北松炭田
概要編集
北松炭田地域(旧北松浦郡)における採炭事業の歴史は、平戸藩時代に遡る。明治時代に入ってから、近代的設備を整えた炭坑が相次いで開かれ、大正時代には産出した石炭の運送を目的とした佐世保鉄道(のち国有化され国鉄松浦線、現松浦鉄道西九州線の一部)が建設されるなど、整備が進んだ。戦後間もない最盛期の1955年(昭和30年)には、操業中の炭坑98ヶ所、年間出炭量336万トン、従業員総数は約1万8千人を数えた。しかし、その後エネルギー革命の進行に伴う合理化の中で、中小の零細経営が多かったこともあり早期に閉山が急速に進み、1962年には産炭地域臨時措置法第6条の指定を受けた。その後、1973年(昭和48年)11月の本ヶ浦鉱(鹿町町)閉山を最後に、北松炭田地域の石炭採掘の歴史は幕を閉じた。
炭田の存在する地域編集
- 長崎県[1]
史跡・資料館編集
- 佐世保市世知原炭坑資料館(佐世保市世知原町栗迎83番地5)
- 旧松浦炭坑事務所(長崎県指定有形文化財)を利用して北松炭田や旧世知原線などに関する資料を展示している。
- 松浦市立福島歴史民俗資料館(松浦市福島町塩浜免2993番地88)
- 福島町内における採炭の歴史に関する資料を展示している。
参考文献等編集
- 東亜興鉱社出版部 編『九州及山口県主要炭鉱案内 』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- 『記憶は未来へ 旅をする ~炭鉱・国鉄松浦線とともに~』(DVD)
- 佐々町が町制施行70周年を記念し、「炭鉱」と「国鉄松浦線」をテーマとした映像作品を制作。2013年(平成25年)発売。[2]
脚注編集
- ^ 東亜興鉱社出版部 編『九州及山口県主要炭鉱案内』鑛區一覽(佐世保市:57頁-、北松浦郡:65頁-79頁)
- ^ 町制70年記念作品「記憶は未来へ 旅をする ~炭鉱・国鉄松浦線とともに~」を販売しています広報・広聴/長崎県佐々町(公式サイト)