卵巣過剰刺激症候群(らんそうかじょうしげきしょうこうぐん、: ovarian hyperstimulation syndrome)(OHSS)とは、排卵誘発剤に伴い多数の卵胞が発育することにより、卵巣腫大、下腹部痛などの症状を呈する症候群のこと[1] [2]

卵巣過剰刺激症候群
概要
診療科 婦人科学
分類および外部参照情報
ICD-10 N98.1
ICD-9-CM xxx
DiseasesDB 32038
MedlinePlus 007294
Patient UK 卵巣過剰刺激症候群

症状 編集

hMG-hCG療法(ゴナドトロピン療法)によって排卵誘発を行った症例の20~30%に発症する[3]。排卵誘発剤により多数の卵胞が発育し卵巣が腫大し、それにより下腹部痛を生じる[1][2]。また血管透過性も亢進し、それにより腹水胸水が生じ呼吸困難、乏尿となる[1][2][4]。血液が濃縮されるため、血栓症を生じる[1][2]

治療 編集

凝固予防にアスピリンヘパリン、腎血流量を増やすためにドーパミンなどが使用される[1]。循環血減少に対し輸液、膠質浸透圧低下に対し、蛋白製剤(アルブミン)投与が行われる[2][3]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
  2. ^ a b c d e 伊藤正男 、井村裕夫、 高久史麿『医学書院医学大辞典 第2版』医学書院、2009年。ISBN 978-4260005821 
  3. ^ a b 病気がみえるVol.9 「婦人科・乳腺外科」P88 メディックメディア社発行 ISBN 978-4896324624
  4. ^ Stedman's Medical Dictionary 28th ISBN 978-0781733908

関連項目 編集