さいたまダービーは、日本のダービーマッチの1つ。Jリーグに所属する浦和レッズ大宮アルディージャの対戦を指す。両クラブとも埼玉県さいたま市ホームタウンとすることが、名称の由来である。

概要 編集

県内最多の人口を有し、県庁所在地として県行政の中枢を担っていた旧浦和市と、同じく県の商業都市であった旧大宮市との間で軋轢があった。そのため、さいたまダービーはライバル都市同士の闘いという側面がある。

ホームスタジアム 編集

チーム名 スタジアム名
命名権名称)
収容人員 画像 備考
浦和レッズ 埼玉スタジアム2002
埼玉スタジアム
62,010人
 
埼玉
2箇所とも大宮の主催試合でも使用されたことがある。
大宮の改修に伴い、2005年は実質大宮・埼玉の併用。
埼玉での大宮主管は2005年 - 2007年・2009年・2010年の5回開催。
2006年 - 2007年10月は駒場を暫定本拠としていた。
駒場でのダービーはJ2時代の2000年と、
共にJ1となった2005年(何れも浦和主催の合計3試合)に使用。
さいたま市駒場スタジアム
浦和駒場スタジアム[1]
21,500人
 
駒場
大宮アルディージャ さいたま市大宮公園サッカー場
NACK5スタジアム大宮
15,500人
 
NACK
1992年・1993年Jリーグカップ、および1994年第2ステージと
1995年第1ステージに浦和が駒場改修に伴う暫定本拠地として使用したことがある。
2006年 - 2007年10月は改修のため使用せず。

戦績 編集

リーグ戦 編集

浦和レッズ:12勝7分9敗
大宮アルディージャ:9勝7分12敗

月日 時期 会場 ホーム 得点 アウェイ 観客数 得点者
2000年 3月25日 J2 第3節 駒場 浦和 1 - 0 大宮 20,189   64分小野伸二
5月22日 第14節 大宮 大宮 0 - 6 浦和 7,147   32分永井雄一郎  38分大柴健二  62分アンジェイ・クビツァ
  66分   84分オウンゴール  81分宮沢克行
9月16日 第33節 駒場 浦和 0 - 1 大宮 16,405   87分ジョルジーニョ
11月16日 第43節 大宮 大宮 0 - 1 浦和 9,499   19分大柴健二
2001年 - 2004年は浦和がJ1、大宮がJ2所属のため開催なし。
2005年 7月9日 J1 第15節 埼玉 浦和 1 - 2 大宮 50,437   18分トニーニョ  22分桜井直人  44分田中マルクス闘莉王
10月22日 第28節 大宮 1 - 3 浦和 30,038   3分三都主アレサンドロ  7分桜井直人、
  53分田中マルクス闘莉王、  69分トミスラフ・マリッチ
2006年 4月29日 第10節 浦和 2 - 0 大宮 54,774   32分ワシントン  89分永井雄一郎
9月10日 第22節 大宮 0 - 2 浦和 35,059   44分ワシントン、  89分永井雄一郎
2007年 5月6日 第10節 大宮 1 - 1 浦和 33,162   38分小林慶行  73分ワシントン
9月1日 第24節 浦和 0 - 1 大宮 49,810   60分森田浩史
2008年 4月20日 第7節 浦和 0 - 0 大宮 50,997
9月21日 第25節 NACK 大宮 0 - 1 浦和 11,530[注 1]   27分高原直泰
2009年 5月24日 第13節 埼玉 大宮 1 - 1 浦和 32,418[注 1]   8分朴原載  35分細貝萌
10月25日 第30節 浦和 0 - 3 大宮 43,746   16分   55分ラファエル  89分石原直樹
2010年 7月31日 第16節 浦和 0 - 1 大宮 40,326   28分ラファエル
10月2日 第25節 大宮 1 - 2 浦和 29,575[注 1]   4分高崎寛之  16分柏木陽介  45分ラファエル
2011年 6月11日 第14節 NACK 大宮 2 - 2 浦和 12,221   4分ラファエル、  53分深谷友基  56分エジミウソン  78分原口元気
10月15日 第29節 埼玉 浦和 0 - 1 大宮 34,654   84分ラファエル
2012年 4月21日 第7節 NACK 大宮 2 - 0 浦和 12,709   8分曺永哲  27分ラファエル
9月1日 第24節 埼玉 浦和 1 - 1 大宮 39,814   11分原口元気、  45+1分東慶悟
2013年 4月20日 第7節 NACK 大宮 1 - 0 浦和 13,016   45+2分ズラタン
10月5日 第28節 埼玉 浦和 4 - 0 大宮 47,790   11分阿部勇樹  72分原口元気、  76分興梠慎三  83分関口訓充
2014年 5月10日 第13節 NACK 大宮 0 - 2 浦和 13,348   29分興梠慎三、  68分柏木陽介
8月30日 第22節 埼玉 浦和 4 - 0 大宮 42,308   33分梅崎司  36分興梠慎三、  49分森脇良太  60分宇賀神友弥
2015年は浦和がJ1、大宮がJ2所属のため開催なし。
2016年 5月8日 J1 1st第11節 NACK 大宮 0 - 1 浦和 13,880   44分柏木陽介
7月17日 2nd第4節 埼玉 浦和 2 - 2 大宮 53,951   37分柏木陽介、  45+4分江坂任  59分武藤雄樹  68分マテウス
2017年 4月30日 第9節 NACK 大宮 1 - 0 浦和 12,401   63分茨田陽生
8月5日 第20節 埼玉 浦和 2 - 2 大宮 45,411   26分興梠慎三、  66分マテウス、  69分柏木陽介、  88分瀬川祐輔
2018年 - は浦和がJ1、大宮がJ2もしくはJ3所属のため開催なし。

