名港中央インターチェンジ

日本の愛知県名古屋市にある伊勢湾岸自動車道のインターチェンジ

名港中央インターチェンジ(めいこうちゅうおうインターチェンジ)は、愛知県名古屋市港区金城ふ頭にある、伊勢湾岸自動車道・伊勢湾岸道路(国道302号有料道路区間)のインターチェンジ(IC)である。

名港中央インターチェンジ
インター入口
第二東海自動車道と近畿自動車道名古屋神戸線の境界となるインターチェンジ[1] 地図
所属路線 E1A 伊勢湾岸自動車道
伊勢湾岸道路(国道302号有料区間)
IC番号 9
料金所番号 01-251
本線標識の表記 名港中央
起点からの距離 34.8 km(豊田東JCT起点)
名港潮見IC (2.4 km)
(2.8 km) 飛島IC/JCT
接続する一般道 金城ふ頭線(名古屋市道金城埠頭線)
供用開始日 1985年(昭和60年)3月20日四日市JCT方面)
1998年3月30日豊田東JCT方面)
通行台数 x台/日
所在地 455-0848
愛知県名古屋市港区金城ふ頭一丁目1番地
北緯35度3分8.06秒 東経136度50分46.5秒 / 北緯35.0522389度 東経136.846250度 / 35.0522389; 136.846250
テンプレートを表示

概要 編集

名古屋港金城埠頭に設置されたインターチェンジである[2]名港トリトン名港中央大橋名港西大橋の結節点に位置する。双方向へアクセスできるトランペット型[3]のフルインターチェンジである。

当ICが含まれる東海IC - 飛島IC間(6.1 km)は「伊勢湾岸道路」(国道302号一般有料道路高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路)であり[4]、高速自動車国道としては事業化されていない。ただし、東海IC - 名港中央IC間が高速自動車国道第二東海自動車道、名港中央IC - 飛島IC間が近畿自動車道名古屋神戸線の基本計画区間に含まれており、当ICはその境界となっている[1][5]。よって、第二東海自動車道(新東名高速道路)の東京都 - 名古屋市間の距離328 kmと、近畿自動車道名古屋神戸線(新名神高速道路)の名古屋市 - 神戸市間の距離174 kmは当ICを起終点として算出されている[1]

オフランプは料金所通過後、市営駐車場に直通できる連絡路が設けられており、名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)とレゴランド・ジャパン・リゾート利用者への便宜を図っている[6]

なお、名港中央ICの料金所敷地は、名古屋港管理組合所有であり、有償借地で日本道路公団(現:NEXCO中日本)が権限を取得している。公団所有地として買収できなかったのは、名古屋港管理組合が金城ふ頭エリアを「商港区」の分区指定を行なったことで、売却を目的としない土地であることを理由に売却を拒否されたことによる[7]。さらに、金城ふ頭が自治省(現:総務省)認可である起債事業により整備されたふ頭であるためである[7]

歴史 編集

 
有料道路「名港西大橋」時代のインター。『国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」(配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス)
   
2017年に新設された名古屋市営金城ふ頭駐車場への連絡路。画像左 :インター料金所を出て現れるループ。画像右:ループ通過後、インターのランプウェイの下をくぐり抜けて金城ふ頭駐車場に直通。

1985年3月の名港西大橋一期線(上り線、北側の橋)供用に合わせて運用を開始した。当時は「名港西大橋料金所」と称した[8]。なお、飛島側に料金所は設けられず[9]、金城ふ頭側で一括徴収した。

名港中央大橋、名港東大橋、名港西大橋二期線の供用を前に、料金所の改築を営業しながら行い、伊勢湾岸道路の各IC料金所に共通の張り出し天井デザインに変更された[8][10]。計画では「金城インターチェンジ」と仮称されたが[7]、「名港中央インターチェンジ」が本採用され、1998年(平成10年)3月に伊勢湾岸自動車道のインターチェンジとして開業した[2]

