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向殿 政男(むかいどの まさお、1942年(昭和17年)4月5日[1] - )は安全工学ファジィ理論多値論理を専門とする日本の研究者[13]明治大学工学博士、同大学名誉教授[14]フェイルセーフを始めとする安全理論に加え、各種調査委員会や標準化活動にも貢献しており、安全のエキスパートとして知られる[11][15][16][17]2015年 安全功労者内閣総理大臣表彰[18]。セーフティアセッサ協議会が設立した「向殿安全賞」に名を残す[19]

向殿 政男
Masao MUKAIDONO
人物情報
生誕 (1942-04-05) 1942年4月5日(77歳)[1]
日本の旗 日本東京府[1]
出身校 明治大学
学問
研究分野 安全工学ファジィ理論
研究機関 明治大学、カリフォルニア大学バークレイ校[2]
博士課程
指導教員
後藤以紀[3]
博士課程
指導学生

課程博士 - 山内ゆかり[4] 江本全志[5] 粕谷慎一[6]
論文博士 - 蓬原弘一[7] 長田康敬[8]

注)全員ではない。
学位 工学博士(明治大学)[3]
特筆すべき概念 「安全曼荼羅」[9]
「安全学」[10][11]
「Safty 2.0」[12]
学会 電子情報通信学会日本信頼性学会、知能情報ファジィ学会、アジアファジィシステム学会、国際ファジィシステム学会、など
主な受賞歴 経済産業大臣表彰
厚生労働大臣表彰
安全工学会 北川学術賞
安全功労者内閣総理大臣表彰
公式サイト
向殿政男(Masao Mukaidono)
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目次

来歴・人物編集

向殿は明治大学附属明治高等学校から明治大学工学部電気工学科へ進み、1965年に卒業[20]大学院に進学した向殿は、鉄道関係の研究からフェイルセーフをはじめとする安全研究に取り組むようになる[17]1967年修士課程修了、1970年博士後期課程修了[21]、工学博士[3]。同時に同大学電気工学科選任講師になる。1973年助教授へ昇進[21]

1978年に、向殿は電子通信工学科教授に就任する[21]。安全のみならず、ファジィ理論多値論理の研究にも取り組む[13]。また、1979年には客員研究員としてカリフォルニア大学バークレイ校に滞在し[2][注釈 1]1987年には国際ファジィシステム学会で副会長も務めている[22]1989年には理工学部情報科学科教授に配置換え。

1996年より大学院理工学研究科委員長に就任。学会では日本ファジィ学会(1993年)や日本信頼性学会2003年)で会長を務め、2006年からは日本学術会議連携会員にも就任している[22]。この間、向殿は安全規格制定や調査委員会に参画するとともに(#社会的活動の節を参照)、国際安全規格やリスクアセスメントに関する著書も多数出版する(#著書の節を参照)。安全関係の貢献により、2005年には経済産業大臣表彰、2006年には厚生労働大臣表彰を受けている[21]

2008年頃からはグローバルCOEプログラム「現象数理学の形成と発展」(後の文部科学省共同利用・共同研究拠点「現象数理学研究拠点」[23])のメンバーを務めたあり[24][25]。また、清掃ロボットの安全にも関与したり[26][27]こんにゃくゼリーの窒息事故を受けての消費者庁の委員会に有識者として参加している[28]。このように、一般向けの活動も多く務めた向殿は、安全のエキスパートとして2009年から2014年まで、「世界一受けたい授業」にも出演している[注釈 2][15]

2013年3月、向殿は明治大学を定年退職[10][36]。同大学名誉教授に就任するとともに、2014年の時点で明治大学校友会、経済産業省消費経済審議会製品安全部会、国土交通省社会資本整備審議会昇降機等事故調査部会、安全技術応用研究会、私立大学情報教育協会において会長を務めている[14]。なお、向殿はこれまでの貢献が認められ、2015年7月1日国民安全の日に安全功労者内閣総理大臣表彰を受賞[17]。2015年の時点でも日経BP社が提唱する「Safety2.0」に助言したり[18]、 ISO45001のJIS原案作成委員会 で委員長を務めている[37]

