南海フェリー

日本の和歌山県和歌山市に本社を置く海運会社。南海グループのひとつ
南海電気鉄道 > 南海フェリー

南海フェリー株式会社(なんかいフェリー、: Nankai Ferry Co., Ltd.)は、日本の海運会社である。

南海フェリー株式会社
Nankai Ferry Co.,Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
640-8404
和歌山県和歌山市湊2835番1
設立 1975年昭和50年)8月20日
業種 海運業
法人番号 2170001002464 ウィキデータを編集
事業内容 一般旅客定期航路事業
代表者 代表取締役社長 小林 敏二
資本金 1億円
従業員数 80名
主要株主 南海電気鉄道 100%
主要子会社 南海フェリー商事
外部リンク https://nankai-ferry.co.jp/
特記事項:データは2019年7月1日現在。
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徳島港に停泊中の「フェリーあい」(2020年7月)
和歌山港駅から見た港。右から左に向かって連絡橋が伸びている。
和歌山港駅から見た港。右から左に向かって連絡橋が伸びている。写真には写っていないが、手前の道路もまたいで駅に直結している。
徳島港ターミナル

紀伊水道和歌山市徳島市を結ぶフェリーを運航している。 本社所在地は和歌山県和歌山市湊2835番地の1。南海電気鉄道の100%子会社であり南海グループに属している。

概要 編集

和歌山港側のみ鉄道路線(南海和歌山港線)と連絡している。かつては徳島側の発着港であった小松島港でも国鉄小松島線と連絡しており、本州側の南海線と四国側の国鉄線をつなぐ鉄道連絡船として機能していた。また、1998年明石海峡大橋開通により、関西と四国間の移動が和歌山県経由主体から兵庫県経由主体に移行するまでの長年にわたり、南海フェリーと南海による徳島 - 和歌山 - 大阪難波間の連絡は「南海四国ライン」と呼ばれ、徳島と大阪、さらには大阪府以東における本州の各都市間の主要なルートの一つだった。

四国側の連絡路線である国鉄小松島線が1985年3月に廃止され、また周辺の交通環境が大幅に変わった近年でも、フェリー乗り場と事実上一体化した和歌山港駅の構造が残され活用されているほか、南海の鉄道線と連絡運輸が実施されている。また、南海和歌山港線の列車がフェリーの接続を考慮したダイヤになっているなど、明石海峡大橋開通後も和歌山県経由で四国入りする旅客の便を考慮しており鉄道との結びつきが強い[1]1995年1月に発生した阪神・淡路大震災山陽新幹線山陽本線が長期不通となった時は、四国内の交通とあわせて四国の他地域と関西以東を結ぶ迂回ルートの一つにもなった。

明石海峡大橋の開通以降は、同橋経由の高速バスには便数や所要時間の面で対抗しきれていないが、神戸淡路鳴門自動車道経由では高額な通行料金が必要となる大型トラックや自家用車のほか、四国から関西国際空港へ向かう利用者に焦点をあてた利用客の増加に努めている。他にも各種割引制度の導入やスピードアップのほか、南海本線と和歌山港線の直通列車を運転するなど、グループを挙げて可能な限りの対策がとられている。なお、同じ南海グループのバス会社(南海バス徳島バス四国交通)も徳島県内各地と大阪市内や関西空港を結ぶ高速バスを運行している。

