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十重禁戒(じゅうじゅうごんかい)とは、北伝の大乗仏教中国仏教日本仏教)において、『梵網経』の菩薩戒として伝えられてきた十種の重戒で、大乗僧侶と大乗の信者との兼用の戒めである。ただし、プロである僧侶と信者とでは、戒律の適用に際して多少の差異がある。 仮に、これら十種の重戒のどれか一つでも破ることになると、『大乗戒壇』による波羅夷罪に抵触し、この戒律に基づく出家僧侶は、全ての資格を失い資産を放棄させて[要出典]二度と僧侶となることはゆるされない。[要出典]

梵網経』に基づく大乗の菩薩戒とも呼ばれる「梵網戒」(円頓戒)では、この「十重禁戒」と、「四十八軽戒」から成る「十重禁四十八軽戒」が説かれる。日本では、真言宗系で十善戒が重んじられるが、十重禁戒は、天台宗系で重んじられ、浄土宗[1]曹洞宗[注 1]でも、守るべきとされている。宗派により、多少の差異がある。

内容編集

  1. 殺戒 - 生き物を殺さない
  2. 盗戒 - 正当に与えられていないものは取らない
  3. 婬戒 - 一切の性行為を行わない
  4. 妄語戒 - 嘘を言わない
  5. 酤酒戒 - 酒の売買をしない
  6. 説四衆過戒 - 他人の過ちをことさらに非難したり責め続けない
  7. 自讚毀他戒 - 自分を褒めて他を見下すことはしない
  8. 慳惜加毀戒 - もの惜しみをしない
  9. 瞋心不受悔戒 - 怒らず恨まない。
  10. 謗三宝戒 - 仏・法・三宝を馬鹿にして軽んじない
  • (在家信者の場合)邪婬戒 - 婬戒の代わりに、夫婦以外の者と不道徳な関係を持つなど、道徳に反する性行為をしない。[注 2]

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 修証義』第三章「受戒入位」
  2. ^ 不邪婬戒については『梵網経』の本文にはなく、それゆえ『梵網戒』(円頓戒)には含まれない。おそらく、在家の五戒によって補足されたものと考えられるが、本来の『梵網戒』は最澄大乗戒壇において得度のための出家としたように、または受戒者に対して女犯を禁止しているので、正式な『十重禁戒』ではない。

出典編集

  1. ^ 八木季生『人生をみがく よりよく生きるための授戒講和』(浄土宗出版、1999年)191頁以下、212頁

参考文献編集

関連項目編集