千種駅

愛知県名古屋市千種区にある東海旅客鉄道・名古屋市交通局の駅

千種駅(ちくさえき)は、愛知県名古屋市千種区内山三丁目および東区三丁目にある、東海旅客鉄道(JR東海)・名古屋市交通局名古屋市営地下鉄)のである。

千種駅
駅周辺(2022年6月)
ちくさ
Chikusa
地図
所在地 名古屋市千種区東区
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海・駅詳細
名古屋市交通局駅詳細
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JR東海の中央本線と、名古屋市営地下鉄の東山線が乗り入れ、接続駅となっている[1]。地下鉄の駅には「H12」、JRには「CF03」の駅番号が設定されている。

JRの運行形態の詳細は「中央線 (名古屋地区)」を参照。

JR東海

JR 千種駅
 
駅舎(2023年5月)
ちくさ
Chikusa
CF04 大曽根 (2.7 km)
(1.5 km) 鶴舞 CF02
所在地 名古屋市千種区内山三丁目24-8
北緯35度10分12.6秒 東経136度55分50.3秒 / 北緯35.170167度 東経136.930639度 / 35.170167; 136.930639座標: 北緯35度10分12.6秒 東経136度55分50.3秒 / 北緯35.170167度 東経136.930639度 / 35.170167; 136.930639
駅番号 CF  03 
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
所属路線 CF 中央本線名古屋地区
キロ程 389.8km(東京起点)
名古屋から7.1 km
電報略号 チク
駅構造 掘割駅[2]
ホーム 1面2線[2]
乗車人員
-統計年度-
22,752人/日(降車客含まず)
-2020年-
開業年月日 1900年明治33年)7月25日
備考 駅長配置駅管理駅
JR全線きっぷうりば
  名古屋市内
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歴史

駅構造

島式ホーム1面2線を有する掘割駅である[2]

大曽根方の掘割構造と鶴舞方の高架構造の狭間にあり、また、駅舎のある東側は地盤が一段高くなっていることから、地上駅といえども、半掘割構造ともいうべき構造になっている。駅舎からは跨線橋が平面で接続し、階段を降りればホームとなっている。駅舎とホームを連絡するエレベーターが名古屋寄り端に設置されている。また、ホーム直上を跨線橋(新千種橋)により幹線道路である錦通が通過している。

のりば

番線 路線 方向 行先
1 CF 中央本線 上り 名古屋方面
2 下り 多治見方面

(出典:JR東海:駅構内図

改札口は、地上の駅舎のほか、地下にもある。両方とも駅員が終日配置されている。地下改札口は、地下鉄東山線の改札口へとつながっており、朝夕を中心に地下鉄への乗り換え客で混雑する。ただし、地下改札口とホームの間にはエレベータはないため、地下鉄東山線から車椅子等での乗り換えには、地下改札の近くにあるエレベータで一度駅外へ出て、地上改札口から入る必要がある(JR→東山線乗り換えの場合は逆ルートとなる)。

駅長駅員配置駅(直営駅)である。管理駅として、大曽根駅新守山駅を管理している。

JRの特定都区市内制度における「名古屋市内」の駅である。「名古屋の東の玄関口」として扱われており、中央西線沿線や長野方面から名古屋一の繁華街であるに最も近い(栄駅へは地下鉄東山線で2駅)こともあり特急しなの」を含めた全旅客営業列車が停車する。

構内テナント

駅舎内に、東海キヨスクが運営するコンビニエンスストアベルマート」が入居している。JR東海の子会社である。

またホーム上には、名古屋名物のきしめんを販売する飲食店がある。

旧駅跡地

1961年昭和36年)9月に、地下鉄への連絡口の整備と貨物事業の新守山駅への移転のため、広小路通愛知県道60号名古屋長久手線)の千種橋の南側の旧駅から現在地の北側へ移転した。

旧駅跡地は長い間JRバス東名ハイウェイバスの車庫等として活用されていたが、その後ほとんど売却され再開発がすすみ、一部が保線機器留置用側線、設備の保守点検の教育場などとして使用されている。

名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄 千種駅
 
1番出入口(2009年8月)
ちくさ
Chikusa
H11 新栄町 (0.9 km)
(0.7 km) 今池 H13
所在地 名古屋市東区三丁目15-21
駅番号 H12
所属事業者 名古屋市交通局
名古屋市営地下鉄
所属路線 東山線
キロ程 11.0 km(高畑起点)
駅構造 地下駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
20,472人/日(降車客含まず)
-2020年-
乗降人員
-統計年度-
40,944[7]人/日
-2020年-
開業年月日 1960年昭和35年)6月15日[1]
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歴史

