国道5号

日本の北海道を通る一般国道
国道5号線から転送)

国道5号(こくどう5ごう)は、北海道函館市から後志地方を経由して、札幌市中央区に至る一般国道である。北海道では唯一の一桁国道である。

一般国道
国道5号標識
国道5号
地図
地図
総延長 301.0 km
実延長 301.0 km
現道 282.6 km
制定年 1952年昭和27年)指定
(原型は1907年明治40年))
起点 北海道函館市
函館駅前交差点(北緯41度46分21.4秒 東経140度43分40.9秒 / 北緯41.772611度 東経140.728028度 / 41.772611; 140.728028 (函館駅前交差点)
主な
経由都市
北海道山越郡長万部町
磯谷郡蘭越町
虻田郡ニセコ町倶知安町
小樽市
終点 北海道札幌市中央区
北1条橋(北緯43度3分45.8秒 東経141度21分24.1秒 / 北緯43.062722度 東経141.356694度 / 43.062722; 141.356694 (北1条橋)
接続する
主な道路
記法
国道227号標識 国道227号
国道230号標識 国道230号
国道37号標識 国道37号
国道229号標識 国道229号
国道231号標識 国道231号
国道12号標識 国道12号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

概要

函館市 - 山越郡長万部町間では北海道縦貫自動車道寿都郡黒松内町 - 札幌市間では北海道横断自動車道のルートがこの道路に並行しており、函館市 - 亀田郡七飯町間(函館新道)、茅部郡森町 - 山越郡長万部町間(道央自動車道)、寿都郡黒松内町(黒松内新道)、余市郡余市町 - 小樽市間(後志自動車道)、小樽市 - 札幌市間(札樽自動車道)でそれぞれ供用している。なお、このルートは函館市 - 札幌市間の最短経路ではなく、途中、山越郡長万部町から札幌市まで国道230号を利用するルートが最短となる。

路線データ

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
 
高架札樽自動車道と並走する国道5号(札幌市北区
 
小樽市、張碓トンネル手前(札幌方向)
 
小樽市内、潮見台バス停付近(函館方向)
 
国道5号起点標識函館市内)

一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

管轄

歴史

  • 1873年明治6年) - 函館 - 札幌間の新道が完成。同年11月5日の太政官布告第364号により同新道は札幌本道(さっぽろほんどう)と定められた。
札幌本道は、北海道開拓に最も重要な路線として日本初の本格的な長距離馬車道として建設されたもので、国道5号の起源にあたる。函館から森まで現・国道5号、森から室蘭までは航路、室蘭から札幌まで現・国道36号のルートをとるものであった。

旧道

1972年札幌オリンピックに合わせて札幌市と小樽市を結ぶ国道5号の有料バイパス道路として計画され、1971年昭和46年)に開通した。「札樽バイパス」とも呼ばれた。のちに高規格幹線道路への改修を受け、1973年(昭和48年)に高速自動車国道へ格上げされて札樽自動車道(札幌西IC - 小樽IC)となった[4]
札幌新道開通以前のルート。

路線状況

函館市から七飯町の赤松並木のあるあたりの国道5号は、札幌本道を現在もそのまま使用している区間である。この赤松並木の保護と自動車交通量確保の両立を目的に、赤松並木道の東側には並行する自動車専用道路の函館新道が建設され、2002年平成14年)3月に暫定2車線で全線供用している[5]

バイパス

別名

  • 札幌本道
  • 赤松街道
    函館市桔梗町から七飯町峠下の旧道区間。「歴史国道」「日本の道100選」に選定されるほか[6]読売新聞社選定の「新・日本街路樹100景」にも選定されている[7]。函館市桔梗町から七飯町峠下までの旧道には、14.3キロメートル (km) にわたり1200本ほどのアカマツの並木が植えられており、通称赤松並木とよばれる[5]。正式には、1990年(平成2年)に道の日の愛称募集で「赤松街道」と名付けられた。赤松並木は幅員18メートル (m)、2車線(一部、峠下地区は両側4車線)の道路で、歩道およびその外側の道路敷に赤松を配したものとなっている[5]。江戸時代末期の1856年(安政3年)、箱館奉行支配組頭栗本瀬兵衛が故郷の佐渡のアカマツの種を取り寄せ、七重薬草園(後の官園)で育てたのが元になったものである。やがて苗となった後、1873年(明治6年)開拓使の手により札幌本道が完成し、大部分は1877年(明治9年)の明治天皇行幸のおり記念に札幌本道へ移植された[8]。赤松並木のなかでも七飯町字大中山 - 同町字鳴川町の約2 kmの区間が最も良い状態でアカマツが残されているところで、この区間が1986年(昭和61年)度の「日本の道100選」に選定された。100年以上前に植えられた古木は樹形も良く、この並木を代表するものとなっている[8]
  • 大沼国道
  • 羊蹄国道
  • 小樽中央線
  • オロロンライン
  • 札樽国道
  • 北5条手稲通
  • 札幌新道
  • 創成川通

