医療事故調査

医療事故の原因を究明すること

医療事故調査(いりょうじこちょうさ、Medical accident investigation)とは、医療事故の原因を究明すること。これを実施する組織や機関は医療事故調査委員会(いりょうじこちょうさいいんかい)略して事故調(じこちょう)とも呼ばれる。

現在、社会問題となっている医療事故の再発防止を目的として、厚生労働省日本医師会法曹などを中心として、設置に向けた議論が進行している。また、医療事故発生時に各病院が内部に設置する委員会も同様の名称で呼ばれることがある。

医療法に基づく医療事故調査

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日本では2014年6月18日医療法改正により、医療機関の管理者は、「医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、速やかにその原因を明らかにするために必要な調査を行わなければならない」と規定されている(第6条の11)。

この調査が終了したならば、管理者は調査結果を遅滞なく医療事故調査・支援センターに報告しなければならない(第6条の11の4)。

対象となる医療事故

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制度の対象となる医療事故は、以下2点を満たすものである(第6条の10)。

  • 医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産
  • かつ、管理者が予期しなかったもの

たとえば医療の提供前に、患者本人または家族に対し死亡又は死産が予期されることを説明し、それをカルテ等に記載していた場合、または医療機関の管理者が説明があったことを認める場合、対象とはならない(施行規則第1条の10の2)。

医療事故調査の対象(厚生労働省 平成27年5月8日 医政発0508第1号)
対象となる 対象とならない
  • 診察
    • 徴候、症状に関連するもの
  • 検査等(経過観察を含む)
    • 検体検査に関連するもの
    • 生体検査に関連するもの
    • 診断穿刺・検体採取に関連するもの
    • 画像検査に関連するもの
  • 治療(経過観察を含む)
    • 投薬・注射(輸血含む)に関連するもの
    • リハビリテーションに関連するもの
    • 処置に関連するもの
    • 手術(分娩含む)に関連するもの
    • 麻酔に関連するもの
    • 放射線治療に関連するもの
    • 医療機器の使用に関連するもの
  • その他

以下のような事案については、管理者が医療に起因し、又は起因すると疑われるものと判断した場合

  • 療養に関連するもの
  • 転倒・転落に関連するもの
  • 誤嚥に関連するもの
  • 患者の隔離・身体的拘束/身体抑制に関連するもの

左記以外のもの。たとえば以下など。

  • 施設管理に関連するもの
    • 火災等に関連するもの
    • 地震や落雷等、天災によるもの
    • その他
  • 併発症(提供した医療に関連のない、偶発的に生じた疾患)
  • 原病の進行
  • 自殺(本人の意図によるもの)
  • その他
    • 院内で発生した殺人・傷害致死、等

調査手法

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病院等の管理者は、医療事故調査を行うに当たっては、以下の調査に関する事項について、当該医療事故調査を適切に行うために必要な範囲内で選択し、それらの事項に関し、当該医療事故の原因を明らかにするために、情報の収集及び整理を行うことにより行うものとする[1]

  • 診療録その他の診療に関する記録の確認
  • 当該医療従事者のヒアリング
  • その他の関係者からのヒアリング
  • 解剖又は死亡時画像診断(Ai)の実施
  • 医薬品、医療機器、設備等の確認
  • 血液、尿等の検査

医療事故調査・支援センター

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厚生労働大臣により、以下が指定されている(第6条の15)。

脚注

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  1. ^ 厚生労働省 平成27年5月8日 医政発0508第1号

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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