当ICは元々は名古屋市近郊を一周する環状道路(名古屋環状2号線)のインターチェンジとして構想されたが[11]、その後追いの形で計画された豊田市四日市市を結ぶ一般有料道路、伊勢湾岸道路のインターチェンジも兼ねることになった[12]。伊勢湾岸道路(名古屋環状2号線兼用)は1979年(昭和54年)12月に金城ふ頭 - 飛島間[13]、1987年(昭和62年)11月に東海 - 金城ふ頭間が一般有料道路として事業許可を受け[13]、この2区間を併せた東海 - 飛島間が伊勢湾岸道路として最も早く着工されるに至った。

やがて1987年(昭和62年)9月の国土開発幹線自動車道建設法の一部改正によって伊勢湾岸道路が第二東海自動車道(第二東名高速道路)と近畿自動車道名古屋神戸線(第二名神高速道路)の予定路線となった。この時の第二東海自動車道と近畿自動車道名古屋神戸線の境界は「名古屋」とされたが、当時は具体的な境界点までは示されなかった[14][注釈 1]。そして1989年(平成元年)2月の国土開発幹線自動車道建設審議会(国幹審)による決定を経て、既に一般有料道路として事業中の東海IC - 飛島ICを除いたその前後の伊勢湾岸道路が、第二東海自動車道横浜東海線と近畿自動車道飛島神戸線の基本計画路線として取り込まれた[15]。なお、一般有料道路として構想された伊勢湾岸道路は道路規格が低いことから、1991年(平成3年)8月に第二東名と第二名神の高規格に合わせるための都市計画変更を実施[16]、これをもって環状道路(名二環)の規格から決別して東京 - 名古屋 - 神戸間の国土軸を形成する道路の一部となった。

1996年(平成8年)12月開催の国幹審では、東海IC - 名港中央IC間(約4 km)が第二東海自動車道、名港中央IC - 飛島IC間(約3 km)が近畿自動車道の基本計画区間に取り込むことが決定し[17]、翌年2月に反映された[18]。これ以後、明確に名港中央ICが第二東海自動車道と近畿自動車道名古屋神戸線の境界となった[1]

年表 編集

周辺 編集

 
インターチェンジに隣接する名古屋市営金城ふ頭駐車場

接続する道路 編集

 
インターは金城ふ頭線および臨港道路と接続

料金所 編集

   
トールゲート。入口側(画像左)と出口側(画像右)

レーン運用は、時間帯やメンテナンスなどの事情によって変更される場合がある[24]

入口 編集

  • レーン数:2[24]
    • ETC専用:1
    • ETC/一般:1

出口 編集

  • レーン数:4[24]
    • ETC専用:2
    • 一般:2

編集

E1A 伊勢湾岸自動車道 伊勢湾岸道路
(8) 名港潮見IC - (9) 名港中央IC - (10) 飛島IC / (10-1) 飛島JCT

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1987年の時点では、第二東海自動車道の延長は280 km、近畿自動車道名古屋神戸線の延長は170 kmという距離のみが発表され、その境界点までは発表されていない(『中日新聞』1987年7月8日朝刊、1頁)。具体的に発表されるのは1996年12月の第30回国幹審で、東海から4 km、飛島から3 kmという発表である。

