グレーター・ロンドン

大ロンドンから転送)
グレーター・ロンドン
Greater London
グレーター・ロンドン
イングランド内のグレーター・ロンドンの位置
地理
地位 リージョン*
行政地区
典礼カウンティ
面積
— 総面積
第9位
1,572 km²
NUTS 1 UKI
人口統計
人口(2011)
— 総人口
— 人口密度
第2位
8,174,000[1](2011年)人
5,206人/km²
一人当たりのGVA £30,385 (第1位)
地方政府
行政庁所在地 サザーク区 シティ・ホール
議会
— 選挙制度
ロンドン議会
直接選挙
地域開発公社 ロンドン開発公社LDA
官庁 大ロンドン庁
首長 サディク・カーン市長
欧州議会 ロンドンLondon
ウェブサイト
備考
*: リージョンの呼称はロンドン。
†: シティ・オブ・ロンドンを除く。

グレーター・ロンドン英語: Greater London)は、イングランドおよびイギリス首都ロンドンにおける最高レベルの行政区画である[2]。日本語では大ロンドンとも呼称される。1965年に設置され、その範囲はシティ・オブ・ロンドンと32のロンドン特別区に及ぶ[2]。この領域はロンドンの地方行政区分および欧州議会選挙区に一致する。住民一人当たりのGVA(粗付加価値)はイギリス最大である。面積は1,572 km2(607 sq mi)[3]で、2011年の国勢調査による人口は8,174,000人[1] である。1965年以前は、「グレーター・ロンドン」という単語は行政上のカウンティ・オブ・ロンドンよりも広範囲を指し、しばしばロンドン警視庁管区とほぼ同義に用いられるなど、様々な区域を定義していた[4]

行政上および統計上の機能に加えて、(シティ・オブ・ロンドンを除く)グレーター・ロンドンは48あるイングランドの典礼カウンティのうちの1つで、グレーター・ロンドン統監職英語版の下に置かれている。

目次

概要編集

グレーター・ロンドンはシティ・オブ・ロンドンシティ・オブ・ウェストミンスターに31のロンドン特別区(London boroughs)を加えた範囲を領域としている。総面積は1579 km²(609 sq mi)、人口は2001年時の調査で7,172,036人であった。人口調査による数値は実際よりも過小になる傾向があり、統計局による計算によると、実際には7,322,400人の住民が存在している。

地方行政区編集

2000年以降、ロンドン地域には地方自治体としてグレーター・ロンドン・オーソリティーGreater London Authority, GLA)が設けられており、ロンドン市長 (Mayor of London) がその行政の責務を負い、同様にロンドン議会London Assembly)が立法府としての役割を担っている。この双方が入居するGLAの本庁舎は、サザーク特別区シティ・ホールに所在する。

行政上の地位編集

グレーター・ロンドンの行政上の地位は複雑である。公式にはイングランドの州の1つであるとされている(シティ・オブ・ロンドンは除く)。イングランドを構成する9つの地方の1つである。この立場における公式な名称はロンドン(London)である。イングランドにおいて、選挙により選出された議員が構成する議会と行政府の長が存在する地方はロンドンのみである。

通常ロンドンという言葉を使用する際にはシティ・オブ・ロンドン[5] のことではなく、グレーター・ロンドンをさす場合が大半である。法律を厳密に解釈すると大ロンドンは市(city)ではないが、慣習的にグレーター・ロンドンは単一の市であるとして認識されている。

特別区編集

歴史編集

グレーター・ロンドンはロンドン自治法1963年制定、1965年4月1日施行)に基づき、それまでのミドルセックス州の大部分、カウンティ・オブ・ロンドン及びシティ・オブ・ロンドン[6] に、ケントハートフォードシャーサリー及びエセックスの一部を加える形で成立した。ホーム・カウンティと呼ばれるエセックス、ハートフォードシャー、バッキンガムシャーバークシャー、サリー及びケントと市域を接している。

かつてのグレーター・ロンドンの行政は2層からなる地方自治制度を組み合わせた独特の制度であり、グレーター・ロンドン・カウンシルがシティ・オブ・ロンドンと32の特別区(boroughs)と行政権限を共有していた。グレーター・ロンドン・カウンシルはサッチャー保守党政権下の1986年、一部の権限をシティ・オブ・ロンドンと32の特別区に移し、残りを中央政府へと戻す形で廃止された。後の2000年ブレア労働党政権は再び大ロンドン市域全体の行政府として大ロンドン庁(Greater London Authority)を設置し、立法府としてロンドン市議会、そしてロンドン市長職が成立した。2000年および2004年の市長選挙では、グレーター・ロンドン・カウンシルの最後の市長であったケン・リヴィングストンが市長に選出されたが、2008年の市長選挙では保守党ボリス・ジョンソンに敗れた。2016年の市長選挙では、労働党サディク・カーンが選出され、EU加盟国の首都の長としても史上初のムスリムのロンドン市長が誕生した。