2007年2月に南海淡路ライン(泉佐野港 - 津名港間)が廃止された事に伴い、南海グループでは唯一の航路となった。

歴史 編集

南海フェリーの前身である南海汽船時代も含めて歴史をまとめる。

  • 1935年昭和10年)- 紀淡連絡汽船株式会社設立[2]
    • 加太 - 由良 - 洲本航路を運航。
  • 1947年(昭和22年)- 南海電気鉄道の関連会社となる[2]
    • 加太 - 友ヶ島航路の運航を開始。
  • 1951年昭和26年)3月16日 - 社名を南海観光汽船株式会社に変更する。
    • 深日 - 小松島航路から関西汽船が撤退するにあたり、運航を引き継いだ[3]
  • 1956年(昭和31年)
    • 5月6日 - 和歌山 - 小松島航路開設。同時に深日 - 小松島航路は廃止[3]
    • 11月 - 南海汽船株式会社に社名を変更する。
  • 1958年(昭和33年)1月26日 - 南海丸遭難事故が発生し、旅客139名・乗組員28名全員が死亡もしくは行方不明となる。
  • 1962年(昭和37年)4月7日 - 水中翼船「つばさ丸」による大阪 - 神戸 - 和歌山 - 白浜航路開設[4]
  • 1964年(昭和39年)12月25日 - 和歌山 - 小松島航路にフェリー「きい丸」が就航、自動車航送を開始する[3]
  • 1969年(昭和44年)- 和歌山 - 小松島航路にフェリー「なると丸」が就航[5]
  • 1971年(昭和46年)6月1日 - 南汽観光株式会社設立[6]。加太 - 友ヶ島航路を移管。
  • 1973年(昭和48年)5月1日 - 和歌山 - 小松島航路に「フェリーわか丸」が就航、全便フェリー化[3]
  • 1975年(昭和50年)
    • 8月20日 - 南海フェリー株式会社を設立する。
    • 12月 - 和歌山 - 小松島航路の運営が南海汽船から南海フェリーに譲渡される。
  • 1983年(昭和58年)7月18日 - 和歌山 - 小松島航路に高速船航路を新設する。
  • 1985年(昭和60年)
  • 1986年(昭和61年)7月 - 和歌山 - 小松島航路に「フェリーたちばな」が就航する。
  • 1989年平成元年)3月 - 和歌山 - 小松島航路に「フェリーくまの」が就航する。
  • 1991年(平成3年)12月 - 和歌山 - 小松島航路に「フェリーよしの」が就航する。
  • 1992年(平成4年)12月 - 和歌山 - 徳島航路に高速船「あるご」が就航する。
  • 1997年(平成9年)7月 - 和歌山 - 小松島航路に「フェリーつるぎ」が就航する。
  • 1998年(平成10年)4月5日 - 明石海峡大橋が開通。この影響で利用客が大幅に減少する。
  • 1999年(平成11年)
    • 4月 - フェリー航路を和歌山 - 徳島間に移設するとともに、りんくうフェリー(泉佐野 - 徳島)の運航開始に伴い減便する。
    • 10月 - 新造船「フェリーかつらぎ」が就航するとともに、りんくうフェリーが航路休止(後に廃止)となったため便数が12往復に戻る。
  • 2002年(平成14年)2月1日 - 利用客の減少に伴い、高速船事業を廃止。以降は和歌山 - 徳島間のフェリー航路のみとなる。
  • 2006年(平成18年)10月 - 燃料高騰に伴い減便し、一日12往復のうち夜間2往復は繁忙期のみ運航となる。
  • 2007年(平成19年)4月 - 燃料高騰及び利用者の減少に伴い減便し、平日9往復・休日8往復(多客期は9往復)の運航となる。同時に「フェリーくまの」が運用から離脱・退役し、「フェリーかつらぎ」「フェリーつるぎ」による2隻での運航となる。
  • 2008年(平成20年)12月1日 - さらなる燃料高騰に伴い、上下第1便を通年運休[8]とする。また、年末年始の一部便を休航とする事が発表される[9]。なお、年末年始の運航についてはその後、各年ごとに需要を考慮しての判断に変更されている[10]
  • 2019年(平成31年)2月1日 - 燃料油価格変動調整金制度を導入する[11]
  • 2019年令和元年)12月15日 - 新造船「フェリーあい」が就航するとともに、「フェリーつるぎ」が引退する。
  • 2020年(令和2年)
  • 2021年(令和3年)
  • 2022年(令和4年)
    • 3月25日 - 航路に於ける日本初のVisaカードタッチ決済乗り継ぎが開始される[19]
  • 2023年(令和5年)
    • 10月1日 - 旅客運賃および特殊手荷物運賃が値上げされる[20]。好きっぷについても同日から値上げとなる[21]

航路 編集

就航中の航路 編集

  • 南海四国ライン
    • 区間:和歌山港 - 徳島港(フェリーターミナル)
    • 所要時間:約2時間(便によって2時間5分 - 2時間20分)
    • 便数:実質8往復[22]終夜運航
      • 和歌山港発の下り2便(2時40分発)・3便(5時30分発)と、徳島港発の上り9便(21時50分発)の1.5往復を除く全便が和歌山港駅発着の南海電車と接続している。
      • フェリー(貨客船)にて運航している。