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する地下駅で可動式ホーム柵が設置されている。

駅施設は錦通の地下に位置する。改札はJR地下改札に近い東側と、新千種橋西交差点(錦通と市道赤萩町線の交点)に近い西側の2か所に設置されている。利用客が多くエレベーターが整備され駅長室があるのはJRの地下改札がある東側の改札である。なお西側の改札は終車まで利用可だが、ラッシュ時以外は駅員が不在となりインターフォンで呼び出すようになっている。JR地下改札内にエレベーターはないのでエレベーターのみで地下鉄とJRを乗り換える場合、一度地上に上がる必要がある。また、JR地下改札は地下鉄改札内に直接繋がっているわけではないので乗り換えの際には地下鉄改札も通らなければならない。

当駅は、東山線駅務区名古屋管区駅が管轄している。

現在は分岐器のない停留所であるが、2000年平成12年)までは新栄町側に非常用の片渡り線が存在した。

のりば

ホーム 路線 行先
1   東山線 藤が丘方面
2 高畑方面

(出典:名古屋市交通局:駅構内図

地下1階のコンコースには小規模な商店街があったが現在は通路としてのみ利用されており、地下2階がホームとなっている。コンコースにはセブン-イレブンとスターバックスがあり、後者は改札内からでも利用できる。

利用状況

年度別乗車人員(名古屋市統計年鑑より)
年度 JR乗車人員(人/日) 地下鉄乗車人員(人/日)
1999年(平成11年) 30,055 26,188
2000年(平成12年) 29,546 26,367
2001年(平成13年) 29,457 25,756
2002年(平成14年) 29,001 26,301
2003年(平成15年) 28,556 25,596
2004年(平成16年) 27,975 25,116
2005年(平成17年) 27,918 26,160
2006年(平成18年) 28,237 26,128
2007年(平成19年) 28,399 26,047
2008年(平成20年) 28,685 26,122
2009年(平成21年) 27,950 25,124
2010年(平成22年) 27,893 25,385
2011年(平成23年) 27,581 24,978
2012年(平成24年) 27,454 25,344
2013年(平成25年) 28,238 25,783
2014年(平成26年) 28,061 25,545
2015年(平成27年) 28,503 26,105
2016年(平成28年) 28,701 26,140
2017年(平成29年) 28,623 25,914
2018年(平成30年) 28,499 26,078
2019年(令和元年) 28,241 25,810
2019年(令和2年) 18,790
2020年(令和3年) 22,752 20,472

東山線の駅では22駅中6位(名古屋、栄、伏見、藤が丘、星ヶ丘に次ぐ)[9]。名古屋市営地下鉄全駅では87駅中8位(金山と矢場町が入る)。JRとの乗り換えもあり高水準を維持している。

乗換駅としての当駅は、主にJR線沿線の愛知県春日井市、岐阜県多治見市方面と名古屋市の地区および名古屋市東部の地下鉄東山線沿線地域を結びつける形となっている。

駅周辺

当駅は名古屋市の行政区3区(千種区・東区・中区)の境に位置する形となっている[注 1][10]。当駅からみて(当駅は2事業者の複合駅であるためJR・地下鉄両者の結節点付近を駅中心として記述すると)時計回りに駅北東部は千種区内山三丁目、南東部は千種区今池一丁目・二丁目、南西部は中区新栄三丁目、北西部は東区葵三丁目となる。なお、住所表記上の「千種区千種」地域は当駅のすぐ近辺にはなく、当駅から見て南方向、今池一丁目・二丁目・三丁目のさらに南側に位置する地域となる。

周辺には三大予備校の一角である河合塾本部を始めとして予備校、専門学校などが多くあり、学生相手の飲食店、書店などが集まる学生街となっている[2]。再開発により建てられたアクシオス千種や住友生命千種ニュータワービルなどの超高層ビルも見られる。また中高層のマンションが数多く建設されている一方で低層住宅が並ぶ地域も残るなど、商業地としての性格と住宅地としての性格を併せ持つ地域である。なお、当駅の少し北を東西に走る桜通には名古屋市営地下鉄桜通線 車道駅があり、当駅北側の地域については徒歩での最寄り駅が車道駅となることも多い(出発地・目的地による駅の使い分けも可能である)。

