塙英夫
生涯 編集
東京生まれ。本名・正。千葉県立旧制匝嵯中学校を経て第一高等学校に進学するが、伊藤律らと非合法政治活動に加わり、1931年、校友会雑誌に発表したものが問題となり検挙され中退。満州に渡り農村工作に当たる。
1941年、「アルカリ地帯」が『中央公論』懸賞小説に当選し掲載。一方で検挙され奉天の監獄に入る。
敗戦後、引き揚げの手助けをして1947年帰国。1953年、引き揚げの経験を描いた『背教徒』で芥川賞候補、同年「すべて世はこともなし」で再度候補。
日本教職員組合関係の仕事に就いて翻訳を行った。
著書 編集
翻訳 編集
- レーニン丘 海軍武官の想い出 L.C.スチーヴンス 国際文化研究所 1955 (国際新書)
- アメリカ文化の批判 アメリカを知らんとする人のために G.セオトカス 啓文館 1957
- キッスが終ったとき フィッツギボン 論争社 1961 (ぺりかん・ぶっく)
- 若い女性の心理 第1-3 ヘレーネ・ドイッチュ 懸田克躬共訳 日本教文社 1964
脚注 編集
- ^ 『現代物故者事典 1988~1990』(日外アソシエーツ、1993年)p.504
参考 編集
- 稲垣眞美『旧制一高の文学』