国父紀念歌(こくふきねんか)は、中華民国の国父、孫文を紀念するために作られた。作詞は中華民国考試院院長戴傳賢、作曲は黎錦暉。元の名を「総理紀念歌」としたが,民国三十六(1947)年の憲法施行後「国父紀念歌」に改められた。全曲は三つの節に分かれ,1節は国父の革命事蹟を,2節は國父の思想を記述し,3節は革命の継続を訴えている。

歌詞 編集

原文 編集

1
我們國父 首創革命 革命血如花
推翻了專制 建設了共和 產生了民主中華
民國新成 國事如麻 國父詳加計畫 重新改革中華(別の版本には「重新改造中華」)

2
三民主義 五權憲法 真理細推求
一世的辛勞 半生的奔走 為國家犧牲奮鬥
國父精神 永垂不朽 如同青天白日 千秋萬世長留

3
民生凋敝(別の版本には「神州鼎沸」) 國步艱難 禍患猶未已
莫散了團體 休灰了志氣 大家要互相勉勵
國父遺言 不要忘記 革命尚未成功 同志仍須努力

日本語訳 編集

1
我が国父、革命を創めたり。革命の血は花の如し。
専制を覆し、共和を建設し、民主中華を産み出せり。
民国新たに成り、国事繁忙なるも、国父は詳らかに計画す、中華の更なる改革を。

2
三民主義、五権憲法、追求すべき真理。
一世の苦労、半生の奔走は、国家のための犠牲と奮闘
国父の精神は、青天白日の如く、永遠に朽ちず、千秋万世に残らん。

3
民生は疲弊し、国の歩みは艱難たる。災禍なお未だ已まず。
団体は散せず、志を忘れず、汝ら相励めよ。
国父の遺言、忘るべからず。「革命未だ成功せず、同志らは努力せよ」

1、2番の歌詞には、映画『国父伝』に挿入された別の版本がある。

映画『国父伝』収録版の歌詞
原文 日本語訳

躍馬中原 收復河山
革命血如花
推翻了專制 建設了共和
產生了民主中華
大局紛爭 國事如麻
英雄奮勇搏殺
神州重放光華

辛亥雙十 滿清震慄
各地皆起義
十八省光復 全中國勝利
大家要同舟共濟
列強似虎 軍閥如狼
革命尚未成功
同志仍需努力

中原を駆け、河山を収復す
革命の血は花の如し
専制を覆し、共和を建設し
民主中華を生み出せり
全国は紛争し、国事は乱るるも
英雄は勇み征く
神州、再び光を放つ。

辛亥雙十、満清は震慄す
各地は皆蜂起し
十八省は光復し、全中国は勝利す
汝ら志を一つにすべし
列強は虎の如く、軍閥は狼の如し
革命は未だ成功せず
同志らは努力せよ。

関連項目 編集