単行本

日本における書籍に関する用語

単行本(たんこうぼん)とは、叢書全集などの中の1冊としてではなく、単独で刊行されるのこと。基本的には1冊で刊行されるが、ページ数が多い場合は分冊形式で刊行される[1]久米邦武米欧回覧実記』内の「世に単行本多けれども」という用例がその初出と考えられている(精選版日本国語大辞典)。

小説では、雑誌新聞などに掲載された作品を、1冊の本にまとめて単行本として刊行される例の他に、単行本として刊行するために作品を書くこともあり、このような例を単行本書き下ろしという。単行本の製本は上製本(ハードカバー)が一般的であるが、並製本(ソフトカバー)もある[2]

一般的に、単行本として刊行されたものは、数年の後に、価格を下げて文庫として刊行される。これを文庫化という[3]。単行本として刊行された後、ノベルスとして刊行されてから、文庫化されるケースもある。稀に、宮部みゆき『おまえさん』やピエール・ルメートル『天国でまた会おう』のように、単行本と文庫本が同時発売されるケースや、京極夏彦『ルー=ガルー2』のように、単行本・ノベルス版・文庫本電子書籍版が同時発売されるケースもある[4][5]2010年頃からは、単行本を経ずにいきなり文庫として刊行されるケースも多くなっている[6]

漫画(コミックス)では、レーベルごとに同じ判型・体裁でシリーズ化されている(叢書の定義に当てはまる)にもかかわらず、単行本と呼ばれている。これは、単行本の語が「雑誌掲載」の対義語として用いられていることによると思われる。日本以外では日本の漫画の単行本のことを "tankōbon" と呼んでいる。

脚注編集