塙 英夫(はなわ ひでお、1912年10月25日 - 1988年2月20日[1])は、日本作家左翼活動家。

生涯 編集

東京生まれ。本名・正。千葉県立旧制匝嵯中学校を経て第一高等学校に進学するが、伊藤律らと非合法政治活動に加わり、1931年、校友会雑誌に発表したものが問題となり検挙され中退。満州に渡り農村工作に当たる。

1941年、「アルカリ地帯」が『中央公論』懸賞小説に当選し掲載。一方で検挙され奉天の監獄に入る。

敗戦後、引き揚げの手助けをして1947年帰国。1953年、引き揚げの経験を描いた『背教徒』で芥川賞候補、同年「すべて世はこともなし」で再度候補。

日本教職員組合関係の仕事に就いて翻訳を行った。

著書 編集

  • 背教徒 筑摩書房 1953
  • 自由の樹 1956 (河出新書)
  • みとせの春 (鳥影社文庫) 1989
  • 野川隆今村栄治・塙英夫作品集 ゆまに書房 2001.9 (日本植民地文学精選集 22(満洲編 8))

翻訳 編集

  • レーニン丘 海軍武官の想い出 L.C.スチーヴンス 国際文化研究所 1955 (国際新書)
  • アメリカ文化の批判 アメリカを知らんとする人のために G.セオトカス 啓文館 1957
  • キッスが終ったとき フィッツギボン 論争社 1961 (ぺりかん・ぶっく)
  • 若い女性の心理 第1-3 ヘレーネ・ドイッチュ 懸田克躬共訳 日本教文社 1964

脚注 編集

  1. ^ 『現代物故者事典 1988~1990』(日外アソシエーツ、1993年)p.504

参考 編集

  • 稲垣眞美『旧制一高の文学』