東隣の今池は名古屋の代表的繁華街歓楽街の一つ。

千種区

東区

 
住友生命千種ビル・ニュータワービル

中区

 
アクシオス千種

周辺道路

バス路線

最寄りのバス停は、千種駅前である。

路線バス

停留所名は「千種駅前」。名古屋市営バスの一般路線バスが運行されている。JR駅舎東側にバスターミナルがある。発着する系統は少ないが、個別に乗り場が割り当てられている。

名古屋市営地下鉄桜通線の開通前は今池から名古屋市道名古屋環状線(通称:環状線)を経由して新瑞橋・笠寺駅・鳴尾車庫方面へ向かう系統も存在した。

高速バス

ジェイアール東海バス(東海)、ジェイアールバス関東(関東)、ジェイアールバステック(BT)、京成バス(京成)の高速バスが運行されている(名古屋駅行・岐阜駅行は降車のみ取り扱い)。なお、高速バスの停留所は広小路通愛知県道60号名古屋長久手線)上にある。

東名ハイウェイバス

  • 超特急 スーパーライナー - 東名浜松北東名静岡東名御殿場東名江田方面 東京駅行(東海・関東・BT)※ 名古屋駅行は降車のみ。
  • 特急 東名ライナー - 東名浜松北・東名静岡・東名御殿場・東名江田方面 東京駅行(東海・関東・BT)※ 名古屋駅行は降車のみ。
  • 急行 - 東名浜松北・東名静岡方面 静岡駅行(東海)※ 名古屋駅行は降車のみ。

夜行便

隣の駅

東海旅客鉄道(JR東海)
CF 中央本線
快速・区間快速・普通
大曽根駅 (CF04) - 千種駅 (CF03) - 鶴舞駅 (CF02)
名古屋市営地下鉄
  東山線
新栄町駅 (H11) - 千種駅 (H12) - 今池駅 (H13)

かつて存在した路線

鉄道省
東海道本線貨物支線
熱田駅 - (古渡信号場) - 千種駅

脚注

注釈

  1. ^ 特に明治時代からの駅の流れを汲むJR千種駅については、ケヴィン・リンチ『都市のデザイン』でのイメージアビリティ5要素のうち「エッジ」の要素が強く出た立地と考えることができる。『Topic19 鉄道駅の利用者に対するわかりやすさ』都市のバリューを考える会 都市の価値を紡ぐ50のトピックス(日建設計総合研究所)の論による。

出典

  1. ^ a b c 土木学会日本土木史編集委員会 『日本土木史:昭和16年-昭和40年』 土木学会、1973年4月。
  2. ^ a b c d e f 『週刊 JR全駅・全車両基地』 04号 名古屋駅・古虎渓駅・美濃赤坂駅ほか77駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月2日、29頁。 
  3. ^ a b c d 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、23頁
  4. ^ “熱田 千種 両駅に予約装置 あすから営業開始”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1967年3月31日) 
  5. ^ 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 5号、27頁
  6. ^ “4駅でも使用開始 JR東海自動改札機導入進む”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1992年4月18日) 
  7. ^ 交通広告メディアガイド2021年版” (PDF). 名古屋市交通局. 2021年4月4日閲覧。
  8. ^ 千種駅リニューアル工事のお知らせ|名古屋市交通局”. www.kotsu.city.nagoya.jp. 2021年1月7日閲覧。
  9. ^ 『1.1.CCBY(表示)のデータ 駅別乗車人員(平成30年度1日当たり)』”. 名古屋市交通局. 2020年3月28日閲覧。
  10. ^ “Topic19 鉄道駅の利用者に対するわかりやすさ”. 都市のバリューを考える会 都市の価値を紡ぐ50のトピックス(日建設計総合研究所). (2010年2月15日). http://www.nikken-ri.com/valueup/column19.html 2012年4月10日閲覧。 
  11. ^ 歩道橋ネーミングライツパートナーについて(市政情報)”. 名古屋市 (2012年3月12日). 2012年4月7日閲覧。
  12. ^ author (2023年4月11日). “【千種ビル群】解体に向けた準備開始!跡地はタワーマンションや商業施設?”. なごや・あす・まちBLOG. 2023年6月25日閲覧。
  13. ^ 千種駅南地区市街地再開発事業(市政情報)”. 名古屋市 (2011年5月11日). 2012年4月10日閲覧。

参考文献

  • 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「中央本線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第5号、朝日新聞出版、2009年8月9日。 

関連項目

外部リンク