、第二種動物取扱業者として、保健所等への届出の義務付け
罰則の強化
  • 愛護動物の殺傷 - 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金 → 2年以下の懲役又は200万円以下の罰金
  • 愛護動物の虐待・遺棄 - 50万円以下の罰金 → 100万円以下の罰金
  • 無登録で第一種動物取扱業を営んだ者 - 30万円以下の罰金 → 100万円以下の罰金

2019年成立の改正法編集

主な改正点は下記の通り[10]

マイクロチップ装着義務化
  • 犬や猫のブリーダーなど繁殖業者に装着を義務付け
  • 一般の飼い主は努力義務
動物虐待罪を厳罰化
  • ペットの殺傷に対する罰則 - 2年以下の懲役または200万円以下の罰金 → 5年以下の懲役または500万円以下の罰金
  • 生後56日齢以内犬猫の販売を禁止
  • 天然記念物に指定されている日本犬は、繁殖業者が一般の飼い主に直接販売する場合に限り、規制の対象外

脚注編集

[ヘルプ]
  1. ^ 野上ふさ子 (2011年5月). “動物愛護管理法:法制化に至る仕組み”. NPO法人地球生物会議 ALIVE. 2019年8月1日閲覧。
  2. ^ 動物愛護管理法 環境省自然管理局
  3. ^ 動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律”. 制定法律情報~第146回国会・制定法律の一覧. 衆議院 (1999年12月22日). 2018年5月4日閲覧。 “平成11年法律第221号”
  4. ^ 自然環境局総務課動物愛護管理室 (2014年3月). “動物の愛護及び管理に関する法律のあらまし(平成24年改正版) (PDF)”. 環境省. p. 2. 2018年5月4日閲覧。
  5. ^ 災害時における動物救護対策の必要性が、国の方針に盛り込まれることとなった(ペット避難所24時 - 読売新聞 2011年5月22日より)。
  6. ^ “改正動物愛護法が施行 身勝手な引き取りは拒否”. NHK. (2013年9月1日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130901/k10014191171000.html 2013年9月3日閲覧。 
  7. ^ 犬猫生後56日規制 歩み寄り…動物愛護法改正案の舞台裏”. 読売新聞 (2019年6月4日). 2019年8月1日閲覧。
  8. ^ 改姓動物愛護管理法の主なポイント (PDF) 環境庁
  9. ^ 動物愛護管理法が一部改正されました 埼玉県
  10. ^ “改正動物愛護法が成立 犬猫にチップ装着義務化”. 日本経済新聞. (2019年6月12日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45985390S9A610C1CR0000/ 2019年8月1日閲覧。 

関連項目編集

外部リンク編集