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君に捧げるエンブレム』 (きみにささげるエンブレム) は、2017年1月3日21時 - 23時30分 (JST) にフジテレビ系で放送された日本新春ドラマスペシャル。主演は櫻井翔

君に捧げるエンブレム
ジャンル ヒューマン・ラブストーリー[1]
原作 京谷和幸 (原案)
企画 増本淳
脚本 安達奈緒子
演出 西浦正記
出演者 櫻井翔
長澤まさみ
市原隼人
田中哲司
倍賞美津子
香川照之
プロデューサー 増本淳
浅野澄美
制作 フジテレビ
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2017年1月3日
放送時間 1月3日 21:00 - 23:30
放送枠 新春ドラマスペシャル
放送分 150分
回数 1
公式サイト

事故で両足の機能を失った元Jリーガーの主人公が、車椅子バスケットボール選手になってパラリンピック日本代表を目指す物語[2]。実在する元選手・京谷和幸[3][4]がモデル[1]

なお1997年放送の『僕が僕であるために』以来、20年続いた『新春ドラマスペシャル』は、本作が最後となった。

目次

制作編集

本作の企画・プロデュースを手がけたのはフジテレビ増本淳。取材・構想からドラマ化まで5年かかっている[1]。増本は2011年に本作のモデルとなる車椅子バスケットボール選手・京谷和幸の記事を読んだことをきっかけに、京谷や日本代表コーチの及川晋平らにインタビューを行った[4]。京谷らに会った増本は強い憧れと興奮を感じ、障害者スポーツを感動ポルノとしてではなく[5]、かっこいいアスリートとして描くことを目指した[1]。増本はその後半年ほど取材を重ねてドラマの構想を練ったが、2012年のロンドンオリンピックの際に本作の企画は通らなかった。その後、日本での東京オリンピック開催が近づく2016年のリオオリンピックを前に2度目のプレゼンを行い、ついに企画を通した[4][注 1]

本作は実在選手への取材に基づいた情報をフィクションの物語に落とし込んでおり、主人公やその妻の性格はモデルとなる本人とは異なる[5]。主人公はサッカーの才能や自慢の恋人を持ち自信家で"傲慢"な一面もある[6]が、増本は"不完全"な主人公をかっこよく見せるストーリーこそが大事だと考えた[4]。そして主演には"身勝手でわがまま"な主人公を視聴者が受け入れられるように[4]、増本曰く「茶目っ気と真面目さが同居する稀有な役者」である櫻井翔を起用した[1]。櫻井は以前から報道番組『NEWS ZERO』でニュースキャスターとしてパラリンピック障害者スポーツを取材しており[1][7]、また2歳下で小学校からの友人が車椅子生活を送っていることから[8]、友人の困難を周囲にも気づいてほしいと思うようになっていた[7]。そこにちょうど主演のオファーがあり、ドラマによって多くの視聴者に関心を与えることができればと考えて出演を快諾した[7]。櫻井は撮影後も、障害者スポーツに「スポットライトを当てることができたら光栄」[8]「思い入れの強い作品」[9]と語っている。

選手役のキャストらは撮影前に車椅子バスケを1ヶ月練習し[9]、その後代々木第一体育館[10]などで1ヶ月間の撮影を経て2016年11月上旬にクランクアップした[11]。当初増本やコーチの堀江航らは、キャストが多忙なため最低限のプレーを撮影するのみで、試合シーンは吹き替えするよう用意していた[4]。しかしキャストらが予想以上の上達を見せたため、実際にテレビ放送した試合シーンの90%は代役なしのシーンが使用されている[4][12]

評価編集

2017年1月3日に放送された本作の視聴率は8.4%だった(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)[13]

