国鉄カ1形貨車(こくてつカ1がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した10 t 積みの家畜車である。

国鉄カ1形貨車
基本情報
車種 家畜車
運用者 鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
所有者 鉄道省
運輸通信省
運輸省
日本国有鉄道
旧形式名 カ519形、カ534形、カ536形、カ573形、カ581形、カ582形、カ583形、カ585形、カ611形、カ631形、カ651形、カ666形、カ667形、カ668形、カ708形、カ5610形、他
改造年 1928年昭和3年)
改造数 245両
消滅 1959年(昭和34年)
主要諸元
車体色
軌間 1,067 mm
全長 7,012 mm
全幅 2,406 mm
全高 3,200 mm
荷重 10 t
実容積 24.5 m3
自重 5.7 t - 6.9 t
走り装置 シュー式
軸距 3,600 mm
最高速度 65 km/h
備考 *上記寸法は一例である
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概要 編集

1928年(昭和3年)5月の車両称号規程改正によりカ519形カ534形カ536形カ573形カ581形カ582形カ583形カ585形カ611形カ631形カ651形カ666形カ667形カ668形カ708形カ5610形カ1形1形式にまとめられ形式名変更された。

1934年(昭和9年)8月1日に簸上鉄道(ひかみてつどう)が国有化され、簸上鉄道に在籍していた車両4両(カ401 - カ404→カ240 - カ243)が本形式に編入された。また1937年(昭和12年)10月1日に北九州鉄道も国有化され、北九州鉄道に在籍していた1両(カ550→カ244)は本形式へ編入された。

以上合計245両(カ1 - カ255、10両欠)の車両が運用された。

種車は大半が1906年明治39年)公布の鉄道国有法により国有化された以前の車両である。当時は高価である冷蔵車はあまり用いられず、生きたままの輸送が一般的であった。カ1形1形式にまとめられたが形態は様々である。この為外観からは形式名の識別は困難である。

車体塗色は一色であり、寸法関係は一例として、全長は7,012 mm、全幅は2,406 mm、全高は3,200 mm、実容積は24.5 m3、自重は5.7 t - 6.9 tである。

1952年(昭和27年)に「老朽貨車の形式廃車」の対象形式に指定され、同年6月26日通達「車管第1232号」により告示された。(当時の在籍車数は88両であった) 戦後未捕捉車が数両存在したため昭和34年度に調査が行われ在籍車なしが確認され形式消滅した。

種車履歴 編集

旧形式名 形式番号 製造所 旧所有者 備考
カ519形 カ519 - カ520 山陽鉄道工場 山陽鉄道
カ534形 カ534 神戸工場 - 1911年(明治44年)車両称号規程により、
カト5を形式化
カ536形 カ536 - カ542 阪鶴鉄道工場 阪鶴鉄道
カ573形 カ573 - カ580 関西鉄道四日市工場
東京車輛製造所
関西鉄道
カ581形 カ581 大阪鉄道湊町工場 関西鉄道
カ582形 カ582 平岡工場 参宮鉄道
カ583形 カ583 - カ584 京都鉄道工場 京都鉄道
カ585形 カ585 - カ610 山陽鉄道工場 山陽鉄道
カ611形 カ611 - カ630 山陽鉄道工場 山陽鉄道
カ631形 カ631 - カ650 神戸工場 - 1911年(明治44年)車両称号規程により、
カト29 - カト48を形式化
カ651形 カ651 - カ665 新橋工場 - 1911年(明治44年)車両称号規程により、
カト14 - カト28を形式化
カ666形 カ666 神戸工場 - 1911年(明治44年)車両称号規程により、
カト1を形式化
カ667形 カ667 新橋工場 - 1911年(明治44年)車両称号規程により、
カト2を形式化
カ668形 カ668 - カ707 新橋工場
神戸工場
- 1911年(明治44年)車両称号規程により、カ49 - カ58
カ59 - カ88を形式化
カ708形 カ708 - カ807 -
カ5610形

脚注 編集

参考文献 編集

  • 「貨車略図 明治四十四年 鉄道院」1990年、復刻 鉄道史資料保存会
  • 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車―技術発達史―」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