主な受賞歴編集

社会的活動編集

  • 日本学術会議 - 連携会員[14]
    人間と工学研究連絡委員会 委員、安全工学専門委員会 委員、安全制御小委員会 委員長、人工物設計・生産研究連絡委員会 委員、経営管理工学専門委員会 委員[1]

(学会)

(団体)

  • 安全技術応用研究会 - 会長[14]
  • 日本工学アカデミー - 安全知の連合作業部会長[44]
  • 私立大学情報教育協会 - 常務理事、会長[14]
  • 製品安全協会 - 評議員[1]
  • 総合安全工学研究所 - 理事[1]
  • 日本ヒューマンファクター研究所 - 顧問[45]

(個別委員会)

著書編集

単著編集

共著編集

編集編集

監修編集

著作編集

学位論文編集

解説編集

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 1986年という情報もある(ブレーン講演マネジメント, 職歴)。
  2. ^ 出演日は、2009年12月12日 2時限目【科学】[29]、2010年7月31日 2時限目【科学】[30]、2011年9月3日 2時限目【科学】[31]、2012年4月21日 1時限目【科学】[32]、2013年1月19日 1時限目【社会】[33]、2014年8月23日 2時限目【社会】[34]、2014年11月29日 2時限目【社会】[35]である[15]
  3. ^ 受賞論文 - ファジィc-平均法とエントロピー正規化法におけるファジィ分類関数」『日本ファジィ学会誌』第10巻第3号、1998年6月、 548-557頁。[39]
  4. ^ 向殿政男 監修、向殿政男、宮崎浩一 共著
  5. ^ 向殿政男 監修、宮崎浩一、向殿政男 共著

