四書大全』(ししょたいぜん)は、の時代に、永楽帝の命で胡広(ここう)らが編集した四書の注釈書。

起源 編集

1415年刊。 四書の注釈書。全36巻。朱熹(朱子)の『四書集注』が多くつくられたが,さらに勅令による『四書大全』が編纂された。

元朝をモンゴル高原に退けて、漢民族による中国統一を達成した明朝では、民族的・伝統的文化復興の気運の高まりを背景に、再び儒教が盛んとなった。

明では朱子学は官学となり、永楽帝の命によって『四書大全』・『五経大全』・『性理大全』などが編纂された。また中国最大の類書である『永楽大典』も編纂させた。

『四書大全』と『五経大全』(ともに1415年刊)は、『四書』と『五経』を朱子学の説によって解釈した注釈書で、以後中国と朝鮮で科挙試験の解釈の基準となった。また『性理大全』(1415年完成)は、性理学の学説を集大成した書である。しかし、国家が経典の解釈を定めたために、儒学は形式化し、思想の固定化が進んだ。科挙の受験者はこれらを暗記するのみで、明・清代の知識階級の自由な研究心は阻害されたといわれる。

関連項目 編集

参考文献 編集

  • Bary, Wm. Theodore de (1986). Neo-Confucian orthodoxy and the learning of the mind-and-heart. New York: Columbia University Press. p. 168. ISBN 0231052294 

外部リンク 編集