国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定
国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定(こくさいけいじさいばんしょのとっけんおよびめんじょにかんするきょうてい、英: Agreement on the Privileges and Immunities of the International Criminal Court)は、国際刑事裁判所(International Criminal Court、通称:ICC)およびその構成員について、特権および免除権を規定する協定である。
国際刑事裁判所の特権及び免除に関する協定 | |
---|---|
通称・略称 |
特権免除協定 APIC |
署名 |
2002年9月9日 第8回準備委員会会合にて採択 |
発効 | 2004年07月22日 |
寄託者 | 国際連合事務総長 |
言語 | アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語 |
主な内容 | 国際刑事裁判所およびその構成員の特権免除県を規定する協定 |
2002年9月9日の第8回準備委員会会合で採択され2004年7月22日、10カ国の批准を受けて発効した。通称はAPIC又は特権免除協定。
正文編集
加盟編集
- 署名 - 62カ国
- 批准 - #締約国72カ国(2013年1月現在)
日本編集
未加入(政府は2007年4月13日)第166回参議院本会議で外務大臣の麻生太郎及び法務大臣の長勢甚遠が加入の予定がないことを答弁[1]。
解説編集
国際刑事裁判所(ICC)は独立した国際条約機構であるため、その関係者は1946年に採択された「国際連合の特権及び免除に関する条約(国連特権免除条約)」の適用対象外となる。そこで、ローマ規程の第48条では、ICCおよびその関係者の特権と免除権を規定した。この規定により、ICCの判事(Judge)、検察官(Prosecutor)および裁判所書記(Registrar)は、「外交使節の長に与えられるのと同等の特権および免除を享受する権利」が与えられることになる。これをICCの締約国ならびに非締約国に保証させる補完協定がAPICである。
APICは、第2条~第12条でICCの法的地位に関する特権と免除の条件を定め、ICC職員についての特権および免除条件を第13条~第22条で定めている。第22条~第38条には、この協定によって付与される権限および免除権に関連して生じる問題を想定した規定が盛り込まれている。このうち、特権および免除権の規定はICCの法的地位に関するものが多く、APICの第2条および第3条に規定されるICCの機能に関連している。
仮にローマ規程の締約国でなくとも、APICの締約国であれば、APICの規定に則りICC関係者の特権および免除を保証しなければならないため、ローマ規程には批准できなくてもAPICを批准するという動きが高まっている。最近の例としては、ICCの締約国ではないがICCに対する協力の意思を表すためにウクライナ議会がAPICへの批准を決め、2007年1月29日付けで批准書を寄託。47カ国目としての加入を果たした。
締約国編集
- 2002年09月10日、 ノルウェー
- 2003年02月06日、 トリニダード・トバゴ
- 2003年12月01日、 アイスランド
- 2003年12月13日、 オーストリア
- 2004年01月29日、 ナミビア
- 2004年02月17日、 フランス
- 2004年04月14日、 ニュージーランド
- 2004年05月07日、 セルビア(当時セルビアモンテネグロ)
- 2004年05月26日、 スロバキア
- 2004年06月22日、 カナダ
- 2004年07月08日、 マリ
- 2004年08月19日、 パナマ
- 2004年09月02日、 ドイツ
- 2004年09月13日、 エストニア
- 2004年09月20日、 スロベニア
- 2004年09月21日、 リヒテンシュタイン
- 2004年12月08日、 フィンランド
- 2004年12月17日、 クロアチア
- 2004年12月23日、 ラトビア
- 2004年12月30日、 リトアニア
- 2005年01月13日、 スペイン
- 2005年02月11日、 アンドラ
- 2005年03月28日、 ベルギー
- 2005年06月13日、 デンマーク
- 2005年07月19日、 パラグアイ
- 2005年08月18日、 キプロス
- 2005年09月14日、 ベリーズ
- 2005年09月16日、 レソト
- 2005年09月16日、 リベリア
- 2005年10月10日、 ブルキナファソ
- 2005年10月19日、 北マケドニア
- 2005年11月16日、 ガイアナ
- 2005年11月17日、 ルーマニア
- 2006年01月20日、 ボリビア
- 2006年01月20日、 ルクセンブルク
- 2006年01月24日、 ベナン
- 2006年03月22日、 ハンガリー
- 2006年04月19日、 エクアドル
- 2006年07月28日、 ブルガリア
- 2006年08月02日、 アルバニア
- 2006年10月06日、 中央アフリカ
- 2006年10月18日、 韓国
- 2006年10月23日、 モンテネグロ
- 2006年11月03日、 ウルグアイ
- 2006年11月20日、 アイルランド
- 2006年11月20日、 イタリア
- 2007年01月29日、 ウクライナ
- 2007年02月01日、 アルゼンチン
- 2007年07月03日、 コンゴ民主共和国
- 2007年07月06日、 ギリシャ
- 2007年09月26日、 メキシコ
- 2007年10月03日、 ポルトガル
- 2008年01月25日、 イギリス
- 2008年04月01日、 ホンジュラス
- 2008年07月24日、 オランダ
- 2008年11月13日、 ボツワナ
- 2009年01月21日、 ウガンダ
- 2009年02月12日、 ポーランド
- 2009年04月16日、 コロンビア
- 2009年09月10日、 ドミニカ共和国
- 2009年09月24日、 スペイン
- 2009年10月07日、 マラウイ
- 2010年03月10日、 ジョージア
- 2010年09月20日、 ガボン
- 2011年04月28日、 コスタリカ
- 2011年05月04日、 チェコ
- 2011年06月29日、 チュニジア
- 2011年09月21日、 マルタ
- 2011年09月26日、 チリ
- 2012年01月11日、 ブラジル
- 2012年02月23日、 ボスニア・ヘルツェゴビナ
- 2012年09月24日、 スイス
脚注編集
- ^ “第166回国会 参議院本会議 第16号 (平成19年4月13日)P3-4”. 国会会議録検索システム. 国立国会図書館 (2007年4月13日). 2020年2月3日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- 多国間条約に関する批准書寄託状況の報告サイト(英) - 国連条約局