放送に先駆けて2016年12月20日に行われた完成披露試写会[12]では、本作のモデルとなった京谷夫妻が舞台挨拶に参加し、夫の和幸は「こと細かに再現されていて懐かしい思い」と感想を述べた[14]。コラムニストの木村隆志は、障害という重いテーマ以上に「エネルギーの強さ」を感じるポジティブな作品であり、「未来への希望に満ちた作品」と評した。また車椅子バスケの激しい試合に興奮するのはもちろん、主演の櫻井と、香川照之ら「日本屈指の名優たち」との共演が見どころだと紹介した[15]。ドラマ評論家の成馬零一は、車椅子バスケの迫力やかっこよさがドラマを盛り上げており、障害者を「かわいそうな被害者としてではなく一人の人間として」描いている点に本作のスタンスが表れていると述べた。また成馬は安達奈緒子の「ハードで重厚」な脚本と西浦正記の「オシャレでポップ」な演出の組み合わせを評価し、自分勝手な主人公の性格を「人間臭いものとして魅力的に」演じる櫻井の演技や、彼を支える妻役の長澤まさみの演技を称賛した[16]

ストーリー編集

23歳でサッカー日本代表に選ばれた鷹匠和也は、交通事故に遭い下半身不随となる。日本代表から身体障害者へ「転落」した和也は周囲から奇異の目にさらされるが、婚約者である仲川未希は彼を支えた。そしてリハビリを開始した和也は車椅子バスケに出会い、パラリンピック日本代表を目指す。

キャスト編集

※役名と読仮名は公式サイト[17]より

主要人物編集

鷹匠和也(たかじょう かずや)
演 - 櫻井翔
主人公。サッカー日本代表の選手だったが、事故で脊髄を損傷し両足の機能を失った。4年間のリハビリと練習を経て車椅子バスケチーム・Wingsの選手となり、パラリンピック日本代表を目指す。
仲川未希(なかがわ みき)
演 - 長澤まさみ
和也の婚約者。後に妻となり一児をもうける。

Wings編集

向井大隼(むかい ひろと)
演 - 市原隼人
Wingsの得点王。13歳で膝に骨肉腫を患い右足を切断した。両肺に移転性のがある。
鶴田仁志(つるた ひとし)
演 - 田中哲司
Wingsを主宰する市役所職員。自身も車いすバスケの選手。

仲川家編集

仲川明生(なかがわ あきお)
演 - 小林薫
未希の父。駅員。障害をもった和也と娘の結婚に反対していたが、毎日駅に来る和也に次第に心動かされる。

鷹匠家編集

鷹匠和歌(たかじょう わか)
演 - 倍賞美津子
和也の母。サッカー選手として注目される息子を誇りに思っていた。

その他編集

向井史子(むかい ふみこ)
演 - かたせ梨乃
大隼の母。癌で入院している。
神村錬(かみむら れん)
演 - 安藤政信
車椅子バスケのレジェンド。生まれつき下半身が機能しない。18歳でドイツ車椅子バスケのプロとなり、20年に渡る選手生活を経て引退する。
福本廣太郎(ふくもと こうたろう)
演 - 香川照之
スポーツ紙記者。高校サッカーのころから和也の活動を追い続けている。
演 - 螢雪次朗朝加真由美水橋研二阿部亮平岡山天音飯田基祐遠山茜子林田悠作大迫一平住田隆与座よしあき ほか

スタッフ編集

脚注編集

注釈編集

  1. ^ プレゼンには、ウィルチェアーラグビーを題材にしたアメリカのドキュメンタリー映画『マーダーボール英語版』のダイジェスト映像が使用された[5]