現在のグレーター・ロンドン市域にあたる部分の人口は、1801年の約110万人[7] から1939年には860万人に増加したが、1980年頃には680万人に落ち込んでいる。1980年初頭からは再び増加する傾向にあるが、2003年時点で1970年代初頭の人口(1921年の人口と同程度)に達した程度である。研究者の中には大ロンドンの人口は2016年には815万人に達すると予測する者もいるが、それでもピークである1939年と比べて45万人ほど少ないということになる。より広い市域の定義であるロンドン都市圏(ロンドン通勤圏)で考えると、1200万人から1250万人が都市圏人口とされる。

なお、「グレーター・ロンドン」という単語は、1965年以前は特にスコットランドヤードロンドン警視庁)が管轄する範囲を指す言葉[8] として用いられていたが、現在のスコットランドヤードの管轄地域を指す言葉としては、 "Metropolitan Police District" が好んで用いられている。

地理編集

グレーター・ロンドンはイングランド東部エセックスハートフォードシャーおよびイングランド南東部バッキンガムシャーバークシャーサリーケントの"ホーム・カウンティ"と境界を接する。グレーター・ロンドンの最高地点はケントとの境界にあるノース・ダウンズのウェスターハム・ハイツで、標高は245メートルである。

グレーター・ロンドンの面積は1965年の設置以来、幾度となく変更を重ねてきた。細かな変更を含めるとかなりの数になるが、中でも最も重大な変更は1969年のノックホルトのケントへの編入とファーリーのサリーへの編入である[9]。1990年代の一連の州境変更によって、M25高速道路の境界が度々再調整された。2008年2月4日以降、グレーター・ロンドンの大部分はロンドン低排出ゾーンを形成している。

人口統計編集

1971年以前の数値は統計から計算したものである。1981年以降の人口は中間期の推定(midyear estimates)であり、人口を過小に申告される傾向のある国勢調査結果よりも精度が高い。

1891年 4月5日/6日 5,572,012
1901年 3月31日/4月1日 6,506,954
1911年 4月2日/3日 7,160,525
1921年 6月19日/20日 7,386,848
1931年 4月26日/27日 8,110,480
1939年 中間期推定人口 8,615,245
1951年 4月8日/9日 8,196,978
1961年 4月23日/24日 7,992,616
1965年 グレーター・ロンドンが正式に成立
1971年 4月25日/26日 7,452,520
1981年 中間期推定人口 6,805,000[10]
1988年 中間期推定人口 6,729,300[11]
1991年 中間期推定人口 6,829,300[12]
2001年 中間期推定人口 7,322,400[13]
2002年 中間期推定人口 7,361,600[14]
2003年 中間期推定人口 7,364,100[15]
2004年 中間期推定人口 7,389,100[16]
2005年 中間期推定人口 7,456,100[17]
2006年 中間期推定人口 7,512,400[1]
2009年 中間期推定人口 7,753,600[1]

脚注編集

  1. ^ a b c d T 08: 2011 Census - Population and Household Estimates for England and Wales, March 2011”. 国家統計局 (2012年7月16日). 2012年7月16日閲覧。
  2. ^ a b Travers, T., The Politics of London, (2004)
  3. ^ Our Region”. www.gol.gov.uk. Government Office for London. 2009年10月15日閲覧。
  4. ^ Glass, R., London: aspects of change (1964).
  5. ^ シティまたはスクエア・マイルと呼称される。
  6. ^ カウンティ・オブ・ロンドン行政府であるロンドン・カウンティ・カウンシルからは独立していた。
  7. ^ うち85万人ほどが都市部で暮らしており、残りの25万人は周辺の村に住んでいた。
  8. ^ その範囲は現在のグレーター・ロンドン市域とは一致しない。
  9. ^ The Greater London, Kent and Surrey Order, 1962
  10. ^ T 08: Quinary age group and sex for local authorities in England and Wales; estimated resident population based on the 1991 Census; Mid-1981 Population Estimates.”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  11. ^ T 08h: Mid-1988 Population Estimates; Quinary age groups and sex for local authorities in England and Wales; estimated resident population revised in light of results of the 2001 Census”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  12. ^ T 09a: Mid-1991 Population Estimates; Quinary age groups and sex for local authorities in the United Kingdom; estimated resident population”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  13. ^ T 08: Selected age groups for local authorities in the United Kingdom; estimated resident population; revised in light of the local authority population studies; Mid-2001 Population Estimates”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  14. ^ T 09L: Quinary age groups and sex for local authorities in the United Kingdom; estimated resident population Mid-2002 Population Estimates; reflecting the revisions due to improved international migration”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  15. ^ T 09m: Quinary age groups and sex for local authorities in the United Kingdom; estimated resident population Mid-2003 Population Estimates; reflecting the revisions due to improved international migration”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  16. ^ T 09n: Quinary age groups and sex for local authorities in the United Kingdom; estimated resident population Mid-2004 Population Estimates; reflecting the revisions due to improved international migration”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。
  17. ^ T 09p: Quinary age groups and sex for local authorities in the United Kingdom; estimated resident population Mid-2005 Population Estimates; reflecting the revisions due to improved international migration”. Office for National Statistics (2007年8月22日). 2007年8月22日閲覧。

外部リンク編集