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地名研究家

地名を研究する人物

地名研究家(ちめいけんきゅうか、英語: toponymist)とは、地名を主に研究する人物をいう。

以下本項目では日本の地名研究家について述べる。

目次

概要編集

地名研究は日本では地理学の一分野との認識が一般に持たれ、地名事典の執筆なども地理学者が担当することがこれまでは多いものの、その一方で日本の教育機関において「地名」に関する講座はこれまでほとんど存在しない。よって地名研究家と呼ばれる人物の多くは、在野の研究者や地方史研究家、民俗学者などが中心であり、地域的地名辞典や各地の地名関係の書籍などもこのような研究者によるものが大部分である。もっとも、現在の日本の地名研究の主流は、当地の過去と現在の地名の比較や地名の地誌的なその土地に対する解説であり、地名語源を純粋に研究しているのではない、という意見もある(櫻井澄夫楠原佑介などの主張)。

日本の地名研究が当地の地名の由来(=古い地名の現在地への比定)を明らかにするという点を重視したのは、日本の地名の難解さや語源が不明確であることが要因の一つとされた。一方では、その語源研究に魅力を感じる者たちによって、難解な地名を近隣諸国やアイヌ語などの大陸や北方の言語に起源を求めたり、俗説、伝説や民間語源説が紹介された。

地名研究家の類型編集

地名研究家の実像編集

地名という歴史、地理、民俗学民族法制行政言語などさまざまな領域にまたがるものの研究には、日本に限らず多くの国でも既存の学問領域には収め切れないという性格があり、地名研究全体をカバーするような研究や概説書の執筆さえ、日本では学者によってもほとんど実現されてこなかった。また明治以来日本の地名研究に影響を与えてきた地名研究者、例えば吉田東伍柳田國男池田末則谷川健一などはすべて、地理学や歴史学言語学を大学で学んでいなかった。 これは日本の地名研究のあり方と実態をあらわしており、同時にそれぞれの研究家の地名への関心の内容の違いをも示している。地名研究家のそのような関心領域の違いは著作物の内容の違いにも現れており、相互に相手の研究を参照しない、影響しあわないという部分も少なくない。

日本の「地名研究家」編集

日本における「地名研究家」という言葉は、「大学教授」「学者」といった肩書きと違って、しばしば学者としての定職を本来持たないこと、つまり在野の研究家を意味し、地名研究が大学等の教育研究機関で、ほとんど正式に取り扱われてこなかったことによる。

例えば多くの歴史学者が地名について記述するのは、歴史事典、県別の地名辞典における分担執筆である。 またそのような学者の書く地名辞典(事典)には語源が書かれない。 そのような背景があるため、日本の地名研究家の多くは、もともと在野あるいは正式に言語学、歴史学などを学んだ者ではないことが多かった。

伝統地名の尊重と新地名の創作の是非編集

伝統的な地名の付け方を尊重し、市町村合併や住所変更などで創作される新地名合成地名ひらがな・カタカナ地名広域地名方角地名瑞祥地名など)について否定的・批判的な意見をもつ地名研究家が多い。ただし、従来からある合成地名や方角地名など(蒲郡市東京など)に対しては容認するか、批判的ではあっても改称を働きかけることまではしない。

上記のような考えを持つため、単純に「イメージが良い」「知名度が高い」地名を好む者たちとの間ではしばしば対立する。たとえば、地名研究家は自己の領域よりも広域の地名を用いることを「広域地名の僭称」と呼び、その地名を「僭称地名」といって批判の対象とすることがある。 当事者である地域住民も古い地名への愛着から新地名に不満を示したり批判したりする場合も多い一方で、新興住宅地などで地域住民の不満がほとんどないような地名では住民と地名研究家の間で意見が食い違うことになる。

多くの場合、町名地番を審議する市町村の住居表示審議会などでは、地名研究の実績のないような大学教授や、地方の名士が参加して審議し、町名が決定されていることが多い。平成の市町村合併の際にも、審議会では地名の専門家や「普通の」住民が参加することは稀で、町会長、商店会長、郵便局長、警察署長地方議員など地名変更推進派、あるいは合理主義者が変更を主導することが多く、地名研究家の出番は極めて少なかった。

主な地名研究家編集

以下は原則として出版物(自費出版を除く)を著している日本の人物を記載する。

参考図書編集

関連項目編集