大日向 雅美(おおひなた まさみ、1950年9月30日[1] - )は、日本の心理学者恵泉女学園大学学長・人間社会学部人間環境学科教授。専門は発達心理学(家族・親子関係)、ジェンダー論。

経歴編集

神奈川県出身[2]1973年お茶の水女子大学を卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程を経て、1983年東京都立大学 (1949-2011)大学院人文科学研究科博士課程満期退学[2]1985年、お茶の水大学大学院(学術博士)。1995年1996年オックスフォード大学客員研究員。1997年1999年東京都知事青島幸男)参与。1989年より恵泉女学園大学に勤務し、2013年、人間社会学部社会園芸学科教授に就任。2016年4月1日〜2020年3月31日学長。

少子化対策や子育て支援を中心に、文部科学省厚生労働省内閣府の主催する懇談会で委員や座長を務めた[2]。2012年11月、社会保障制度改革国民会議委員。平成28年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞[3]2019年、第70回NHK放送文化賞受賞[4]。現在、NPO法人あい・ぽーとステーション代表理事であり[2]、港区の子育てひろば「あい・ぽーと」の施設長を務める[5]。日本心理学会、日本発達心理学会、日本小児保健協会に所属。読売新聞人生案内の回答者の一人を務める。

人物編集

  • 発達心理学が専門であり、著書や講演では主に子育てや少子化問題について論じている。1970年代のコインロッカーベビー事件を契機に、母親の育児不安育児ストレスについて研究を始めた[6]。母親は慈愛に満ちているという母性観を幻想と指摘し[6]、家族や地域で子育てをする必要性を主張している[6]
  • 「子供が三歳になるまでは母親が育児に専念すべき」という三歳児神話を問題視し[7]、乳幼児期の育児を母親一人で担うという考え方は、「大正期の資本主義の勃興期にルーツがあり、都市型の労働力を確保するための社会的・経済的要請に基づく性別役割分業体制を支えるイデオロギーであったにすぎない」と指摘した[7]。一方で、母親が子どもを愛する大切さや幼少期のふれあいはむしろ重視しており、その実現のために共働き家庭への子育て支援の必要性を主張している。
  • アニメのサザエさん『サザエさん、パートに出る』の回で、働きに出たサザエさんが、最後家族のために仕事を辞めるという筋立に疑問を抱いたという。(参考:『メディアにひそむ母性愛神話』〜「サザエさんのつらい思い出」)

主な著書編集

  • (共著)『人間発達の心理学』(サイエンス社) ISBN 478190579X
  • 『母性の研究--その形成と変容の過程:伝統的母性観への反証』(川島書店) ISBN 4761003839
  • 『子育てがいやになるときつらいとき--悩んでいるのはみんな同じ』(主婦の友社) ISBN 4079398468
  • 『子育てと出会うとき』(NHKブックス) ISBN 4140018526
  • 『母性愛神話の罠』(日本評論社) ISBN 4535561567
  • 『子育てママのSOS--育児をしなくとも「父」という「夫」にわかって欲しい』(法研) ISBN 4879543586
  • 『子育てがつらくなったとき読む本--悩めるママとの対話から』(PHP) ISBN 4569614698
  • 『母性愛神話とのたたかい』(草土文化) ISBN 4794508492
  • 『メディアにひそむ母性愛神話』(草土文化) ISBN 4794508700
  • 『「子育て支援が親をダメにする」なんて言わせない』(岩波書店)ISBN 4000228501
  • 『おひさまのようなママでいて』(幻冬舎)ISBN 4344028082

翻訳編集

  • ダイアン・E・アイヤー(大日向史子と共訳)『母性愛神話のまぼろし』(大修館書店) ISBN 4469264326

脚注編集

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  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.305
  2. ^ a b c d 【恵泉女学園大学学長・大日向雅美さん】コロナ禍での子育てや暮らし 不安やストレスを減らすには | 佼成新聞デジタル”. 佼成新聞DIGITAL (2021年3月25日). 2021年10月12日閲覧。
  3. ^ 平成28年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰受賞者名簿 | 内閣府男女共同参画局”. www.gender.go.jp. 2021年10月12日閲覧。
  4. ^ ^ 「第70回日本放送協会放送文化賞」の贈呈についてNHK広報局
  5. ^ 施設長・スタッフ紹介|子育てひろば「あい・ぽーと」” (日本語). 2021年10月12日閲覧。
  6. ^ a b c 誰もが虐待グレーゾーン…「子育ては一人では無理」 大日向雅美さんが説く母性観の幻想” (日本語). sukusuku.tokyo-np.co.jp. 2021年10月12日閲覧。
  7. ^ a b 助産婦雑誌 55巻9号 (2001年9月)”. 医書ジェーピー. doi:10.11477/mf.1611902717. 2021年10月12日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集