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原子力規制局

原子力規制局(げんしりょくきせいきょく、Office for Nuclear Regulation, ONR)はイギリスにおける民間原子力産業の安全規制を担当する独立した特殊法人である[1]。公社の予算は原子力産業の負担金によってまかなわれている。原子力規制局は労働年金省の監督下にあるが、エネルギー・気候変動省とも密接に協力して活動している[2]

目次

歴史編集

政府のために2008年にまとめられた報告にしたがって設立された。この報告は、イギリスの民間原子力産業に対する規制について、単一の産業に対する規制当局を創設することを推奨するものであった[3]。2011年4月1日、原子力規制局は当初、保健安全執行部の法定外の執行部門として設立されたが、イギリス政府としては後日法定上の基礎を与えることを意図していた[4][3]。原子力規制局は、保健安全執行部の原子力監督局(原子力施設検査局、民間核保安局および核物質保障措置局)を、2011年6月1日からは運輸省の放射性物質輸送チームを吸収した[3]

E.ON UK(en、旧Powergen)の最高経営責任者の経験もあるニック・ボールドウィンが原子力規制局の編成に関する兼任の暫定議長に任命された[1][5]。2013年6月1日からは、首席運営責任者だったジョン・ジェンキンスが原子力規制局の最高執行責任者に任命された[6][7]

原子力規制局の設立法は2013年エネルギー法に含められ、公社として公式に2014年4月1日に発足した[8]。公社を成功裏に立ち上げたジェンキンスは2015年2月28日に辞意を表し、2015年5月1日にレス・フィルポットが暫定最高執行責任者に任命された[9]

包括的設計審査編集

2006年の英国政府によるエネルギーレビュー報告により、核施設検査は包括的設計審査(Generic Design Assessment, GDA)手続に発展した。原子力規制局が運用するこの審査では、特定の立地提案に先立って新しい原子炉設計を審査する[10]。GDAは4つの設計に対する審査から始まった。

しかしながら、ACR-1000とESBWRは結果として商業的理由から審査から撤退し[11][12]、EPRとAP1000がイギリスの新しい原子炉建設の競争者として残された[13][14]。AP1000の審査はウェスティングハウスの要請により停止している[15]

2012年、日立製作所ホライゾン・ニュークリア・パワーを買収し、ホライゾン社の事業所に3基の1350MWeの改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を建設する意思を表明した[16]。ABWRはまずイギリスの設計審査を受ける必要がある[17]。2013年4月、審査について合意が成立し[15]、およそ4年をかけることになった[18]

トライデント・プログラム編集

原子力規制局は主として民間事業を規制するが、クライド海軍基地およびクールポート王立海軍弾薬庫における核兵器事故に対する対応システムの審査に対しても責任を負っている[19]

脚注編集

  1. ^ a b New UK nuclear industry regulator launched HSE, accessed 2011-04-03
  2. ^ Who we work with”. ONR. 2014年4月2日閲覧。
  3. ^ a b c Proposed changes to the way we work HSE, accessed 2011-04-03
  4. ^ Creation of the Office for Nuclear Regulation - Written ministerial statement from the Department for Work and Pensions published 2011-02-08, accessed 2011-04-03
  5. ^ Baldwin leaves SSE board ヘラルド, published 2011-04-02, accessed 2011-04-03
  6. ^ John Jenkins formally appointed as Chief Executive of ONR, published 2013-06-07, accessed 2013-06-09
  7. ^ Appointment of Chief Operating Officer, published 2012-05-31, accessed 2013-06-09
  8. ^ “ONR becomes Public Corporation”. ONR. (2014年4月1日). http://news.onr.org.uk/2014/03/onr-becomes-independent-public-corporation/ 2014年4月2日閲覧。 
  9. ^ [1]
  10. ^ Background - assessment of new nuclear power stations”. Health and Safety Executive. 2012年7月24日閲覧。
  11. ^ “AECL bows out of British reactor development to focus on Canadian projects”. CBC News. (2008年4月4日). http://www.cbc.ca/canada/toronto/story/2008/04/04/aecl-britain.html 2009年3月10日閲覧。 
  12. ^ “Interview: "We will be back" in Europe, says GE”. Nuclear Engineering International. (2009年9月15日). http://www.neimagazine.com/story.asp?storyCode=2054130 2012年7月24日閲覧。 
  13. ^ New Nuclear Power Stations – Progress so far”. Health and Safety Executive. 2009年6月1日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2009年9月15日閲覧。
  14. ^ News – Taking GDA work forward in the light of the unprecedented events in Japan”. Health and Safety Executive. 2011年12月28日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2012年4月19日閲覧。
  15. ^ a b “UK starts ABWR design assessment”. World Nuclear News. (2013年4月10日). http://www.world-nuclear-news.org/NN-UK_starts_ABWR_design_assessment-1004137.html 2013年4月22日閲覧。 
  16. ^ “Hitachi buys UK nuclear project from E.On and RWE”. BBC. (2012年10月30日). http://www.bbc.co.uk/news/business-20134735 2012年10月30日閲覧。 
  17. ^ “ABWR set for UK design assessment”. Nuclear Engineering International. (2013年1月16日). http://www.neimagazine.com/story.asp?storyCode=2063605 2013年1月26日閲覧。 [リンク切れ]
  18. ^ “UK regulators take ABWR to next level”. World Nuclear News. (2014年1月6日). http://www.world-nuclear-news.org/NN-Regulators-take-UK-ABWR-to-next-level-0601147.html 2014年1月9日閲覧。 
  19. ^ HM Naval Base Clyde - Quarterly report for 1 July 2011 to 30 September 2011”. Bootle: Office for Nuclear Regulation, Health and Safety Executive. 2012年4月13日閲覧。

関連文献編集

いずれも原子力規制局設立以前の開発および安全規制体制に関する資料。

外部リンク編集