出典 編集

  1. ^ a b c d 『第二東名・名神高速道路 21世紀の快適なハイ・モビリティ社会の実現をめざして』日本道路公団、1998年4月(折りたたみ式パンフレットのためページ数なし・豊田市中央図書館蔵)
  2. ^ a b c 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, p. 321.
  3. ^ 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 7.
  4. ^ 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 3.
  5. ^ 『高速自動車国道路線図 近畿自動車道名古屋神戸線 近畿自動車道名古屋関線』中日本高速道路株式会社 四日市工事事務所作成、平成19年3月発行(折りたたみ式パンフレットのためページ数なし・三重県立図書館蔵)
  6. ^ a b レゴランド・ポートメッセなごや方面へ向かわれるお客様へ 中日本高速道路(2017年4月7日閲覧)
  7. ^ a b c 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 22.
  8. ^ a b 伊勢湾岸道路編集委員会(写真集) 1998, p. 171.
  9. ^ “名港西大橋 夜景見物の困った名所(えんぴつ最前線)”. 朝日新聞(名古屋)朝刊: p. 25. (1992年7月9日) 
  10. ^ 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, pp. 326–328.
  11. ^ a b 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会 1967, pp. 23–29.
  12. ^ 建設省中部地方建設局 名四国道工事事務所 1980, pp. 281–282.
  13. ^ a b c 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 473.
  14. ^ “高速国道に24路線追加 「第2東名」など優先 建設相方針”. 中日新聞朝刊: p. 1. (1987年7月8日) 
  15. ^ 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 2.
  16. ^ “名古屋高速1号 2.8キロをトンネル化 都市計画変更の知事案を発表 場所により幅員拡大 伊勢湾岸道路”. 中日新聞 朝刊: p. 18. (1991年4月27日) 
  17. ^ a b 建設省道路局高速国道課 1997, pp. 32–35.
  18. ^ 名古屋都市計画史編集実行委員会 2017, p. 414.
  19. ^ 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会 1967, p. 20.
  20. ^ 名古屋都市計画史編集実行委員会 2017, p. 392.
  21. ^ 法律第八十三号(昭六二・九・一)”. 衆議院. 2017年2月14日閲覧。
  22. ^ 名古屋都市計画史編集実行委員会 2017, p. 398.
  23. ^ 伊勢湾岸道 名港中央IC 料金所出口から一般道に向かうルートが追加されます”. 中日本高速道路 (2017年2月25日). 2017年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月9日閲覧。
  24. ^ a b c 料金所ナビまっぷ 伊勢湾岸道” (PDF). NEXCO中日本. 2018年1月17日閲覧。

参考文献 編集

  • 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会による以下の3資料は3冊を1冊にまとめた合冊製本である(愛知県図書館蔵)。
    • 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会『名古屋環状2号線のあらまし』1967年3月。 
    • 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会『名古屋環状2号線のあらまし 昭和44年6月』1969年6月。 
    • 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会『名古屋環状2号線のあらまし 昭和45年5月』1970年5月。 
  • 『人・モノ・情報の交流促進をめざして 高規格幹線道路&地域高規格道路』愛知県建設部道路建設課、2012年4月(パンフレットのためページ数なし・愛知県図書館蔵)
  • 名古屋港開港百年史編さん委員会『名古屋港開港100年史』名古屋港管理組合、2008年3月。 
  • 『伊勢湾岸道路工事誌』・『伊勢湾岸道路写真集』は三重県立図書館で閲覧可(閉架)(非売品)
    • 伊勢湾岸道路編集委員会『伊勢湾岸道路工事誌』日本道路公団名古屋建設局 伊勢湾岸道路工事事務所、1998年3月。 
    • 伊勢湾岸道路編集委員会(写真集)『伊勢湾岸道路写真集』日本道路公団名古屋建設局 伊勢湾岸道路工事事務所、1998年3月。 
  • 『技術報告会資料』は愛知県図書館で閲覧可(閉架)
    • 伊藤順夫「伊勢湾岸道路名古屋港横断部の計画について」『第26回 技術報告会資料 道路編』、建設省中部地方建設局、1977年7月、79-86頁。 
  • 建設省中部地方建設局 名四国道工事事務所『二十年のあゆみ』名四国道工事事務所、1980年3月。 
  • 名古屋都市計画史編集実行委員会『名古屋都市計画史II(昭和45年~平成12年度)上巻』名古屋市 公益財団法人名古屋まちづくり公社、2017年12月。 
  • 建設省道路局高速国道課「第30回国土開発幹線自動車道建設審議会について」『高速道路と自動車』第40巻第2号、公益財団法人高速道路調査会、1997年2月、32-35頁。 

関連項目 編集

外部リンク 編集