過去に就航していた航路 編集

すべて旅客船航路である。

  • 南海徳島シャトルライン
高速船にて運航。1983年8月に運航開始したが、1985年3月の国鉄小松島線廃止を受け、同年11月に徳島港発着に変更された。以降はスピードアップと増便を重ね(最盛期には9往復となった)、一時期には年間30万人を超える乗船者を記録[要出典]していた。しかし、1998年4月5日明石海峡大橋が開通すると同時に徳島 - 大阪間の高速バスが兵庫県経由で開業した事から、和歌山県経由で四国を往復する利用客が減少し、5往復に減便や運賃割引などの対策を実施したが状況は改善できず、2002年1月31日の運航を最後に廃止された[23]
  • 深日 - 小松島
1948年関西汽船が開設した船車連絡航路で、同社の撤退後、南海観光汽船が一日1往復を運航。当時の難波 - 小松島間の所要時間は5時間15分を要した。和歌山航路の開設で廃止された[3]
  • 加太 - 由良 - 洲本
  • 深日 - 由良 - 洲本[24]
紀淡連絡汽船以来の航路。
1964年8月の時点で、深日 - 洲本間、深日 - 由良間に各一日1往復が運航されていた[25]
  • (深日 - )加太 - 友ヶ島
戦後開放された友ヶ島への観光航路。
1964年8月の時点で一日8往復が運航されていた[25]。のちに南汽観光に移管。2023年現在は加太 - 友ヶ島を友ヶ島汽船が季節運航。
  • 大阪 - 神戸 - 和歌山 - 白浜
1960年に日立造船が試験用に輸入したイタリア製の水中翼船を使用[4]し、1962年に国内初の水中翼船航路として開設。1964年の時点で阪神 - 白浜間、和歌山 - 白浜間に各一日1往復が運航されていた[25]

船舶 編集

[26]

就航中の船舶 編集

いずれも貨客船(フェリー)。船内には普通船室の他にグリーン席(リクライニングシート)が設けられている。また、ドライバー室も設置されている。

1998年6月竣工、1999年10月就航、2005年改造。2,571総トン、全長108.00m、幅17.50m、出力5,400ps×2基、航海速力18.7ノット(最大21.6ノット)。
旅客定員450名。車両積載数:大型トラック26台(乗用車換算156台)。臼杵造船所(臼杵)建造。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共有。
 
フェリーあい
2019年12月3日竣工、12月15日就航[27][28]
2,825総トン、全長108.00m、幅17.50m、出力4,600ps×2基、航海速力21.46ノット。
旅客定員427名。車両積載数:8トントラック換算37台。サノヤス造船水島造船所建造[29]
※2017年6月、サノヤス造船に2,800総トン型のフェリーを発注[30]。2018年秋より建造を開始し同社としては約20年ぶりのフェリー建造再開となった。

過去に就航していた船舶 編集

旅客船 編集

  • 南海丸 → なると丸[31]
1956年4月30日竣工、日立造船向島工場建造。
495総トン、全長51.0m、型幅8.1m、型深さ3.6m、ディーゼル1基、機関出力1,040ps、航海速力13.5ノット。
旅客定員470名(特二等52名、二等62名、三等356名)。
1958年1月26日、淡路島南方沖で時化により沈没、乗客乗員全員が犠牲となる大惨事(南海丸遭難事故)になった。
引き揚げ修復後、「なると丸」に改名。1964年宇和島運輸に売船、「わかくさ丸」と改名。
1957年4月20日竣工、日立造船向島工場建造。
506.74総トン、全長47.49m、幅8.10m、深さ3.60m、ディーゼル1基、機関出力1,040ps、航海速力13.50ノット。
旅客定員528名
1973年、フィリピンに売船。
1948年8月18日竣工、1959年6月5日就航、川崎重工業泉州工場建造。
1,207.48総トン、全長61.15m、幅10.30m、深さ5.00m、航海速力13.50ノット。
旅客定員1,020名。
もと川崎汽船建造、関西汽船(用船)、宇和島運輸を経て日海運輸より買船。
1973年、フェリー化に伴い引退、フィリピンに売船、"Green Leaves"と改名。
1963年3月5日竣工、日立造船桜島工場建造。
1,241総トン、全長64.1m、型幅10.8m、型深さ4.6m、ディーゼル2基、機関出力2,080ps、航海速力14.7ノット。
旅客定員716名、船底部にアンチローリングタンクを装備。
1974年フィリピン"Aboitiz Shipping"に売船、"Juan"と改名、1981年7月マニラ湾で火災事故を起こし全損。

