メインメニューを開く
杉村三郎シリーズ > 名もなき毒

名もなき毒』(なもなきどく)は、2006年幻冬舎から刊行された宮部みゆきの長編推理小説

名もなき毒
著者 宮部みゆき
発行日 2006年8月25日
発行元 幻冬舎
ジャンル ミステリ
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 489(単行本)
608(文庫版)
前作 誰か Somebody
次作 ペテロの葬列
コード ISBN 978-4344012141(単行本)
ISBN 978-4334076832(ノベルス)
ISBN 978-4167549091文庫判
Portal.svg ウィキポータル 文学
[ Wikidata-logo-en.svg ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

目次

概要編集

杉村三郎シリーズの2作目で、前作『誰か Somebody』以来3年ぶりの現代ミステリーである[1]。『北海道新聞』『中日新聞』『東京新聞』『西日本新聞』で2005年3月1日から同年12月31日まで、『河北新報』で2005年4月1日から2006年1月30日まで、『中国新聞』で2005年8月5日から2006年8月10日まで連載し、最終章を書き下ろして、2006年8月25日に幻冬舎から単行本が刊行された[2]

2009年5月21日に光文社からカッパ・ノベルス版が、2011年12月10日に文春文庫版が発売された。2007年には第41回吉川英治文学賞を受賞した。

時系列としては『誰か Somebody』の約1年後となっていて、登場する原田いずみの悪意からくるトラブルと連続無差別毒殺事件を並行して描き、宅地土壌汚染シックハウス症候群などの問題も取り入れられたストーリーを展開、また1931年(昭和6年)に発表された藤山一郎の歌謡曲『丘を越えて』の歌詞が終盤の要素として用いられている。

2013年の杉村三郎シリーズのドラマ化作品『名もなき毒』で、第6話から11話までの第2部として映像化された。

あらすじ編集

今多コンツェルン会長の娘婿の杉村三郎が所属する同コンツェルングループ広報室は、満足な仕事をこなせず、度重なるトラブルと軋轢を生みだすアルバイトの原田いずみを解雇した。

しかし、いずみが「広報室の社員達から嫌がらせやセクハラをされた」と嘘八百を並べ立て、訴訟を起こすという手紙を会長の嘉親宛てに送ってきたことから、三郎は嘉親の命を受け、いずみの窓口として問題対処にあたることになる。いずみの詐称だらけの経歴の裏付けを取り始めた三郎は、その最中に過去にいずみを調べていたという私立探偵の北見一郎、北見の元を訪ねてきた女子高生・古屋美智香とその母・暁子と出会う。

暁子と美智香はさいたま市横浜市東京都で発生した連続無差別毒殺事件の第4の被害者の娘と孫だったが、事件全体の繋がりが不透明なところもあり、暁子は警察から犯人として疑いを持たれていた。この事により、古屋親子の関係がぎくしゃくしていることを知った三郎は、暁子達に親身になり、自らも事件の真相に近付いていく。

やがて、いずみの悪意が広報室全体を襲い、やがては三郎個人に照準を定めていく。

登場人物編集

杉村三郎
今多コンツェルングループ広報室編集者兼記者。
今多嘉親
今多コンツェルン会長。三郎の義父。
杉村菜穂子
三郎の妻。嘉親の娘。
園田瑛子
グループ広報室室長兼編集長。
谷垣たにがき
今多コンツェルングループ広報室副編集長。広報室内では最年長の55歳で、今多コンツェルンの本丸である物流部門、40代からの営業を経て来年3月に退職を控えた37年目のベテラン。温厚で笑顔を絶やさないが、考えは昔気質で古風なところがある[注釈 1]
河西かさい
今多コンツェルングループ広報室社員。関連企業の「今多エステート」から出向してきた入社5年目の若手[注釈 1]
北見一郎きたみ いちろう
都営住宅で個人で調査事務所を開いている男性。
古屋暁子ふるや あきこ
古屋明俊の娘で美智香の母親。外資系証券会社「トワメル・ライツ」のファイナンシャル・プランナー
古屋美智香ふるや みちか
古屋明俊の孫娘。祖父の死のショックから食事が喉を通らず、三郎との初対面時に栄養失調で救急車に運ばれるほどだった。暁子を介して三郎から気持ちを整理するため文章を書くようにアドバイスされてからは、三郎を頼るようになり、犯人逮捕を呼びかけるホームページ作りについて相談する。
原田げんだいずみ
グループ広報室アルバイト。学業の都合で退職することになったアルバイトの椎名(『誰か Somebody』登場)の後任として雇われた。大手出版社勤務経験を謳っているが実際は編集者としての実力は伴っておらず、反面、自身のミスを巡って同僚達に反発し揉め事が絶えない。気に入らないことがあればヒステリーを起こす激情的な性格で、事実無根の出来事をでっち上げては相手を貶めることも厭わない筋金入りの嘘つきでもある。
父・克也によると、幼少期の頃から異常なまでに勝気で負けず嫌いな性格をしていたらしく、兄の結婚式の際には彼から性的虐待を受けたという大嘘をついた結果、兄の結婚式をぶち壊しにした上に、その1年後は兄の嫁が自殺してしまっている。これが原因で、両親や兄はいずみの元から逃げている。
秋山省吾あきやま しょうご
売出し中の若手ジャーナリスト。ライターとして食えなかった時代に今多コンツェルンで半年間アルバイトをしていた縁で、谷垣から寄稿を求められていた。
五味淵ごみぶち まゆみ
秋山の従妹。あだ名は「ゴンちゃん」

書籍情報編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ a b 谷垣と河西はドラマ版では太一と名が付けられ、ドラマのみ登場の編集者・手島雄一郎と共に三郎の広報室配属時点から在籍している社員として、原作が『誰か Somebody』のパートとなる第一部から登場している

出典編集

  1. ^ このミステリーがすごい!2007年版、12項より
  2. ^ 文庫版解説より

外部リンク編集