卵星雲[3](Egg Nebula)は、はくちょう座の方角に約3000光年離れた位置にある。双極性原始惑星状星雲である。その特異な性質は、空軍地球物理学研究所が1971年から1974年にかけて行った観測ロケットによる11μmサーベイのデータから、1975年に初めて記述され(その前に、この天体は、フリッツ・ツビッキーによって銀河対として天体カタログに収録されていた)。

卵星雲
星座 はくちょう座
見かけの等級 (mv) 14.0[1]
視直径 30″ × 15″
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  21h 02m 18.75s[1]
赤緯 (Dec, δ) +36° 41′ 37.8″[1]
距離 約3000光年(920パーセク)[2]
物理的性質
半径 0.2光年
絶対等級 (H) 4.2
他のカタログでの名称
RAFGL 2688,[1] The Egg,[1]Cygnus Egg,[1]
Template (ノート 解説) ■Project

卵星雲の特徴は、中央の恒星を取り囲む一連の明るい弧と円である。濃いガスと塵の層が中央の恒星を覆い、直接の光を隠している。しかし、中央の恒星からの光は、この殻の薄い部分を透過し、外側のガスの層を輝かせて明るい弧のように見せている。

塵の殻は、円盤とよく似ている。画像に写る双極的な構造は、この系が降着円盤によって生み出されるような角モーメントを持っていることを示している。さらに、円盤状の配置により殻の厚さが変わり、光が円盤の軸に沿って逃げることを可能としている。塵の円盤は、いくつかのポストAGB天体の周りで確認されているが、卵星雲の周りの円盤の存在は未だ確定していない。

卵星雲は、ハッブル宇宙望遠鏡広視野惑星カメラ2によって撮影された。

ギャラリー 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f SIMBAD Astronomical Database”. Results for Egg Nebula. 2007年1月5日閲覧。
  2. ^ a b “Hubble Images Searchlight Beams from a Preplanetary Nebula”. ESA/Hubble Picture of the Week. https://esahubble.org/images/potw1217a/ 2012年4月24日閲覧。 
  3. ^ HSTが捉えた、虹色に輝く「卵星雲」AstroArts

外部リンク 編集

  • Merrifield, Michael. “Egg Nebula”. Deep Space Videos. Brady Haran. 2013年6月11日閲覧。

座標:   21h 02m 18.75s, +36° 41′ 37.8″