フェリー 編集

 
徳島港を出港する「フェリーつるぎ」(2005年9月)
1964年12月竣工、同25日就航、日立造船桜島工場建造。フェリー化第一船。1986年7月引退。
1,619.36総トン、全長73.87m、型幅12.70m、型深さ5.10m、ディーゼル4基、機関出力3,320ps、航海速力14ノット。
旅客定員720名、大型バス10台。
1969年12月竣工、同月10日就航、田熊造船建造。1989年3月引退。
1,619.12総トン、全長77.32m、型幅12.70m、型深さ9.70m、ディーゼル4基、機関出力5,800ps、航海速力16.5ノット。
旅客定員720名、大型バス10台。
  • フェリーわか丸[34]
1973年4月竣工、同年5月1日就航、内海造船田熊工場建造。船舶整備公団共有船。1991年12月引退。
1,651.98総トン、全長77.67m、型幅12.70m、型深さ9.75m、ディーゼル4基、機関出力6,400ps、航海速力16.7ノット。
旅客定員720名、大型バス16台。
1986年7月竣工、同30日就航、新浜造船所建造。きい丸の代船。船舶整備公団共有船。1997年7月引退、大阪湾フェリーに転配。
1,412総トン、全長80.10m、型幅13.50m、型深さ10.10m、ディーゼル2基、機関出力6,000ps、航海速力16.70ノット。
旅客定員520名、トラック16~17台。
1989年3月竣工、同23日就航、新浜造船所(阿南)建造。なると丸の代船。2007年4月引退。
2,137総トン、全長92.95m、型幅16.00m、型深さ10.20m、ディーゼル2基、機関出力9,000ps、航海速力18.5ノット(最大20.5ノット)。
旅客定員430名。車両積載数:トラック12台・乗用車24台・バス4台。
引退後、フィリピンのセブフェリーに売却され改造、CEBU FERRY 1として就航。企業グループ再編により、2012年に船名をST.AUGUSTINE OF HIPPOと変更、現在は2GOで運航されている。
  • フェリーよしの
1991年12月24日就航、1999年10月引退。2,185総トン、全長94.30m、幅16.0m、出力9,000ps、航海速力18.5ノット(最大20.6ノット)。
旅客定員430名。車両積載数:トラック12台・乗用車24台・バス4台。新浜造船所(阿南)建造。
フェリーわか丸の代船。2000年にインドネシアの国営船舶会社ペルニへ売却されEGONとして運航している。
1996年11月竣工、1997年7月就航、2005年改造。2,604総トン、全長108.00m、幅17.50m、出力5,400ps×2基、航海速力18.7ノット(最大21.6ノット)。
旅客定員450名。車両積載数:大型トラック26台(乗用車換算156台)。臼杵造船所(臼杵)建造。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共有。
フェリーあい就航に伴い、2019年12月15日引退[36]。フェリーたちばなの代船。

高速船 編集

  • マリンホーク
1983年7月18日就航、1992年12月引退。283総トン、全長40.90m、幅10.80m、出力2,540ps×2基、航海速力28.5ノット(最大31.15ノット)。
旅客定員280名。三井造船(玉野)建造。三井スーパーマランCP30。
  • あるご
1992年12月25日就航、2002年1月31日引退。294総トン、全長43.00m、幅10.80m、出力3,600ps×2基、航海速力35.3ノット(最大39.3ノット)。
旅客定員300名。三井造船(玉野)建造。三井スーパーマランCP30MkIII。
マリンホークの代船。のち台湾に売却され、台東 - 緑島で「綠島之星二號」という船名で就航している。

運賃 編集

2023年10月1日現在。詳細は公式サイトを参照。

旅客[37]
  • 大人:片道2,500円(小児半額)
    • 往復の場合、復路運賃が0.5割引(期限は往路乗船日より14日間、但し南海電鉄との連絡券は4日間)。[38]
    • グリーン券:500円(繁忙期は1,000円。小児半額)
特殊手荷物(燃油調整金別途必要)[39]
  • 自動二輪:3,400円(排気量125cc超または定格出力1.0kw超)
  • 原動機付自転車:2,200円(排気量125cc以下または定格出力1.0kw以下)
  • 軽車両(自転車など):1,600円
    • なお、特殊手荷物と共に乗船しようとする場合、旅客部分の往復割引を除き一切の特典・割引制度(後述の社会実験を含む)が利用できない。また、予約を行っていない他、自動車が優先となっており、満車となった場合は乗船できない[要出典]
自動車(燃油調整金別途必要)[40]

