旧千葉家住宅(きゅうちばけじゅうたく)は岩手県遠野市にある歴史的建造物。

旧千葉家住宅

主屋(曲り家)地図
所在地 岩手県遠野市綾織町上綾織1地割14
位置 北緯39度20分26.89秒 東経141度26分30.43秒 / 北緯39.3408028度 東経141.4417861度 / 39.3408028; 141.4417861
類型 農家
形式・構造 曲り家、木造、茅葺
敷地面積 5599.63m2
延床面積 (主屋)540m2
建築年 江戸時代後期
文化財 国の重要文化財
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南側麓より見た屋敷構え
土蔵(手前)と主屋(奥)。傾斜地に石垣を築いて屋敷地を造成している様子がわかる。
石蔵(手前の小さい建物)と土蔵(奥)
主屋の東半分(居室部分)。一部に2階が設けられ、その部分は採光のために屋根を切り上げている

概要 編集

江戸時代南部地方特有の住居と馬屋を平面L字形に連結した農家建築「曲り家」を代表する建物として知られている。江戸時代後期に、斜面地に築かれた石垣上の平地にある面積540m2 の大型の住居で、25名の人と20頭の馬がこの一軒の家で生活していた。以前は住居として使われていたが、2013年6月より遠野市の管理となり、住人はいない。おり、敷地と建物の一部を公開している。付属建物や石垣などを含め、屋敷構えがよく残されており、2007年に建物と宅地が国の重要文化財に指定された。敷地の一部はNHK大河ドラマ花の乱」の撮影に使われ、当時のセットが保存されている。

文化財指定 編集

以下の建物と土地が重要文化財に指定されている。

  • 主屋 - 江戸時代後期。
  • 土蔵 - 明治45年(1912年)建立。主屋の西側に建つ。
  • 石蔵 - 大正時代。土蔵の北に接して建つ
  • 稲荷社(附:鳥居) - 嘉永2年(1849年)建立。屋敷地北西の小高い位置に建つ。
  • 大工小屋 - 江戸時代末期。主屋北東に建つ。
  • ハセ小屋(附指定) - 江戸時代末期。屋敷地の南西に建つ。
  • 土地 - 5599.63m2

主屋は茅葺で、寄棟造の居室部の手前に入母屋造の馬屋部分が突出し、全体としてはL字状の平面をなす。居室部は上手(東側)に南北2列、東西3室の計6室を設け、下手(西側)は台所と土間とする。上手の一部に2階(2室)を設ける。突出部はもとは馬屋であったが、展示室等に改造されている。

屋敷地は南向きの傾斜面に石垣を築いて整地している。付属建物等もよく残り、豪農の屋敷構えがよく保存されている。こうした点が評価され、2007年12月4日、国の重要文化財に指定された。2022年9月20日には宅地内の便所が追加指定されている[1]

利用情報 編集

  • 開館時間
    • 4月 - 10月 - 8:30 - 17:00
    • 11月 - 3月 - 9:00 - 16:00
  • 年中無休

建築概要 編集

  • 竣工 - 江戸時代後期(1800年頃)
  • 構造 - 木造、茅葺
  • 床面積 - 540m2
  • 所在地 - 〒028-0533 岩手県遠野市綾織町上綾織1地割14番地

交通アクセス 編集

  • 釜石線 遠野駅からバスで10分、「南部曲り家千葉家」下車 徒歩すぐ

参考文献 編集

  • 「新指定の文化財」『月刊文化財』531号、第一法規、2007

脚注 編集

  1. ^ 令和4年9月20日文部科学省告示第121号。

関連項目 編集

外部リンク 編集