出典編集

  1. ^ a b c d e f “嵐・櫻井翔、車椅子バスケ選手役で2年ぶりドラマ主演「すごく光栄」”. ORICON NEWS. (2016年9月8日). http://www.oricon.co.jp/news/2078110/full/ 2017年11月28日閲覧。 
  2. ^ “桜井翔 「君に捧げるエンブレム」鷹匠和也役”. 毎日新聞東京夕刊. (2016年12月22日). https://mainichi.jp/articles/20161222/dde/018/200/042000c 2017年11月28日閲覧。 
  3. ^ 2017年新春スペシャルドラマ『君に捧げるエンブレム』が本日放送されます”. 日本車椅子バスケットボール連盟 (2017年1月3日). 2017年11月28日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 須永貴子 (2017年1月1日). “嵐・櫻井翔主演『君に捧げるエンブレム』Pインタビュー 「車椅子バスケの"かっこよさ"を描いた」 (1/2)”. Real Sound映画部. http://realsound.jp/movie/2017/01/post-3665.html 2017年11月28日閲覧。 
  5. ^ a b c 須永貴子 (2017年1月1日). “嵐・櫻井翔主演『君に捧げるエンブレム』Pインタビュー 「車椅子バスケの"かっこよさ"を描いた」 (2/2)”. Real Sound映画部. http://realsound.jp/movie/2017/01/post-3665_2.html 2017年11月28日閲覧。 
  6. ^ 竹上尋子 (2016年12月23日). “嵐 櫻井翔が再びドラマに挑戦する意味――チームを盛り上げる“座長力”を読む (1/2)”. Real Sound. http://realsound.jp/2016/12/post-10687.html 2017年11月28日閲覧。 
  7. ^ a b c “車いすバスケ、特別な思い 櫻井翔、ドラマ「君に捧げるエンブレム」”. 朝日新聞DIGITAL. (2016年12月10日). http://www.asahi.com/articles/DA3S12701051.html 2017年11月28日閲覧。 
  8. ^ a b “櫻井翔 車いすバスケの人間ドラマで2017年のスタートを飾る”. 産経ニュース. (2017年1月2日). http://www.sankei.com/entertainments/news/170102/ent1701020001-n1.html 2017年11月28日閲覧。 
  9. ^ a b “櫻井翔"大人の青春"車いすバスケ1カ月の特訓”. 日刊スポーツ. (2016年12月21日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1754542.html 2017年11月28日閲覧。 
  10. ^ “櫻井翔が新春ドラマで車いすバスケに 「心一つになれた」続編熱望”. デイリースポーツオンライン. (2016年12月20日). https://www.daily.co.jp/gossip/2016/12/20/0009766401.shtml 2017年11月28日閲覧。 
  11. ^ “櫻井翔主演「君に捧げるエンブレム」今夜放送! 愛と涙あふれるドラマでお正月を締めくくる!”. インターネットTVガイド. (2017年1月3日). http://www.tvguide.or.jp/cyokusoubin/20170103/01_cyokusoubin.html 2017年11月28日閲覧。 
  12. ^ a b “櫻井翔 ドラマ撮影で「大人の青春」 車椅子バスケ選手演じ「宝物できた」”. スポニチアネックス. (2016年12月20日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/12/20/kiji/20161220s00041000151000c.html 2017年11月28日閲覧。 
  13. ^ “嵐×フジ年末年始キャンペーン、公式サイトに5億超の"拍手" 同局歴代最高数”. マイナビニュース. (2017年1月4日). http://news.mynavi.jp/news/2017/01/04/333/ 2017年11月28日閲覧。 
  14. ^ “櫻井翔、長澤まさみのツッコミに照れ「意外と涙もろい」”. ORICON NEWS. (2016年12月20日). http://www.oricon.co.jp/news/2083313/full/ 2017年11月28日閲覧。 
  15. ^ 木村隆志 (2017年1月1日). “櫻井翔が名優との"サシ演技"に挑む -『君に捧げるエンブレム』は未来への希望に満ちた作品”. マイナビニュース. http://news.mynavi.jp/news/2017/01/01/083/ 2017年11月28日閲覧。 
  16. ^ 成馬零一 (2017年1月2日). “嵐・櫻井翔、車椅子バスケに挑む青年を熱演! "感動ドラマ"を超えた『君に捧げるエンブレム』の迫力”. Real Sound映画部. http://realsound.jp/movie/2017/01/post-3666.html 2017年11月28日閲覧。 
  17. ^ 番組概要”. 公式サイト. 2017年11月28日閲覧。

外部リンク編集