長さ (m) を基準とした体系となっており、運転者1名の旅客運賃を含む。

  • 7,600円(3m未満)から1m単位で増額。
    • 往路の乗船券控えを提示した場合、同乗者を含め復路運賃が0.5割引(期限は往路乗船日より14日間)。

主な特典・割引制度 編集

回数券・企画乗車券など
  • 乗用車ミニ回数券 - 自動車で利用する旅客向けに発行。4回分の料金で5回利用できる。購入日を含めて4か月間有効。
  • 好きっぷ - 南海電鉄全駅への乗車券とのセット券。航路の無割引旅客運賃と同額で片道のみ発売。南海電鉄側でも同一条件の企画乗車券を発売している(名称など詳細は当該項目を参照)。
  • ポルトヨーロッパ利用者向けのセット券。
  • 高野山参拝者向けなどのセット券 - 和歌山港からのタクシー又はバス利用券がセットになっている。
割引制度
割引を指定している学校の学生・生徒向けに適用。学校学生生徒旅客運賃割引証を提示する事で旅客運賃が2割引になる。また、南海線と組み合わせた乗車券を購入する場合、もしくはフェリーと鉄道の営業キロの合計が101km以上の場合は、鉄道旅客運賃も2割引になる。
  • JAFと提携した割引 - 自動車で利用する旅客向けに適用。会員証の提示で0.5割引(対象外の期間あり)。[41]
  • 一部のコンビニエンスストアでは、旅客のみ・自動車それぞれの乗船券を販売している。[42]

近年廃止された優待制度・提携割引等 編集

  • フェリーポイントカード
徒歩で利用する旅客向けに発行。1回の乗船ごとにスタンプが1個押印され、1枚の台紙にスタンプ6個を集めると片道無料乗船券1枚と交換できた。ただし、各種割引乗船券(往復割引を除く)や徒歩以外での乗船(特殊手荷物や自動車を一緒に載せる場合)は対象外となっていた。[43]
  • NASL(ナッスル)カード
自動車で利用する旅客向けに発行。利用金額に応じたポイントを貯める事により運賃に充当できる他、関西や四国各地の施設入場料が割引になる特典もあった。2011年(平成23年)11月末日をもってポイント付与を終了、翌年9月末日をもってすべてのサービスを終了した。[44]
徒歩で利用する旅客向けに適用され、同券を提示し付属の優待券を提出する事で乗船料金が2割引になっていた。2016年12月限りで発売・利用共に終了。
南海および近鉄名鉄グループの鉄道・バス・船などが乗り放題(一部例外あり)の企画乗車券「ワイド3・3・SUNフリーきっぷ」が当航路も使用可能であり、徳島市から愛知県豊橋市まで乗り継ぐ事が可能であった。2006年3月末限りで発売終了。
  • 他の航路と提携した割引[45]
    • ジャンボフェリー - 自動車で利用する旅客向けに適用された。それぞれの乗船半券(1か月以内)を提示した場合は1割引、四国遍路の納経帳を合わせて提示した場合は2割引となっていた。2023年3月31日限りで終了。
    • 宇和島運輸 - 自動車で利用する旅客向けに適用された。それぞれの乗船半券(1か月以内)及び四国遍路の納経帳を合わせて提示した場合は2割引となっていた。2023年3月31日限りで終了。

乗車船券の販売状況 編集

南海電鉄主要駅の自動券売機では、鉄道(発駅 - 和歌山港駅)とフェリーを組み合わせた乗車船券を発売している(スルッとKANSAIに対応していた駅ではカードでの購入も可能)。また、徳島港の窓口ではフェリーと鉄道(和歌山港駅 - 南海線各駅)を組み合わせた乗車船券が販売されている。但し、自動券売機では南海本線・高野線(汐見橋線区間を除く)・空港線の乗車券のみ購入できる(各支線及び泉北高速鉄道線・水間鉄道線への連絡乗車券は窓口での販売)[46]