カップ戦他 編集

浦和レッズ:9勝0敗
大宮アルディージャ:0勝9敗

開催年 開催日 時期 会場 ホーム 得点 アウェイ 観客数 得点者
1996年 11月17日 天皇杯 3回戦 駒場 浦和 3 - 0 NTT関東 15,344
1997年 12月14日 浦和 2 - 1 NTT関東 (不明)
2005年 3月26日 ナビスコ杯予選L 第2節 浦和 2 - 1 大宮 17,494   15分田中達也  23分エメルソン  64分冨田大介
6月4日 第5節 埼玉 大宮 1 - 3 浦和 26,397   10分鈴木啓太  27分エメルソン、  32分田中達也、
  57分トゥット
12月29日 天皇杯 準決勝 国立 大宮 2 - 4
(延長)
浦和 31,441   23分マリッチ、  26分片岡洋介  62分   102分長谷部誠
  89分冨田大介、  95分山田暢久
2009年 6月13日 ナビスコ杯予選L 第7節 埼玉 浦和 6 - 2 大宮 36,251   38分山田直輝  52分   57分エジミウソン、  52分高原直泰、
  65分土岐田洸平  71分原口元気、  83分藤田祥史  89分山田暢久
2011年 9月14日 ナビスコ杯2回戦 第1レグ 浦和 2 - 0 大宮 13,036   52分マルシオ・リシャルデス  65分原口元気
9月28日 第2レグ NACK 大宮 1 - 2 浦和 8,982   6分   23分ランコ・デスポトヴィッチ  73分金澤慎
2014年 4月2日 ナビスコ杯予選L 第2節 埼玉 浦和 2 - 1 大宮 20,697   16分李忠成  30分橋本晃司  87分青木拓矢
  • 大宮のチーム名は1997年までがNTT関東、1998年以降は大宮アルディージャ。
  • 天皇杯のホーム&アウェーは便宜上のもの。

タイトル 編集

※2023年12月25日時点

国内大会 浦和 大宮
J1リーグ 1 0
J1 1stステージ 1 0
J1 2ndステージ 2 0
J2リーグ 0 1
J3リーグ 0 0
Jリーグカップ 2 0
天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会 4 0
スーパーカップ 2 0
通算 12 1
国際大会 浦和 大宮
FIFAクラブワールドカップ 0 0
AFCチャンピオンズリーグ 3 0
Jリーグカップ/コパ・スダメリカーナ王者決定戦 1 0
通算 4 0

Jリーグ準備期のエピソード 編集

Jリーグ発足は1993年であるが、Jリーグはその準備段階のプロリーグ検討委員会第三回ヒアリング(1991年1月21日-24日)において各チームに対し「チーム名から企業名を外せるか」という提案をした。これに対し、元埼玉県サッカー協会副会長の松本暁司川淵三郎(現・日本サッカー協会名誉会長)に「浦和と名乗ったら、埼玉じゃ、大宮の連中は絶対に応援しないと思うよ。だから三菱自動車の方がいいんじゃないかな」と忠告した。これに対し川淵は「世の中、難しいもんだな」と思わざるを得なかった、とのことである[2][3][注 2]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ a b c 観客数の(注)については「さいたまダービー」を参照。
  2. ^ ちなみにこれには賛同するチーム、反対するチーム、様子見するチームに分かれたが、初年度から企業名抜きのチーム名で参加したのは鹿島、清水、名古屋、広島の4チームだけだった。他のチームは本音では反対のようであり、中でも読売クラブ(現在の東京ヴェルディ)は「企業がおカネを出すのだから、企業の名前を外してというのは難しい。絶対にできません」と主張した[2][3]

出典 編集

  1. ^ 2012年に浦和レッズが命名権を取得しているが、命名権の上での施設名の変更はされていない。
  2. ^ a b 「Jの履歴書 日本サッカーとともに」 著者 川淵三郎 P113より。
  3. ^ a b 「夢を掴む」著者 川淵三郎 P97,P98より。

関連項目 編集