出典編集

  1. ^ a b c d e f g h i j 安全技術応用研究会, 会長略歴.
  2. ^ a b c d 宮本・馬屋原・向殿 1998, p. 556.
  3. ^ a b c 博士論文 1970.
  4. ^ 山内ゆかり『Approximate Reasoning Based on Rough Sets and Probability Theory』明治大学博士論文(甲第235号)、2001年3月26日、和文題名『ラフ集合と確立論に基づいた近似推論に関する研究』doi:10.11501/3179353
  5. ^ 江本全志『Algebraic structures of truth values in fuzzy logic』明治大学博士論文(甲第255号)、2002年3月26日、和文題名『ファジィ論理における真理値の代数的構造』
  6. ^ 粕谷慎一『ファジィ制御を用いたマウスポインタ制御と動的学習法の提案』明治大学博士論文(甲第273号)、2003年3月26日。
  7. ^ 蓬原弘一『安全確認に基づくフェイルセーフシステムの研究』明治大学博士論文(乙第168号)、1991年12月25日、doi:10.11501/3063488
  8. ^ 長田康敬『Design for Multiple-Valued Logic Networks and Its Fault Tolerances』明治大学博士論文(乙第231号)1996年3月25日、和文題名『多値論理回路とそのフォールトトレランスのための設計』、doi:10.11501/3109186
  9. ^ 向殿 2002.
  10. ^ a b 二川清「明治大学 向殿政男教授 最終講義・懇談会参加報告 ―安全学の夢に向かって―」『信頼性』第35巻第3号、2013年6月、162-165頁。
  11. ^ a b c ブレーン講演マネジメント.
  12. ^ 吉田 2015, p. 3.
  13. ^ a b c d e 向殿 2010, p. 135.
  14. ^ a b c d e f g h 明治大学LA 2014.
  15. ^ a b c d e 日本テレビ.
  16. ^ 吉田 2015, pp. 1-2.
  17. ^ a b c d “向殿政男名誉教授(校友会長)が「安全功労者内閣総理大臣表彰」を受賞” (プレスリリース), 明治大学, (2015年7月6日), https://www.meiji.ac.jp/koho/news/2015/6t5h7p00000iverd.html 2016年5月14日閲覧。 
  18. ^ a b c 吉田 2015.
  19. ^ 吉田 2015, p. 2.
  20. ^ ブレーン講演マネジメント, 学歴.
  21. ^ a b c d e f g h i 『制御システムの安全』日本規格協会、第1版第2刷、2008年10月8日、285頁(著者紹介)、ISBN 978-4-542-40407-6
  22. ^ a b ブレーン講演マネジメント, 職歴.
  23. ^ 拠点概要”. 明治大学先端数理科学インスティテュート. 2016年5月15日閲覧。
  24. ^ 3. 拠点メンバー・研究概要の紹介」明治大学「現象数理学の形成と発展」2008年度報告書、2016年5月15日閲覧。
  25. ^ 3. 拠点メンバー・研究概要の紹介」明治大学「現象数理学研究拠点」2012年度報告書、2016年5月15日閲覧。
  26. ^ 石川和良、青山元、関淳也、足立佳儀、石村左緒里、薩見雄一、向殿政男 「清掃ロボットにおける安全技術とコンポーネント」『日本ロボット学会誌』第29巻第9号、2011年、773-776頁。
  27. ^ 青山元、石川和良、関淳也、足立佳儀、石村左緒里、薩見雄一、向殿政男「清掃ロボットのエレベータ搭乗システムにおける安全対策」『日本ロボット学会誌』第29巻第9号、2011年、792-795頁。
  28. ^ “こんにゃく入りゼリー等の物性・形状等改善に関する研究会メンバーの委嘱について” (プレスリリース), 消費者庁, (2010年9月24日), http://www.caa.go.jp/safety/pdf/100924kouhyou_1.pdf 2016年5月15日閲覧。 
  29. ^ 缶が爆発! 熱湯が噴き出す! 間違った使い方で起きる家庭内事故の恐怖!』2016年5月14日閲覧。
  30. ^ 間違った使い方で起きる! 真夏の家庭内事故の恐怖 Part.2』2016年5月14日閲覧。
  31. ^ 間違った使い方で起こる家庭内事故の恐怖! 圧力鍋で調理してはイケナイ料理?』2016年5月14日閲覧。
  32. ^ 間違った使い方で起こる! 家庭内事故の恐怖 久々の家電のスイッチオンに気をつけろ!?』2016年5月14日閲覧。
  33. ^ 家庭内事故の恐怖! 最新版 冬の家電製品の間違った使い方』2016年5月14日閲覧。
  34. ^ 最新版! 間違った使い方で起こる家庭内事故!』2016年5月14日閲覧。
  35. ^ 知らずに使うと大事故に! 身の回りの使用期限!!』2016年5月14日閲覧。
  36. ^ 3月23日(土)に向殿政男先生最終講義・懇談会が行われました”. 明治大学校友会 (2013年3月26日). 2016年5月15日閲覧。
  37. ^ a b ISO45001(JIS)開発状況”. 中央労働災害防止協会. 2016年5月14日閲覧。
  38. ^ 明治大学情報科学系.
  39. ^ a b 論文賞受賞者”. フェロー・学会賞受賞者. 日本知能情報ファジィ学会. 2016年5月14日閲覧。
  40. ^ 功績賞受賞者”. フェロー・学会賞受賞者. 日本知能情報ファジィ学会. 2016年5月14日閲覧。
  41. ^ 北川学術賞”. 学会賞. 安全工学会. 2016年5月14日閲覧。
  42. ^ フェロー・学会賞受賞者”. 日本知能情報ファジィ学会. 2016年5月14日閲覧。
  43. ^ 向殿 2009, p. 1041.
  44. ^ 新井充「第1回安全工学フォーラム「安全知の体系化を目指して」」『EAJ NEWS 109』。
  45. ^ 2013年9月13日 研究所の新しい顧問として、向殿政男先生をお迎えしました。”. 日本ヒューマンファクター研究所 (2013年9月13日). 2016年5月15日閲覧。


参考文献編集

外部リンク編集

講演スライド
動画