社会実験 編集

2009年7月18日から8月31日まで、和歌山県と徳島県及び南海フェリーがそれぞれ1億円ずつを負担し、高速道路におけるいわゆる「1,000円高速」などの料金割引に対抗した運賃割引の社会実験を行った。この実験では、条件を満たした乗用車について自動車航送運賃(運転者1名の旅客運賃を含む)を1,000円としていた[47]。その後、この結果を踏まえた割引を同年9月1日から翌2010年3月31日までの土曜・日曜・祝日及び年末年始にも行った[48]

割引にあたっての主な条件としては、6m未満の軽自動車又は普通車である事や、和歌山・徳島いずれかのナンバーであること、または他の都道府県ナンバー装着車で和歌山か徳島のいずれかの県内にて宿泊したことを証明するものを持参することとしていた[49]

港への交通 編集

 
南海フェリー本社(和歌山港駅ホームより)
 
和歌山港の乗り場
 
徳島港の乗り場

和歌山港 編集

徳島港 編集

オリジナルグッズ 編集

  • テーマソングCD『海のむこうに -小さな旅立ち-』 - 同社の取締役営業部長が作詞し、宝子(シンガーソングライター、和歌山出身)が作曲と歌を担当。楽曲は船内放送で使用されているがCDは絶版。
  • キーホルダー
  • マグネット
  • ペーパークラフト
  • ジグソーパズル

キャラクター 編集

2011年1月、「和歌山徳島航路活性化協議会」が企画し、和歌山市在住のもえぎ若菜がデザインした、和歌山県生まれで和歌山県育ちの女子高生という設定のキャラクター「高野 きらら」(たかのきらら)[51]が、翌2月には和歌山県生まれで徳島県育ちの女子高生という設定のキャラクター「阿波野 まい」(あわのまい)[52][53]が、それぞれ発表された。この2人は幼馴染で、現在も文通などで交流を続けているという設定となっている。

なお、それぞれの名称は発表後に行われた公募で決定された[54]

脚注 編集

  1. ^ 2012年4月1日のダイヤ改正で同路線の全列車がフェリーとの接続に特化したダイヤに見直された。
  2. ^ a b 『旅客船 : 機関誌』(61),日本旅客船協会,1965-03. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2810944 (参照 2023-04-04)
  3. ^ a b c d e 鉄道ピクトリアルNo.615-1995年12月増刊号 pp.130-135 中沢良夫「南海淡路ライン盛衰記」
  4. ^ a b 世界の艦船別冊 日本の客船2 -1946~1993- p.167(海人社,1993)
  5. ^ 世界の艦船別冊 日本のカーフェリー-その揺籃から今日まで-pp.190-191(海人社,2009)
  6. ^ 南海電気鉄道百年史 P.465 (南海電気鉄道 1985)
  7. ^ ただし、牟岐線南小松島駅接続での連絡運輸は継続された。
  8. ^ フェリーが、ドック入りして間引き運転となる時期のみ徳島行のみ1便を運航。また主にゴールデンウィークやお盆などの繁忙期には上下1便とも臨時運航。
  9. ^ 年末年始は、12月31日の上下第9便及び正月三が日の上下第2便が休航となった。 ※参考:南海フェリー「運航ダイヤの変更」について (PDF) (ニュースリリース) - 南海フェリー(2008年9月19日)[リンク切れ]
  10. ^ 2011年正月は上下1便の他に臨時休航便があったが、2012年正月は通常運航(通年休航の上下1便のみ休航)とされた。
  11. ^ 燃料油価格変動調整金について | 南海フェリー”. 2019年12月16日閲覧。
  12. ^ 新型コロナウイルス感染症拡大による一部休航のお知らせ | 南海フェリー”. 2020年4月22日閲覧。
  13. ^ 臨時運航ダイヤの見直しについて | 南海フェリー”. 2020年5月2日閲覧。
  14. ^ 臨時運航ダイヤの継続について | 南海フェリー”. 2020年5月26日閲覧。
  15. ^ 臨時運航ダイヤの一部変更について | 南海フェリー”. 2020年6月17日閲覧。
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  52. ^ “名前考えてね。南海フェリー萌え系美少女キャラ”. わかやま新報. (2011年1月19日). http://www.wakayamashimpo.co.jp/news/11/01/110119_9410.html 2011年1月23日閲覧。 
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  54. ^ 南海フェリー オリジナルキャラクター 名前発表!(ニュースリリース) - 南海フェリー(2011年4月21日)、同月23日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集