原子軌道(げんしきどう、: atomic orbital, AO)は、原子核のまわりに存在する1個の電子の状態を記述する波動関数のことである。電子軌道とも呼ばれる。

原子軌道の形状を示す概略図。左から順に1s、2s、2px、2py、2pz軌道である。色の違いは、波動関数の符号の違いを意味している。

その絶対値の二乗は原子核のまわりの空間の各点における、電子の存在確率に比例する。

ここでいう軌道 (orbital) とは、古典力学における軌道 (orbit) とは意味の異なるものである。量子力学において、電子は原子核のまわりをまわっているのではなく、その位置は確率的にしか分らない[1]

軌道名編集

軌道の種類名編集

軌道の種類の名前 (s, p, d, f, g, h, ...) はその軌道のスペクトルスコピーの線の形に由来しており、それぞれ、sharp, principal, diffuse, fundamentalであり、残りは(fに続く)アルファベット順である。

原子価軌道編集

原子軌道の内、最外殻に存在するものを原子価軌道(げんしかきどう)と呼ぶ。閉殻構造に加わっていないため、原子価軌道は化学結合化学反応における主役となる。原子価軌道に存在する電子は、原子価電子あるいは価電子と呼ばれる。

脚注編集

  1. ^ C・ロヴェッリ『すごい物理学講義』河出文庫、2019年、P.164。

関連項目編集