重複区間

道路施設

主なトンネル

  • 大沼トンネル(上り線 747 m、下り線 670.5 m)
  • 湯の崎トンネル(464 m)
  • 盤の沢トンネル(75 m)
  • 国富トンネル(105 m)
  • 島付内トンネル(225 m)
  • 稲穂トンネル(1,230 m)
  • 畚部トンネル(46 m)
  • 新忍路トンネル(1,742 m)
  • 新塩谷トンネル(1,063 m)
  • 長橋トンネル(1,000 m)
  • 砂留トンネル(460 m)
  • 平磯トンネル(408 m)
  • 新平磯トンネル(505 m)
  • 張碓トンネル(633 m)
  • 新張碓トンネル(669 m)

新忍路トンネルが2018年平成30年)3月17日に開通して新道に切替わり、旧道にあった下の2つのトンネルは廃止[9]

新塩谷トンネルが2021年令和3年)3月20日に開通して新道に切替わり、旧道にあった下の2つのトンネルは廃止[10]

  • 笠岩トンネル(370 m)
  • 塩谷トンネル(541 m)

道の駅

地理

通過する自治体

交差する道路

現道

渡島総合振興局

函館市
亀田郡七飯町
茅部郡森町
二海郡八雲町
山越郡長万部町

後志総合振興局

寿都郡黒松内町
磯谷郡蘭越町
虻田郡ニセコ町
虻田郡倶知安町
岩内郡共和町
余市郡仁木町
余市郡余市町
小樽市

石狩振興局

札幌市

函館新道

渡島総合振興局

函館市
亀田郡七飯町

主な峠

  • 目名峠(標高 214 m):後志総合振興局寿都郡黒松内町 - 後志総合振興局磯谷郡蘭越町
  • 倶知安峠(標高 250 m):後志総合振興局虻田郡倶知安町 - 後志総合振興局岩内郡共和町
  • 稲穂峠(標高 266 m):後志総合振興局岩内郡共和町 - 後志総合振興局余市郡仁木町

脚注

注釈

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ a b c d e f 2022年3月31日現在

出典

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 202-10-22閲覧。
  2. ^ a b 占用制限を行う路線一覧(一般国道)” (PDF). 国土交通省北海道開発局 (2016年2月29日). 2016年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月14日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月1日閲覧。
  4. ^ 浅井建爾 2015, pp. 91–92.
  5. ^ a b c 幡本篤「札幌本道赤松並木」(PDF)『土木学会誌』Vol.93 No.1、土木学会、2008年1月、54-55頁。 
  6. ^ 赤松街道”. 七飯町. 2014年5月10日閲覧。
  7. ^ 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日、127頁。ISBN 4-534-03315-X 
  8. ^ a b 「日本の道100選」研究会 2002, pp. 20–21.
  9. ^ “新忍路トンネル17日開通 国道5号桃内―忍路間1742メートル 土砂崩れ通行止め回避へ”. 北海道新聞. (2018年3月4日). https://www.hokkaido-np.co.jp/article/168952 2018年3月30日閲覧。 
  10. ^ 国道5号 新しい塩谷トンネルが開通 〜新トンネルの開通により、安心・安全な通行を確保〜” (PDF). 国土交通省北海道開発局 小樽開発建設部 (2021年2月25日). 2021年3月20日閲覧。

参考文献

  • 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3 
  • 「日本の道100選」研究会 著、国土交通省道路局(監修) 編『日本の道100選〈新版〉』ぎょうせい、2002年6月20日。ISBN 4-324-06810-0 

関連項目

外部リンク