千鳥町 (川崎市)

神奈川県川崎市川崎区の町名
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千鳥町(ちどりちょう)は、神奈川県川崎市川崎区町名1974年(昭和49年)2月15日住居表示が施行されている[1]郵便番号は210-0865。面積は2.07km2[2]、2012年6月30日時点での人口は4世帯6人であり、人口密度は3人/km2となっている[3]

千鳥町
—  町丁  —
化学工場が立ち並ぶ
Flag of Japan.svg 日本
都道府県 神奈川県
市町村 川崎市
川崎区
面積
 - 計 2.07km2 (0.8mi2)
人口 (2012年(平成24年)6月30日現在)
 - 計 6人
等時帯 JST (UTC+9)
郵便番号 210-0865 
市外局番 044

目次

地理編集

四方を運河に囲まれた埋立地であり、川崎港の中心地として港湾関連の施設が存在する[4]ほか、工場や東京電力川崎火力発電所などが所在する[5]

千鳥町は北端で千鳥運河を挟んで夜光に接し、東端では大師運河を挟んで浮島町に接する[5]。南端では京浜運河を挟んで東扇島に接し、西端では塩浜運河を挟んで水江町に接する[5]。これらの町域はすべて川崎区内であり、千鳥町は区境や市境には接していない。

歴史編集

当地はもともと海面であり、明治末期に新田開発が行われたこともあったが[5]、本格的に造成が行われ始めたのは1937年(昭和12年)からで、神奈川県京浜工業地帯の工業用地とするために始めた事業であった[4]太平洋戦争に突入し資材も不足していたが、横須賀海軍工廠の川崎分工場として使うため1943年(昭和18年)に売却され、その後も他工区を差し置いて工事が進んだが[6]、敗戦にともなって工事は中断した[5]

軍事施設であったため戦後はアメリカ軍が占拠していたが、復興に必要との判断から川崎市から払い下げの働きかけを行い[7]大蔵省と米軍の同意を取り付けて[7]およそ9600万円で[8]市へと払い下げられた。神奈川県が工事を始めた戦前の段階で漁業権はいったん決着していたが、工事中も暫定的に漁業を認めていたこともあり改めて交渉が行われ、1956年(昭和31年)に交渉が妥結し、その中で本格着工も翌1957年3月と決められた[9]

当初、市は工費の確保のために悪戦苦闘していたが[10]、横浜港もアメリカ軍が接収していたことから、戦後の混乱した情勢の中で食料リン鉱石の輸入用の港として運輸省が当地に着目していた[11]こともあり、ちょうど同時期に成立した港湾整備促進法による政府融資が受けられることとなり、本格着工に間に合わせることができた[10]

埋立地の計画段階では、西側半分を住宅地公園とする予定であったが、工業用地としての需要が殺到した結果、港湾施設や道路以外の用地をすべて工業地とすることとなり[12]、石油化学工場や、エネルギー源としての東京電力川崎火力発電所が進出企業に選ばれた[13]。土地の売上は51億円という額となったが、市全体が財政難にあって他事業にも転用され、港湾整備に使われたのはそのうち20億円にとどまった[14]

千鳥町と本土を結ぶために最初にかけられた橋は木造で、老朽化やキティ台風の襲来により自動車の通行も困難となっていた[15]。そのため、1949年(昭和24年)に専用線(のちの神奈川臨海鉄道千鳥線)の橋梁が架かった後には、専用線の運行がなかった昼間に角材を敷いて自動車を通すということも行われていた[15]。終戦後の混乱で資材の手配も困難な中、市内で架けられる予定があったものの放置されていた跨線橋の橋桁を転用して、1952年(昭和27年)に道路橋が開通した[16]

地名の由来編集

埋め立てる前は、当地が千鳥の群れる寄洲であったことから[5]

沿革編集

交通編集

鉄道編集

貨物線である神奈川臨海鉄道千鳥線が通り、千鳥町駅が所在する。

港湾編集

川崎港の埠頭があり、倉庫や税関検疫など関連する施設が所在する。

路線バス編集

川崎市交通局の路線バス(塩浜営業所管轄)が、川崎駅と当地を結ぶバスを運行している。

道路編集

施設編集

港湾施設編集

 
川崎港湾合同庁舎(手前)と横浜税関川崎税関支署(奥)。

工場編集

学区編集

公立の小中学校の校区は、千鳥町全域で、川崎市立四谷小学校[22]川崎市立南大師中学校[23]となっている。

脚注編集

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  1. ^ 区別町名一覧表(川崎区)”. 川崎市 (2012年4月6日). 2012年10月17日閲覧。
  2. ^ 町丁別面積(総務省統計局 統計GIS)Excelデータ) 川崎市、2010年(2012年10月17日閲覧)。
  3. ^ 町丁別世帯数・人口 (XLS)”. 川崎市 (2012年6月30日). 2012年10月17日閲覧。
  4. ^ a b 『川崎の町名』 日本地名研究所 編、川崎市、1995年、81頁。
  5. ^ a b c d e f g h i 『川崎地名辞典(上)』 日本地名研究所 編、川崎市、2004年、98-99頁。
  6. ^ 川崎港のあゆみ』、pp.55-56。
  7. ^ a b 川崎港のあゆみ』、p.81。
  8. ^ 川崎港のあゆみ』、p.82。
  9. ^ 川崎港のあゆみ』、pp.82-83。
  10. ^ a b 川崎港のあゆみ』、p.84。
  11. ^ 川崎港のあゆみ』、p.90。
  12. ^ 川崎港のあゆみ』、p.87。
  13. ^ 川崎港のあゆみ』、p.88。
  14. ^ 川崎港のあゆみ』、p.89。
  15. ^ a b 川崎港のあゆみ』、p.105。
  16. ^ 川崎港のあゆみ』、p.106。
  17. ^ 今尾恵介日本鉄道旅行地図帳 4号 関東2』 新潮社2008年、33頁。ISBN 978-4-10-790022-7
  18. ^ 川崎税関支署”. 横浜税関. 2012年2月7日閲覧。
  19. ^ 川崎海上保安署”. 川崎海上保安署. 2012年2月7日閲覧。
  20. ^ 植物防疫所/横浜植物防疫所”. 農林水産省. 2012年2月7日閲覧。
  21. ^ 川崎海事事務所”. 関東運輸局. 2012年2月7日閲覧。
  22. ^ 川崎区の小学校(町丁名順)”. 川崎市教育委員会 (2012年10月12日). 2012年10月17日閲覧。
  23. ^ 川崎区の中学校(町丁名順)”. 川崎市教育委員会 (2012年10月12日). 2012年10月17日閲覧。

参考文献編集

  • 『川崎港のあゆみ』 川崎市港湾局、1987年

外部リンク編集