十勝・緑の地球博(とかちみどりのちきゅうはく)は、北海道帯広市の緑ヶ丘公園で開催された博覧会。

十勝・緑の地球博
イベントの種類 地方博覧会
通称・略称 みどりいむ’92
開催時期 1992年7月25日 - 8月23日
会場 帯広市緑ヶ丘公園
主催 帯広市、帯広商工会議所、十勝毎日新聞社
後援 北海道、農林水産省、北海道開発庁、科学技術庁、官公庁、国土庁ほか
来場者数 310,783人
最寄駅 根室本線帯広駅
直通バス
駐車場
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概要 編集

1992年の帯広市開基110年・市制施行60周年を20世紀最後の節目として21世紀に向け環境問題や豊かな街づくりの新たな視点を探ることを目的に、地球の過去を振り返り宇宙時代を展望しグローバルな哲学から地球発の緑の文化を提案する。緑と文化志向の21世紀を告げるイベントとして、「自然」「文化」「感動と交流」の3つのモチーフが織りなす「心のふれあい」を開催の基調とした。帯広市での地方博覧会開催は「北方圏農林博覧会」以来10年ぶりとなる。

パビリオン・施設 編集

  • テーマ館「緑の地球館」 - カナダアルバータ州から持ち込まれたティラノサウルストリケラトプスアルバートサウルスの骨格標本やティラノサウルス・スティラコサウルスの肉付標本を目玉にナウマンゾウエゾミカサリュウといった北海道内の化石などを合わせたロイヤル・ティレル古生物学博物館のフィリップ・カリー(en)博士監修による恐竜関連の展示を中心とし、「宇宙・近未来への冒険ゾーン」では哺乳類誕生から現代までの歴史の演出を経てスペースプレーンや火星開発等の宇宙開発の展望や空中立体都市計画の模型を取り上げる。8月4日から6日にはアポロ17号の持ち帰った月の石も特別展示された。
  • 緑の産業と暮らし館 - 自然と調和し健康で豊かな未来を築くための産業の行方を提案する。
    • 主催者展示 - 屋久杉や道内の巨木ブナエゾマツ、世界一小さなバラ、十勝農業の現状と将来、人工衛星から見た十勝、札内川ダム計画の紹介、ラジコントラクター・芝刈り機・ヘリコプターといった農業省力化技術、バイオテクノロジーなどを展示。
    • 王子製紙 - 「この身近な一枚から」をテーマに北海ポプラや牛の飼育の紹介、再生紙事情を紹介する緑の有効活用コーナー、手漉きハガキ実演を展開。
    • 土谷特殊農機 - オランダ・ネダップ社(en)が開発した乳牛個体識別コンピューターシステム「キャトルコード乳牛総合管理システム」を紹介。
    • 富士通「電脳最前線ハイパーステーション」 - FM TOWNSを用いたシューティングゲームや最新パソコンソフト体験会、占い企画を実施。
    • カルビーポテト - スポンジサイコロの出目で物語が左右されるプレゼントゲームを実施。
    • コニカ - 十勝の大自然の写真展やコニカリサイクルシステムを紹介。
    • キューアル - 「明日の健康を考えよう」をテーマに休憩所を兼ねて運動器具・健康器具・ホームサウナ・ヘルスチェッカーの体験コーナーを設置する。
    • 東部アルビ - 最新マッサージ機を展示実演し健康な暮らしの提案と休憩所開放を行う
    • 電源開発 - 「人とエネルギーの調和-地域とともに歩むでんぱつ」をテーマに十勝川水系の水力発電設備を中心とした事業概況紹介や人力発電機・パソコンクイズで電気事業への理解を深める。
    • NTT帯広支店 - NTT帯広東ビルの鉄塔に設置された望遠カメラを用いたテレビ望遠鏡、ハイキャプテン、カラー動画電話、デジタル公衆電話、オプトホン、ボイスチェンジャーといったNTTの開発したハイテクノロジーを楽しく紹介する。
