國語元年
『國語元年』(こくごがんねん)は、1985年6月8日から7月6日までNHK総合テレビジョンおよびNHK衛星第1テレビの「ドラマ人間模様」で全5回で放送されたテレビドラマ。シナリオは中公文庫から『國語元年』として刊行されている。放送後戯曲化され1986年にこまつ座制作で紀伊國屋ホールにて初演、同年に新潮社から刊行されている。
國語元年 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
作 | 井上ひさし |
演出 |
村上佑二 (1,2,5) 菅野高至 (3,4) |
出演者 |
川谷拓三 石田えり 浜村純 名古屋章 すまけい 賀原夏子 佐藤慶 ちあきなおみ 山岡久乃 |
音楽 | 宇野誠一郎 |
国・地域 |
![]() |
言語 | 日本語 |
製作 | |
制作プロデューサー | 岡田勝 |
撮影監督 |
大内山正則 (1,2,5) 小菅博 (3,4) |
編集 | 高室晃三郎 |
製作 | NHK |
放送 | |
放送チャンネル | NHK総合テレビジョン NHK BS1 |
放送国・地域 | ![]() |
放送時間 | 土曜 21:30 - 22:15 (1,3) 21:00 - 21:45 (2,4,5) |
放送枠 | ドラマ人間模様 |
放送分 | 45分 |
回数 | 5 |
いずれも井上ひさしによる脚本・戯曲で、明治初期にお国の土台、軍隊言葉に混乱がないようにと「全国統一話し言葉」作成を命じられたとある文部省官吏の苦闘を描いた作品[注 1]であるが、内容には相違がある。
放送ライブラリーでは第1回が公開[2]。
あらすじ編集
大竹ふみの故郷への言葉から始まる。南郷清之輔の邸宅にお手伝いとして入る。そこはお国言葉が行き交っていた。清之輔は文部省の学務局の役人で「全国統一話し言葉」の作成を命じられる。お国言葉の観察から始めるが、大変さが分かってくる。そこへ言語革命は秦始皇帝の漢字革命、フランス革命のフランス語改革しか成功していないといい、成功させるためには自分が必要と国学者という裏辻芝亭が居候として入ってくる。清之輔は軍隊で言葉が混乱すると国家の大事と騒ぐが、容易ではない。そこへ若林が押し込み強盗に入る。お金を渡すが、倍のお金の入った財布を忘れて行く。青森に逃げた会津の残党に仕送るために強盗を重ねていたのだ。取り返しに来てそのまま居残る。文語でどうかも検討するが、若林の意見で会津の言葉を基にしようと田中閣下に上申するが、逆賊の言葉とはと叱られる。若林が抗議に威しに行き、役職から外されるが、秋山が黙っておくことに決める。清之輔はさまざまな言葉を混ぜて統一言葉を作ろうとするが、自分の悪い意味のお国言葉が入るはみなから猛反対。「文明開化語」[注 2]を考えだす。「す」で終わり、過去形は「すた」、否定は「ぬ」、疑問は「か」、命令は「せ」を動詞につけるというものだが、これで口説けるかといわれ、ふみどんを相手に口説いて実験は成功。強盗ができるか若林が実験するが、ポリ公に捕まり、万人の言葉を変えるのは個人の力ではどうにもならないと書いてよこす。清之輔は田中閣下に上申するが、学務局が廃止され、机もなくなっている。
主な登場人物編集
- 南郷清之輔
- 南郷重左衛門
- 南郷光
- 南郷重太郎
- 秋山加津
- 築館弥平
- 広澤修一郎
- 江本太吉
- 御田ちよ
- 高橋たね
- 大竹ふみ
- 裏辻芝亭公民
- 若林虎三郎
放送日程編集
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- 放送時間:毎週土曜21:00~21:45
スタッフ編集
キャスト編集
- 南郷清之輔:川谷拓三
- 大竹ふみ:石田えり
- 南郷光:ちあきなおみ
- 南郷重左衛門:浜村純
- 南郷重太郎:岡田二三
- 御田ちよ:島田歌穂
- 高橋たね:賀原夏子
- 広澤修一郎:大橋吾郎
- 江本大吉:松熊信義
- 裏辻芝亭公民:すまけい
- 築館弥平:名古屋章
- 若林虎三郎:佐藤慶
- 秋山加津:山岡久乃
- 現代
- ニュースキャスター:平光淳之助
受賞編集
- 第12回放送文化基金賞 奨励賞
- 第18回テレビ大賞 番組賞
関連商品編集
書籍編集
- シナリオ
- 國語元年(2002年4月、中公文庫、ISBN 978-4122040045)
DVD編集
- 國語元年 DVD-BOX(2006年12月22日、NHKエンタープライズ)
戯曲編集
國語元年 | |
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作者 | 井上ひさし |
国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
ジャンル | 喜劇、戯曲 |
初出情報 | |
初出 | 舞台公演 |
刊本情報 | |
出版元 | 新潮社 |
出版年月日 | 1986年5月 |
総ページ数 | 214 |
初演情報 | |
場所 | 紀伊國屋ホール |
初演公開日 | 1986年1月16日 |
劇団 | こまつ座 |
演出 | 栗山民也 |
ポータル 文学 ポータル 舞台芸術 |
こまつ座第5回公演として1986年1月16日に紀伊國屋ホールで栗山民也演出により初演、同年5月に新潮社より刊行された。地方でも上演され、上演を重ねた。前口上を井上ひさしが『the座』に書いている[注 4]。
公演編集
こまつ座公演編集
- 第5回公演(1986年1月 - 2月)
- 第9回公演(1987年3月)
- 第65回公演(2002年3月)
- 第76回公演(2005年6月)
- 第111回公演(2015年9月)[3]
舞台版スタッフ編集
舞台版キャスト編集
- 南郷清之輔:佐藤B作
- 広沢修二郎:植本潤
- 裏辻芝亭公民:たかお鷹
- 南郷重左衛門:沖恂一郎
- 南郷光:土居裕子
- 御田ちよ:岡寛恵
- 大竹ふみ:野々村のん
- 高橋たね:田根楽子
- 築館弥平:角間進
- 江本太吉:後藤浩明
- 秋山加津:剣幸
- 若林虎三郎:山本龍二
書誌情報編集
- 國語元年(1986年5月、新潮社、214頁、ISBN 978-4103023197)
- 國語元年(1989年10月、新潮文庫、404頁(「国語事件殺人辞典」・「花子さん」を併録)、ISBN 978-4101168234)
- 新版 國語元年(2018年1月1日、新潮文庫、207頁、ISBN 978-4-10-116835-7)
脚注編集
注釈編集
出典編集
外部リンク編集
- ドラマ人間模様 國語元年 - NHK放送史
- 國語元年 DVD-BOX 全3枚 - NHKエンタープライズ
- 井上ひさし 『國語元年』 - 新潮社
- 井上ひさし 『新版 國語元年』 - 新潮社
- 「國語元年」国内上演記録