    • 帯広松下電工 - 各種センサーによる仕掛けを組みこんだ「世界のおもしろ住宅写真展」を展開。
    • NEC「PCパラダイス」 - PCエンジンスーパーロムロムを用いたボンバーマンゲーム大会を展開するゲームコーナー、人気ゲームソフトを取り揃え楽しめるソフトライブラリーを展開。
    • 日本罐詰 - スイートコーン缶詰タワーをモニュメントにスイートコーンの種から出荷までの工程のビデオや空き缶潰し機の展示、空き缶蓋締め実演・貯金缶プレゼントを実施。
    • 北海道コカ・コーラボトリング - コロポックルと北海道の小動物が仲良く歌い踊る光景を表現した撮影スポット。
    • 大塚製薬 - 予防医学、個人健康管理などトータルヘルスケアを多面的に展示する。
    • よつ葉乳業「よつ葉ミルクルワールド」 - 牛乳の生産から消費者までをクイズを交え紹介し、プレゼントゲーム・アームレスリング大会・牛乳試飲会も開催する。
  • かちまいパビリオン「十勝の名木百選館」 - 十勝毎日新聞の環境保護キャンペーン「5万分の1の地球」で行われた公募企画「後世に残すべき十勝の名木」にて選ばれた十勝管内の優れた名木100本の写真展を休憩施設を兼ね展開する。
  • 観光バザール館 - 道内外の企業団体による物販スペース。
    • 出展:ベリョースカ新橋店、ワールドカンパニー、韓国伝統物産館、東部アルビ、共成レンテム、加商、いきがい観光センター(池田ワイン製菓)、岡女堂、帯広市農業協同組合、ノース・ドリーム、防カビ設備工業、コニカ札幌支店、北海道栄養士会十勝支部、ことぶき、コンコルド、イトーグループ、小売酒販組合青年部、根尾花園、十勝市町村展示館4館、芽室仕出し、いちまる、五日市精肉店、塩野谷商店、北海道コカ・コーラボトリング、ランチョエルパソ
  • おびひろハウス - カラマツ材を用い暮らしに柔らかな演出を提供するミニパビリオン。
  • 味の焼きものハウス・味のレストラン
    • 出展:百万石、五日市精肉店、から松のサトウ、帯広産業技術センター、中札内地場産業を進める会、中札内村ハスカップの会
  • サービスショップ
  • 遊園地「みどりいむらんど」
    • アトラクション:庭園列車、サファリーペット、メカロボ、メリーゴーランド、コーヒーカップ、ダックライト、SR-2、スーパーフロッグ、いもむしハント、ゲームコーナー、ファファ、立体映像「シー・ドリーム」、恐怖の館「13日の金曜日の館」
  • 世界のおもしろゴミ箱ランド - 世界各地のユニークなアイデアに溢れたゴミ箱を展示、各国の清潔な街づくりへの考え方やごみ問題への関心を抱かせる。
  • 日立グループ「日立ガーデン」 - 立体花壇を用い3次元的な彩りを展開する庭園。
  • イベント広場
  • ゲート - 緑ヶ丘公園野球場付近にメインゲート、帯広百年記念館付近にサブゲートを設置。
  • コミュニティFM実験局 - 帯広シティーケーブルからFM82.9MHzの周波数で帯広市内を放送エリアとして博覧会情報を発信する。
  • パソコン実況中継局 - 事務局内からパソコン通信を用いて博覧会情報、十勝管内の市町村情報、プレゼントクイズを発信する。つうけんが協賛。

主なイベント 編集

交通アクセス 編集

  • 北海道帯広南商業高等学校跡地・帯広駅南口前に駐車場を設置し会場までの無料シャトルバスを運行。
  • JR北海道が新得駅・池田駅・釧路駅・標茶駅・厚岸駅・札幌駅から帯広駅までの運賃・自由席特急料金・博覧会入場券をセットとした割引切符「みどりいむキップ」を販売。

参考文献 編集

  • 十勝・緑の地球博みどりいむ’92 Official Guide Book(みどりいむ’92実行委員会事務局)
  • 十勝毎日新聞縮刷版1992年7月・8月号